概要
2004年3月13日に公開されたディズニー最後の長編手書きアニメーション。
誤解を恐れず述べるなら、主人公である人間の青年キナイが子グマのコーダとの出会いにより成長していく物語。
日本での知名度は比較的に低いが、海外では名作として有名である。
ストーリー
物語の舞台は、氷河期の北アメリカ(おそらくアラスカかカナダ北部)。
主人公キナイはイヌイットの青年で兄達や仲間達と暮らしていた。当時は、シャーマンであるタナナが新成人にそれぞれの人生を象徴するトーテムを与えていた。キナイの貰ったトーテムは愛を象徴する熊であり、もっとカッコイイのがよかったとキナイは納得しなかった。
その後、キナイの不注意で罠の魚を奪った雌のヒグマをキナイは追跡し、怒りと苛立ちから熊を挑発してしまう。そして、キナイを助ける為に割って入った次男のデナヒとキナイを救うために長男のシトゥカが死んでしまった。
その事を恨み、デナヒやタナナの静止を無視してその熊をキナイは追跡した。キナイを止めようと、デナヒは後を追う。
雌熊を追い詰めたが、自衛のために襲い掛かってくる雌熊がキナイの槍に突っ込んで、復讐はなされた。
だがその瞬間、天空から「グレート・スピリット」と共に現れたシトゥカの霊の力でキナイは熊に変えられてしまう。
グレイト・スピリットが雌熊の死骸を持ち去り、デナヒはクマとなったキナイとキナイが熊になった際に破れた服を見て、キナイも雌熊に殺されたと勘違いした。そして熊となったキナイを兄弟2人の仇と思い、熊に復讐することは間違ってるとキナイを止めていたデナヒも怨念が強くなりすぎてしまい、熊を殺すことを誓い追跡する。
目が覚めたキナイは、シトゥカの霊から事情を聞いていたタナナの教えでグレイトスピリットの山を目指すが、勝手の分からぬ熊の生き方に途方にくれる。そして人間の罠に引っかかったところで子グマのコーダと出会い、最初は反発するものの少しずつ絆を深めていく。
そして、自分にあった熊への偏見や動物から見た人間の恐ろしさ、コーダとの因縁や、己が熊に変えられた理由を理解していく。しかし、お調子者だったはずが形相が変がるほどの憎悪に支配されたデナヒは復讐を諦めていなかった。
登場キャラクター
- キナイ(CV:東山紀之)
- コーダ(CV:池田恭祐)
- デナヒ(CV:平田広明)
- ラット(CV:檀臣幸)
- トゥーク(CV:玄田哲章)
- シトゥカ(CV:山路和弘)
- タグ(CV:郷里大輔)
- ヒツジ(CV:津田英三&江原正士)
- おばあさん熊(CV:定岡小百合)
- チェット(CV:鈴木正和)
- シャーラ(CV:前田ゆきえ)
- コーダのママ(CV:前田ゆきえ)
- シマリス(CV:岡野浩介)
- タナナ(CV:森光子)
- エドガー(CV:亀山助清)
- ナレーター(CV:坂口芳貞)
余談
- キナイ、デナヒ、シトゥカはそれぞれアラスカの国立公園の名前である。
- ヒグマが登場する一方で、スピリットアニマルとして知られるアメリカクロクマはおそらく登場しない。
- 本作に登場する動物やグレート・スピリットに現れる動物の霊魂は、制作の都合上からかかなり数が少ない。
- グレート・スピリットのテーマは、ネイティブ・アメリカンの言語ではなくてブルガリア語で歌われている。
関連動画
ニコニコ動画
関連タグ
シャーマンキング:本作と同じく、アメリカ大陸の先住民における「グレート・スピリット」信仰と「転生」と「来世」と「復讐と因果」とシャーマニズムを描く作品。碓氷ホロケウとデナヒの類似点も少なくない。