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航空宇宙軍の編集履歴

2023/10/22 16:11:16 版

編集者:Barzai

編集内容:ゾディアック級の項目に追記

航空宇宙軍

こうくううちゅうぐん

「航空宇宙軍」とは、谷甲州のSF小説「航空宇宙軍史」シリーズに登場する架空の軍事組織である。

概要

 谷甲州のSF小説航空宇宙軍史シリーズに登場する架空の軍事組織

 西暦2020年代に国連安保理下の宇宙空間における警察及び救難活動を行う組織として発足しており、当初は軍と名が付いていても軍事組織としての色は薄かったようである。

 だが、太陽系における人類の活動域の拡大とそれに付随する各地の宇宙植民地と地球間の緊張の高まりに伴い実戦部隊としての性質を濃くしていき、第一次外惑星動乱前夜の2090年代には多数の戦闘艦や基地、研究機関、諜報機関等を保有する立派な軍隊となっている。

 一応、地球連合に属しているらしいのだが国家内国家ともいうべき独自性を有している模様。

組織

 軍令部をトップに各種研究機関や諜報機関等もあるが概ね内宇宙艦隊と外宇宙艦隊とに分かれている

内宇宙艦隊

 太陽系内において航空宇宙軍が発足した当初からの任務である警察及び救難活動や宇宙植民地、特に木星系と土星系の衛星国家群で構成された外惑星連合を仮想敵とした軍事作戦を主任務としている。

 2099年に第一次外惑星動乱という人類史上初の宇宙戦争を経験し、2140年代には第二次外惑星動乱を戦った。

 人類の太陽系外移民が本格化する頃には戦闘部隊としての色は薄れ、発足当初の警察及び救難活動を主任務とする部隊になったようである。

外宇宙艦隊

 太陽系外、つまり恒星間宇宙や他恒星系での活動を主任務としており、内宇宙艦隊同様時代とともに役割を変えていく。

 この世界では航空宇宙軍発足以前の1990年代から無人探査船ダイダロス・シリーズ(構想自体は実在)による外宇宙探査が行われており、それを引き継いでいる様だ。

 2040年代に有人探査艦イカロス・シリーズによる太陽系近傍宙域の探査と他恒星系行の探査機の放出、2050年代には恒星間ラムジェットを搭載した有人探査艦オディセウス・シリーズによる恒星間探査が行われ系外惑星に探検隊を送り込んでいる。

 タグボートの様なブースター替わりの艦はともかく外宇宙艦は出港すると年単位で太陽系に帰還出来ないのが普通なためか乗組員の確保に苦労しており、従軍中の些細なミスや問題行動を理由に刑罰代わりに配属される者もおり、中にはジョー・シマザキの様に生まれる前の親の借金(高い機材を壊したらしい)を理由に170年の勤務を命ぜられる者も居る。(客観時間でなので亜光速の艦内ではウラシマ効果でもっと短期間で済む)

 志願で配属された者も任務後は除隊して20世紀から光景が変化しないネパールの街に引っ越したりする者も居るが、反対に再び長期の外宇宙勤務に志願する者等様々である。

 太陽系外植民が盛んになると探査に加えて植民地の警察及び救難活動、そしていざという時の制圧作戦の為に多数の艦載機を搭載するカンチェンジュンガ級宙域制圧戦闘母艦等を保有し実戦部隊化していく。

 超光速航宙技術を実用化してからは汎銀河世界の探査と制圧のために更に組織の拡大と武装に力を入れていく。

保有艦艇

 フリゲート

 巡洋艦とも、航空宇宙軍の主力を務める強力な戦闘艦。

 爆雷と機動爆雷(ミサイル)、レーザ砲を主武装とする。

  ゾディアック級

 第一次外惑星動乱時において最新鋭にして最大最強のフリゲート艦。

 従来のフリゲート艦の4~5倍の40人を超える乗組員が搭乗する大型艦であり、平時なら冷凍睡眠を利用した交代で無寄港で年単位の航宙が可能。

 当初は6隻の建造予定(第一次外惑星動乱末期までに6隻が就役している)だったが最終的にはその名(黄道帯)から連想される通り12隻が建造された。なお、ゾディアック級という級名でありながらゾディアックという名の艦は存在しない。

 戦後は改装されて艦体の延長と複数の艦載機の搭載、増加した質量に対応したエンジンの強化が行われた艦もある。

 同級の一隻であるタウルスが記念艦として地球の衛星軌道上のコロンビア・ゼロ軍港に係留展示されていたが、第二次外惑星動乱直前に行われていた再就役のための作業中に奇襲攻撃を受けて他の展示艦と共に破壊された。

 後に修復再就役し、それを知った外惑星連合軍の提督は「亡霊艦隊(ファントム・フリート)」と呼んだ。

 紡錘形をしていて突起物は少ない等、航空宇宙軍史の宇宙船としては具体的な形状やサイズが記されている。

 なお、これ程の大型艦でも艦内スペースの有効利用のため乗員食堂は調理場と通路を兼ねる。

 ゾディアック級の値段は米俵2000万俵分という説がある。

 第一次外惑星動乱時に就役していた艦は以下の6隻

 スコーピオン

 開戦前にカリストと、タイタンへの査察を行おうとした。(拒否された)

 タウルス

 艦内部の描写は全く無いが作中においてよく名前の出る艦であり、作中世界でも有名な武勲艦である様だ。第一次外惑星動乱時の艦長はシュミット大佐。

 バシリスクサラマンダー等、有名な敵艦によく遭遇している。

 第二次外惑星動乱勃発時には予備役になり記念艦としてコロンビア・ゼロ軍港に係留展示されていた。

 アクエリアス

 開戦前にガニメデエウロパイオへの査察を行おうとした。(拒否された)

 第一次外惑星動乱後に改装され艦体の延長、有人艦載機の搭載、改装による質量増加に対応したエンジンの強化が行われた。

 エリヌスでの対テロ作戦では乗組員による陸戦隊が編成され実戦投入された。

 エリヌスでの作戦時の艦長は武田大佐。

 アリエス

 第一次外惑星動乱時に内宇宙艦隊第三戦隊旗艦であり、サラマンダー追跡の指揮をとった。

 第一次外惑星動乱時の艦長はラーマン大佐。

 サジタリウス

 カプリコーン

  オフィユキ級

 第一次外惑星動乱時には既に旧式化しつつあったフリゲート艦、防御力は高いらしい。

 乗組員は7人

 なお、オフィユキ(Ophiuchi)はへびつかい座であるオフィユクス(Ophiuchus)の複数形の事。

 黄道に存在するが12星座には含まれない。

 オフィユキ

 オフィユキ級のネームシップ。小惑星帯での強行偵察任務中に機雷に触雷しメインエンジンとメインコンピュータを損傷し艦隊から離脱、基地へ後退した。

 後退する事を羨む者も居たが、事実上の切り捨てであり危険宙域を単艦で無事に帰還出来た可能性は低い。

 ジェミニ

 小惑星帯強行偵察任務の次席旗艦。艦長はアチット大佐。

 オリオン

 小惑星帯強行偵察任務に参加した。

 警備艦

 フリゲート艦よりも小型で加速力も低い戦闘艦、船団護衛等に使用された。

 投射ミサイル(機動爆雷とほぼ同じ)とレーザ砲を主武装とする。

 作中では1号級警備艦というのが名称だけ出るが砲戦距離一二〇〇〇で主人公達が乗っていたのが同級艦かは不明。

 艦名は警備艦四四号という様に番号でつけられる模様、乗組員は三人程度。

 

 特設砲艦

 比較的大推力の小型民間船を徴用し武装を施したもの。船団護衛等に使用された。

 武装はレーザ砲のみ。

  レニー・ルーク

 色々逸話の有る艦、乗組員は三人。

  アーロン・ゲート

 哨戒艇

 水星の哨戒部隊に10隻程所属、10日程の哨戒任務に就く。

 主武装は爆雷や機動爆雷、レーザ砲であるが平時は非武装な艇も多く、第一次外惑星動乱開戦時に武装している哨戒艇は少数だった。

 爆雷なら4発、機動爆雷なら1発を搭載出来る。

 与圧されている区画がコクピットしかない、乗組員は二人。

 オルカキラー

 外惑星連合軍の投入したオルカ戦隊に対抗するために開発されたサイボーグ艦。

 複数の無人艦載機で戦闘を行う宇宙空母、指揮通信機能やセンサに電力を取られているため母艦に武装は無い。

 乗組員はシャチ一匹(頭脳のみ)。

 

 クロノス

 宇宙船ではなくタイタン仕様の航空機であり航空宇宙軍唯一の戦闘航空隊であるタイタン航空隊(フライング・タイタンズ)に所属。(他の航空隊は地球の輸送部隊のみ)

 ジェット機だが燃料の代わりに酸素を搭載しタイタンの濃密なメタンの大気を燃料として燃焼させ飛行する。(大気が希薄な高空用に通常燃料も少量搭載している)

 タイタンは濃密な大気を持っているため宇宙からの直接的な対地攻撃が難しく、タイタンを艦隊で包囲しても降伏するかは未知数であったため、確実にタイタンに圧力をかけ屈服させる手段としてタイタン航空隊の創設と地表都市を爆撃可能な航空機であるクロノスの開発が行われた。(航空宇宙軍も木星系攻略の拠点として出来れば無傷でタイタンを手に入れたかった)

 着陸脚は有るが地上基地は持たずタイタン仕様のシャトルを改造した母機によって空中で発進及び回収される。クロノス発進後に母機は土星周回軌道に入り7日後に戻ってクロノスを回収する。その間は衛星軌道に配置された無人タンカーを降下させ補給を受けながら飛行を続ける。

 巡航時はほぼオートパイロットで飛行し、タンカーとの邂逅や高度な判断が必要な作戦時以外はパイロットの肉体は殆ど仮死状態になっており精神活動も最低限にしてパイロットの消耗を抑えているが非常時には数秒で活性化する。

 爆装は出来るが機銃等の固定武装や空対空兵装は無く、滞空性を最優先して運動性も低いためタイタン軍の迎撃戦闘機相手に戦闘を行う事は自殺行為である。

 第一次外惑星動乱での実戦投入までタイタンの空を飛んだ事はなく、パイロット達はシミュレーター以外では金星で金星仕様の航空機で訓練を行った。

 予備機も含めて6機が製造され、予備機は2機が最初に無人で投入されたが消息を絶った。

外宇宙艦

 主として太陽系近傍宙域から他恒星系等の外宇宙で運用される艦の総称。

 初期は純粋な観測艦や探査艦ばかりであったが時代が進むにつれ戦闘艦が主力となっていく。

 観測艦或は探査艦

 外宇宙艦隊の初期の主力艦。太陽系外での観測探査が主任務である。

 ダイダロス級

 正確には航空宇宙軍発足以前に運用された恒星間無人探査船。

 元ネタは1970年代にイギリスで研究されたダイダロス計画で50年ほどかけてバーナード星系へ探査機を送る計画であった。

 イカロス級

 有人外宇宙探査艦。太陽系外には出るが他恒星系には行かず、弧を描く様に太陽系を周回して観測活動や複数の恒星間無人探査機の放出を行った。

 第二次外惑星動乱では複数のイカロス級が戦闘艦として再就役した。

 オディセウス級

 有人恒星間探査艦。試作機を含め7隻が建造された。恒星間ラムジェットエンジンで宇宙空間に存在する水素原子を推進剤とする。

 2隻1組で運用され先行の艦が系外惑星に有人探検隊を送り込み後続の艦が回収するという手法が取られた。後続艦が第二次探検隊を運ぶ事もあった様だ。

 全艦任務を達成して帰還したが、それまでに余りに長い年月が過ぎていたためか乗員達は故郷との断絶を感じ、その多くが外宇宙勤務に再志願したという。

 艦も改修が行われ多くが支援艦として再就役した。

  オディセウス-0

 オディセウス級の試作機。表向き試験のため銀河中心方向に無人で発進した事になっているが実は乗組員が搭乗している。

  ユリシーズ

 オディセウス級を改修した観測艦。太陽系に近付くSG(射手座重力波源)観測のため発進した。

 第一次外惑星動乱以後初の外宇宙観測艦。

 オルフェイス級

 観測艦や探査艦というよりも超光速航行の実験艦という性格が強い艦である。

 4隻以上建造されたが建造中であった艦を除いたオルフェイス1~3が超光速航行実験中に相次いで遭難し失われた。

 支援艦

 観測艦の支援を行う艦の総称。ブースター代わりに外宇宙まで牽引するタグボートから太陽系の辺境でひっそり観測業務をしている艦、主力艦に匹敵する外宇宙航宙能力を持つ艦まで多岐に渡る。

 シビル-11

 2076年に外宇宙へ向け緊急発進した。ラムジェットエンジンを持つ大型艦でかなり本格的な外宇宙航宙能力を持つ。

 艦尾に折りたたみ式減速用レーザ反射板を装備していたが太陽系側のレーザ発振機はまだ設計段階であった。建造中止になったのか少なくとも2123年にはまだ完成していなかったらしい。

 ユリシーズⅡ

 設計はオディセウス級がベースであるが改修ではなく新造の最新鋭艦。消息を絶ったオルフェイス1~3の調査のため発進した。

 超光速航行能力は無いが同じ技術を使った高加速システムを持つ。

 オルフェイスと同じ原因で遭難しかけたが164年(艦内時間では数年)かけて太陽系に帰還した。

 その他にタンカーやセンシング・ピケット艦等、多種多様な有人無人の艦艇が存在する模様。

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