太陽以外の恒星を公転する惑星のこと。SFの舞台としてお馴染みである。
探査の歴史
系外惑星の実在は古くから予想されていたが、長年仮説上の存在にとどまっていた。それらしい証拠が見つかり始めたのは1980年代からで、実在の確証がとれたのは1990年代、直接観測ができるようになったのは2005年以降である。
初期に実在が確認された系外惑星は、恒星の至近距離を高速で公転する巨大ガス惑星「ホットジュピター」、彗星のように近日点と遠日点が極端にかけ離れた楕円軌道を描く「エキセントリック・プラネット」、巨大岩石惑星「スーパーアース」、さらに恒星の自転とは逆方向に公転する「逆行軌道」を描く天体など、従来の惑星形成理論では思いもよらないようなものが多く、太陽系とは大きく異なる惑星系の存在が明らかになった。これはドップラー分光法やトランジット法といった(間接的な)探査方法ではこのような形態の天体が見つかりやすいためだと考えられており、現在は観測技術の進歩により、太陽系の惑星に似た形態の系外惑星も見つかっている。
ハビタブルゾーンを公転する岩石惑星も発見されてきており、その一つ、プロキシマbは太陽系から最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリを公転する惑星であり、ここに探査機を送る計画もある。
初めて実在の確証がとれた系外惑星は、地球から50光年の距離にあるペガスス座51番星b(1995年発見)で、これも典型的なホットジュピターである。ジェームス・ピーブルス、ミシェル・マイヨール、ディディエ・ケローの3人がこの功績により、2019年のノーベル物理学賞を受賞した。ちなみに、恒星以外も含めると、中性子星PSR B1257+12を公転する惑星が1992年に見つかっている。
系外衛星
系外惑星の周りを回る衛星については、恐らく確実に存在すると思われるが、系外惑星以上に観測が難しく、今までに発見された例は無い。
しかしながら、存在の可能性が示された候補天体は幾つか検出されており、ケプラー1625bを公転する海王星に匹敵する大きさの巨大衛星ケプラー1625b Iは、その有力な候補である。存在を示す信号に誤りがあるなどの否定的な意見も出ているが、存在が確認されれば史上初の「系外衛星」の発見となる。
ちなみにこの衛星が実在していれば、地球の4倍以上のサイズの衛星が木星サイズの惑星の周りを周回しているという(太陽系基準では)まさに規格外の存在である
自由浮遊惑星
浮遊惑星や惑星状自由浮遊天体とも呼ばれる。回るべき主星を持たず、宇宙空間を漂う惑星程度の質量を持つ天体のこと。
光を発しない為、検出が非常に難しいが、重力レンズなどを用いた観測により幾つか発見されている。未発見のものも含めると、銀河系には恒星の2倍は存在するとの予測も出ている。2002年に発見されたS Ori 70という天体が初の浮遊惑星の発見例とされる。
主に惑星系から弾き出された天体だと考えられているが、中には恒星と同じように、ガス雲が圧縮され単独で誕生したものもあると考えられている。そのような天体を準褐色矮星と呼ぶことがある。
フィクションの系外惑星
他、架空惑星を参照。