墜ちろ!水星女!
くたばれすれったまーきゅりー
ラウダ・ニール「墜ちろぉ! 水星女ァ!」
物語の開始当初、彼の兄にしてジェターク社の御曹司であるグエル・ジェタークは決闘委員会の筆頭を名乗り、ホルダーとして名実ともに学園最強を誇っていた。
だが、後の因縁の宿敵スレッタ・マーキュリーがアスティカシアに転入して以降、スレッタが転校初日にグエルを破ってホルダーの座を奪われたのを皮切りに、ジェターク社及びジェターク家の受難が始まった。
兄を敬愛するラウダは父の意に従いつつも、常にグエルを気にかけていた。
だが、グエルは2度目の〈決闘〉の敗北以降スレッタを異性として意識するようになり、そのせいでエラン・ケレスがスレッタと接近した(様子を見た2人の報告)をきっかけにグエルとエランの決闘に発展。
「〈決闘〉禁止」の言いつけを破ってまで挑んだ戦いで敗北し、グエルがジェターク寮を追い出される事態となった。
更にエアリアルがGUND-ARMである実態をグループ内に公表するペイル社に便乗する形でシン・セー社とエアリアルの排除(ジェターク社に取り込む?)を目論むも、ミオリネの機転により失敗。
挙句の果てに、グエルには夢である「パイロット」の道を奪うに等しい『退学処分』と『関連企業への就職』をヴィムが決めると、グエルの反論を無視し一方的にそれらを言い渡した。
スレッタの登場により、兄の将来にも会社の業績にも大きな影を落とされた形となり、次第にラウダにとってはスレッタの存在が『辺境出身の愚鈍』から『ジェターク社の大敵』に豹変していくのは当然の推移だった。
そんなよもや怨敵とも言えるスレッタへの憎しみが溜まり過ぎたのか、株式会社ガンダムの命運を賭けた地球寮対グラスレー寮の団体戦に立会った際、他の5人が軽くあしらわれ、地球寮(とミオリネ)の頼みの綱だった不倶戴天の敵スレッタもミカエリスとベギルペンデのアンチドートによりエアリアルが弱体化。
追い込まれる様子をモニターで見ていたラウダは、今まで溜め込んだ恨み(私怨)を画面に向かって吐き捨てるかのように叫んだ。
『墜ちろ! 水星女ァ!』
決闘委員会として同席していたセセリアとロウジはその様子を閉口しながら困惑の表情で見ていた。少し前まで「兄弟愛重すぎィ」等と煽っていたセセリアも、あまりのガチっぷりについていけなかったようだ(?)。
しかし……。その後も、ラウダの望んだ「水星女が墜ちる」光景は訪れなかった。
アンチドートにより弱体化した筈のエアリアルが謎の機能を発動させ、瞬く間にベギルペンデを3機撃破。エアリアルを追い詰めたミカエリスもチュチュ専用デミトレーナーに狙撃され敗北。
結果、因縁の宿敵スレッタを擁する地球寮が逆転勝利してしまい、スレッタの知名度が更に上昇。
この〈決闘〉が公開されたのも重なり、「御三家のMSを撃破したMSとテクノロジーを保有する企業」として、エアリアル並び株式会社ガンダムの株も急上昇する結果となった。
その後、第10話でグエルを「行方不明」と称してペトラと共に捜していた様子から察するに、例の『墜ちろ! 水星女ァ!』発言をしていた時点では、ラウダはグエルの退学・出向のいずれについて何も知らなかった(知らされていなかった)ことが判明した。
そして第20話では、ペトラがテロに巻き込まれて意識不明の重体に陥る事態が発生。ところが瀕死の彼女を救ったのがスレッタだったので、これ以上スレッタを憎むわけにはいかなくなり、「あいつのせいだ……ペトラも学園も、兄さんが変わったのも……ミオリネ……!!」と、ラウダの怒りの矛先はミオリネに向けられるのであった。
ネタにされている(?)理由の補足
上記の通り、この発言が飛び出した決闘において、ラウダは立会人……つまり観戦している側(というかある種のジャッジ、中立的な立場)である。
にもかかわらず、まるで今まさに自分自身の手で怨敵を墜とさんばかりの形相と台詞を放ち、視聴者の記憶に焼き付けたのだった……。セセリアが黙るのも、ある意味では当然なのかもしれない。
とはいえ、ラウダが兄グエルに対して強い想いを抱いていることは作中で充分に描写されているし、彼が募らせてきた気持ちを踏まえればスレッタが敗北寸前となった際に興奮するのも当然の反応ではある。
かなりインパクトの強いシーンであったことは確かだが、このシーンだけを槍玉にあげたとしても、公式のキャラクタープロフィールに記載されている「兄とは違い冷静で理性的」という側面がキャラ崩壊したとまでは言い切れない。
純粋にラウダ(及びグエルとの関係性)を応援する視聴者もいるので、過度にネタにするような表現をネット上に書き込む際のは控えた方がいいだろう。
ラウダ・ニール:発言者
グエル・ジェターク:ある意味発言の原因
スレッタ・マーキュリー:不倶戴天の因縁の怨敵
ガンダム・エアリアル:大敵スレッタが操る忌まわしきGUND-ARM
表記ゆれ
堕ちろ!水星女!:読み方は同じで意味も似通ってはいるものの(イラスト内でこの表記にしているものも多い)、墜落(物理的)と堕落(精神的)では意味合いが異なってくるため、本記事では「墜」を採用している。なお、水星の魔女の公式ラジオでは「堕ちろ!水星女ァ!」の表記が使われている。
他ガンダムシリーズ関連
パプテマス・シロッコ:本セリフのリスペクト元
アンジェロ・ザウパー:赤い機体に乗る人物を崇拝し、ガンダムを駆る主人公に並々ならぬ敵意を向けるキャラ繋がり。
ALERT
見てない…。
ネタバレされたくない。
※Season2以降のさらなるネタバレ注意!!
俺は、続きに……。最新情報に進めていない!
ALERT
14話にて、オープンスクール内の〈ランブルリング〉にてラウダは遂に因縁の水星女と対決をすることになる。
「お前が来てからは、おかしくなったんだ……! 何もかも!……水星女!!」
と怒りを露わにし襲いかかるが、途中で邪魔が入ってしまい、ここでも墜とすことはできなかった。
そして17話、学園へと帰還したグエルとスレッタがミオリネの希望により〈決闘〉を行うことになる。初手はエアリアルが優勢だったものの、ダリルバルデがAIの力を借りつつ立て直し、両者四肢が破損しつつも互角の戦いとなる。そしてエアリアルがトドメを刺そうとしたその瞬間……
その隙を突きダリルバルデがブレードアンテナを切断し、グエルに軍配が上がった。
この発言から8話後、遂に水星女が墜ちたのである。
「信じていた 兄さん。」
その時のラウダは憎悪と怨念は全くなく歓喜と感動の涙を噛み締めていた。