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殺してやるぞミオリネの編集履歴

2023-07-09 23:39:48 バージョン

殺してやるぞミオリネ

らうだのやつあたり

アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第21話に関連したネタ。

概要

機動戦士ガンダム 水星の魔女』第21話『今、できることを』内での展開を指すフレーズ。


同話のラストシーン、ラウダ・ニールの発言が元で、それがあたかも天の助パロディのようであったことから生まれたネタなのだが、状況を簡潔に表しているため流行を見せた。


あらすじとネタ成立の経緯

第21話終盤、周囲との連絡を絶ったラウダは、格納庫であるモビルスーツを睨みつけながら怨嗟の声を漏らす。


「あいつのせいだ」

ペトラも、学園も」

兄さんが変わったのも」


この時、視聴者はラウダの過去の発言の傾向から、「きっとまた水星女を恨んでいるんだろうなぁ」とか、「話の流れ的に矛先はシャディクかな」と思わされた。

が、次の瞬間彼の口から飛び出た名前は――


ミオリネ……!」


であった。


ミオリ天の助

...シリアスで不穏な展開をさらに加速させる緊迫感ある締めではあるのだが、この流れが宛ら『ボボボーボ・ボーボボ』の殺してやるぞ天の助を思い起こさせるものだったため、上記のネタを知っている者からすれば不意打ちでシュールギャグを突きつけられたかのような構図になってしまった。

結果、21話の放送直後からツイッターでトレンド入りする程に広まるなどした上、それに呼応するようにネタイラストが多数作成された。


復讐心に突き動かされがガンダムに乗るラウダ・ニール

そして続く第22話。

ミオリネたちがクワイエット・ゼロ及びプロスペラの野望を止めるため、クワイエット・ゼロへの突入作戦を遂行する中、ラウダが件のモビルスーツ...ガンダム・シュバルゼッテに搭乗して一行を強襲。専用ディランザに搭乗していた兄・グエルに阻止されるが、ラウダは彼に向かって「まだあの女に囚われているのか……兄さん……!」と吐き捨てるのだった。


なぜミオリネなのか?

一見逆恨み・八つ当たりのように思える言動だが、ラウダの主観からすれば必ずしもそうとは言えない。


「[[ペトラも、学園も」について

ペトラが重傷を負ったのはアーシアンのテロが原因だが、その引き金となったのがベネリットグループによるアーシアンの虐殺行為である。

これは表向きにはミオリネが指揮したものであると大々的に報道されている(もちろん事実は異なるが)ため、ペトラや学園がテロに巻き込まれた原因をミオリネとするのは納得がいく。


また、この時点で実際にテロに加担した人物を見てみても、

  • 間接的にテロを引き起こしたとされるシャディクシャディク隊とともに拘束され、罰を受ける流れが決定している。
  • テロの実行犯であり、ペトラがいた建物を破壊したノレアは既にこの世を去っている。

と、恨もうにも恨めない状況である。


さらに、これらの大元の原因であるプロスペラの暗躍と、宇宙議会連合による陰謀について、ラウダは知らない。

ラウダからすれば、やり場のない怒りをぶつける相手は最早ミオリネぐらいしか残っていなかったのだろう。


「兄さんが変わったのも」について

一方で、「グエルが変わった(=を殺害した)」件についてはミオリネが直接的な原因となった描写は見られない。

グエルが大きく影響を受けたのは主にスレッタからであり、ミオリネがグエルの婚約者に戻ったのも父親を手にかけてしまった後である。


ただ、ペイル社時期トップ候補武者を使わなければならなくなった理由の一つである「決闘の勝者で最も優秀な生徒がホルダーとなり、ミオリネを娶ってベネリットグループの総帥となる」というホルダー制度を考えると、初期のグエルも(乗り気だったとはいえ)翻弄され、スレッタ登場以降は迷走し、そして起きた惨劇も考えると、その点で「騒動の元になったのは突き詰めればミオリネである」として彼女を恨む気持ちもわからなくもない。


また父殺しの件でグエルを恨むにも、元より「尊敬する兄」だけではなく、グエルが復帰して責務から解放された反面、何もない自分に引け目を感じていたような描写があった。

ラウダ自身ヴィムに内緒で兄の退学の手続きを阻止していたため、少なからず父に反抗心があったのは確かであり、その最期にはある種「横暴な父の自業自得」として割り切っていたとも思われていた。したがって、父を殺したことそのものを恨んでいるとはとれない、との指摘があった。


残るミオリネに対しては、ラウダの視点から見れば「兄を巻き込んで騒動の引き金を引いた」ようにしか見えなかったため、これにグエルの変化の原因を押し付ける形で恨んでいるのだと思われるが、こちらに関してはやはり理不尽な恨みであると断じざるを得ない。


スレッタについて

ではスレッタはどうなのか?

以前は「お前が来てからおかしくなったんだ……! 何もかも! ……水星女!!」と深い恨みを抱いていたため、彼女が対象から外されているのは若干不自然にも思える。


しかし、彼女(と地球寮の面々)にはランブルリングにて負傷した際に助けられただけでなく、学園でのテロ時に瓦礫に潰されていたペトラを発見・救助してもらった義理がある。

20話終盤でカミル・ケーシンクからその事実を知らせるかのような通話の際に、ペトラがスレッタたちに救助された経緯がラウダに知らされた可能性がある。ペトラ本人が意識不明の重体の中、恩人であるスレッタをこれ以上恨むのは良くないと考えたのだろう。


また、ラウダから見たスレッタの現状は18話での嫌味からして「ラウダ自身も『グエルの傍を奪われた』との自嘲と皮肉も含め、ミオリネに良いように使い捨てられた存在」とする、ある種の同族嫌悪、あるいは同情の方が大きいと考えられる。


結論

以上から導かれる結論としては

「ラウダ視点で見た場合は正当な部分もある反面、やはり逆恨みな部分もある」

とするのが妥当であろう。

もっとも、21話~22話現在の、「アーシアンの虐殺に加担してしまった」と思い込み精神的に大分弱っているミオリネでは、「ラウダの逆恨みも自分のせいと認めかねない」と視聴者からは懸念されていた。


その顛末

第23話では、ミオリネに対する怨嗟と、父殺しのことを黙っていたグエルに怒りをぶつけながら、自分を止めようとするグエルに襲い掛かり、機体の性能差もあってグエルを追い詰めた。

だが、ビームブレイドで斬りかかった時に、グエルがわざと自機の腹部を貫かせて肉薄したことで、頭部のシェルユニットを握り潰されてしまう。

このグエルの捨て身の戦法により、ラウダはやっと理性を取り戻し、「ごめん……兄さん」と謝罪した。

こうして兄弟喧嘩は和解へと至ったものの、今度は腹部を貫かれた影響でグエルのディランザが爆発寸前の状態に陥ってしまう。

このままプラント・クエタでの父の二の舞になるのかと思われたが、ディランザに搭乗して駆けつけたフェルシー・ロロが冷却ジェルを放って爆発を阻止したことで、最悪の結末は免れたのだった。


23話以降の描写を踏まえたさらなる考察

  • スレッタについて

23話においてグエルと対峙した際、ミオリネへの恨み節はあっても、スレッタに関しては水星女含めスの字も出なかった。その後最終話ではグエルとの最終出撃時に現れ、「お前たちを許したわけじゃない。でも、兄さんと一緒に帰ってこなければもっと許さない」と遠回しにスレッタを信頼している様子がうかがえる。遅くとも最終話までには、スレッタとの関係に関しては何らかの納得に至ったと思われる。


  • グエルについて

23話においてラウダはその胸の内を吐き出すに至り、「何故(父の件を)話してくれなかった、頼りないと思ったからか」「その高潔さが、傲慢さが兄さんの罪だ」と発言しており、兄に対してコンプレックスがあったこと、そしてなによりそんな兄が自分よりミオリネを頼りにしたことで「ミオリネに操られている」と取ってしまったのも一因と思われる。


余談

  • 原典のセリフを言われたところ天の助は、元ネタを言った人物に機嫌を直してもらおうとするも(仲間たちの悪ノリもあったとはいえ)最終的に細切れにされてしまったため、ミオリネも同じようになるのではという声もある(尤も、『ボーボボ』は世界観が違いすぎるため比べられるものではないが)。
  • Season1では出番に恵まれないフェルシー・ロロの活躍を捏造するため、あらゆる場面にフェルシーを捻じ込ませた結果、作中のあらゆる因縁を理不尽に背負わされるという二次創作ネタが定着していたのだが、Season2以降は出番が増えた上に今回の件でお株を奪われる形となったと言えるだろう。
  • 現在ミオリネの婚約者となっているグエルも、第19話にてシャディクから「グエル……汚したな、ミオリネを」と理不尽な恨みをぶつけられており、その際にも「殺してやるぞ天の助」を連想した視聴者は多かった。この際には残念ながら(?)トレンド入りまではいかなかったものの、視聴者に残したインパクトは大きく、これによってある意味トレンド入りする下地が作られていたとも言える。

関連動画


関連イラスト

カプレーゼガンダム

フェルシーちゃんもびっくりなのだ……。


関連タグ

機動戦士ガンダム水星の魔女 逆恨み 八つ当たり


殺してやるぞ天の助:元ネタ

殺してやるぞ道長:元ネタから派生したネタ。「放送時期がこれのちょうど一週間後」「大分理不尽な逆恨み」「怒っているのが弟キャラ」「強力な力を引っさげてその人物とその復讐を止めようとした兄にその刃を向けた」など共通点が多い。

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