「This fight is your last(この戦いで死ぬがいい)」
概要
格闘ゲーム『モータルコンバット』の登場人物。
サブゼロ(絶対零度)という名の通り氷を操る忍者(因みに散々ニンジャ呼ばわりされているものの、当人達は「我々はニンジャではない」と断言している。ところが最初期ではChinese Ninja Warriorと呼ばれていたり)で、中国を拠点に置く秘密組織『リン・クェイ※(Lin Kuei)』に所属している。
ちなみに“絶対零度”というのは日本で発売されたSFC版の説明書での表現であり、サブゼロ(Sub Zero)とは実際には“氷点下”を意味する単語である。(転じて「"超"クール」を意味するスラングでもある)
※漢字は各メディアによって様々なので、全てカタカナ表記とする。
人物像
彼らは兄弟であり、兄は『Bi-Han(ビ・ハン)』、弟は『Kuai Liang(カイ・リャン)』と呼ばれている。現在サブゼロといえば大体弟の方を指す。
兄は1作目で敵であるスコーピオンに殺されてしまい、悪霊『ヌーブ・サイボット』として復活した。
一方、弟は弟の方で『リン・クェイ』から反逆者扱いされたり、弟子のフロストに裏切られたり、サイボーグ忍者に改造されたり、更には後述する1作目にて兄が披露したFATALITYが世間から叩かれてしばらく封印される羽目になったりする等、兄弟揃ってイバラの道を歩んできた(後に先祖代々苦難の道を歩んできた事が明かされたので、運命みたいなものだろう)。
氷を操り、相手を凍らせて身動きを封じ攻撃を与えるのが主な戦法。
また、氷でできた武器を瞬時に形成したり、分身を設置して牽制する使い方も会得している。
他にもFRENDSHIPで自分のフィギュアを宣伝したり、雪だるまを作るなどのお茶目な一面を見せている。
氷を操る故か、突如自分が描かれた移動販売車に乗り込みアイスクリームを販売をするパターンもある。……ニンジャのサイドビジネスだろうか?
なお、サブゼロというコードネームは氷を操るリン・クェイのグランドマスターが名乗ることが許される名前である。その為、ビ・ハンとカイ・リャン以外にサブゼロを名乗る者は居た(例えばMKDに出てきた彼らの祖父など)。
なお、カイ・リャンは兄からサブゼロを襲名する前は「Tundra(ツンドラ)」と名乗っていた。
キャラ性能
『氷を操る忍者』のキャッチフレーズを最大限に活かしており、とにかく相手を拘束する技を備えている。
フリーズショットの使い方が勝利の鍵で、プレイヤーのセンスが問われる。
また、シリーズを追うごとに氷技のバリエーションが増えていき、上空から氷塊を落とし凍らせる技や、接触した相手を凍結させる分身を設置する技(MKX以降はそれを投げつけたりする)、氷の剣やハンマーで攻撃する技を備えたりと、まさに『サブゼロ』の名に恥じない性能を持つ。
容姿
“西洋人が勘違いしている東洋文化”を基にしている『モータルコンバット』の例にもれず、基本的に青と黒のイメージカラーの忍者の容姿が基本。
3作目からは素顔を晒すようになる。
特に『デッドリーアライアンス』では厳ついオジサンのような容姿へと大化けしてる。
原点回帰を図った2011年の『Mortal Kombat(以下9と表現)』では再び1作目と同じ容姿となった。
9の二十数年後の世界が舞台のXでは髭を生やし、年季を感じさせつつも格好いい容姿となっている。
また、自身が放つ凍気の影響か肌と目が白い。
11の世界は9の世界とXの時代が混合しており、どちらとも感じさせる容姿になっている。
『X』では白人の混じった顔つきだったが、11で完全にアジア人の顔つきと肌の色になり、目の色も黒に戻っている。
世界観が一新された『1』では久々にビ・ハンがサブ・ゼロとなっているが、画像の通りかなりのイケメンになっている。
だが、世界改変を経ても従来の「凍てついた心」はどうしようもなかったのか、最終的にアースレルムを裏切り、リン・クェイを完全独立組織として、また、アースレルムの征服にも動く。タワーEDによってはサイバーリン・クェイ化(実際はパワースーツ的なモノ)の伏線や白井流との対立を描くが、その野望は意外な侵入者軍団によって阻まれ、彼自身もまた旧時間軸とは違う形でヌーブ化されてしまった。
メタル感たっぷりのOoDスキンは、インベーションモードシーズン3『CRYOMANCER』の報酬、シーズン1のスコーピオンとは違い、特に正体を明言されることなく単なる侵略者として、またエンディングでは、後にアーマックの意識が表層化したジェロッドによってトドメを刺された。
一方、ボス戦は即死を使用でき、最後の悪あがきは初代映画と同じ方法を使わないと破られない強敵となっている。
時代背景
初代MKでは兄のビ・ハンの方が戦っていたが、スコーピオンに殺されてしまった。
殺害された後は『ヌーブ・サイボット』として復活し、外見・性能が全く異なる別キャラクターとして以降登場するようになる。
カイ・リャンは3において、組織のシャオ・カーン側への移籍とサイバネ化計画を拒否した為、反逆者として追われ身となる。
親友のスモークを失ったり、サイラックスやセクターに襲われたりしたものの、後にリン・クェイを掌握、組織を率いてアウトワールドと戦う立場となる。
だが、9において歴史が再構築された結果、カイ・リャンはサイバー化から逃げ切ることができず『サイバー・サブゼロ』にされてしまった。
Xではクァンチーによって人間の姿に戻されたものの、レヴェナントとして洗脳され、ジョニーらスペシャルフォースを襲っていたが、後にライデンらの手によって正気に戻り、リン・クェイのグランドマスターとなっている。
その後の話であるコミック版でレッドドラゴンに単独で奇襲を仕掛けカミドゥグを封印(?)するため、カミドゥグがある部屋まで来たが、隠れていたカノウにカミドゥグで右目を切り付けられ逆にカミドゥグに操られてしまう。
その為、時代改変された後でも右目に古傷がついている。
同じく人間に戻されたスコーピオンことハンゾウ・ハサシと和解。
現在は事あるごとに、スペシャルフォースのサポートも兼任しており、当作の主人公グループことキャシー達に教鞭を執ったり、窮地から助けたりしている。
11ではすっかりハンゾウと親友に。二人でサイバー・リン・クェイの工場に襲撃をかけたり、ネザー・レルムに潜入したりと縦横無尽に活躍する。のちにハンゾウがデ・ヴォラによって討死すると、過去のハンゾウことスコーピオンと共に行動するようになる。
サイバー・サブゼロ
MK9にのみ登場した別キャラクター。
コードネームは『LK-52O(読みはファイブツーオー)』。
胸部から放たれるフリーズショットはもちろんのこと、時間差で爆発し相手を氷漬けにする氷爆弾、体を分解してのテレポートなど、サイラックスの要素が組み込まれたような必殺技を持つ。
また、人間時に使っていた氷の刀を大剣にグレードアップされたりと、パッと見の印象は上位互換キャラに見える。
紆余曲折あって、サブゼロは人間の姿に戻され、彼の存在はなかったことにされた。
だが、時を経てMK11において色々と問題のある弟子が、彼の要素を引き継ぎまさかの再登場を果たすことになる……
登場作品
モータルコンバット
モータルコンバット2
モータルコンバット3
アルティメットモータルコンバット3
モータルコンバットトリロジー
モータルコンバットミソロジーサブゼロ
モータルコンバット4
モータルコンバットGOLD
モータルコンバットデッドリーアライアンス
モータルコンバットディセプション
モータルコンバットショウリンモンク
モータルコンバットアルマゲドン
モータルコンバットVSDCユニバース
もちろんDCユニバースとのコラボに便乗。
版権キャラとのコラボゆえに露骨な欠損描写や出血描写がオミットされている同作においてもサブゼロは自身の能力を利用して、「血や内臓の生々しさが消え失せるほどカチカチに凍らせる」という前提条件の下、(相手がバットマンだろうがスーパーマンだろうが)跡形もなくバラバラにするという版権に配慮しつつも「殺した」感の強いFATALITYを披露した。
モータルコンバット9
モータルコンバットX
モータルコンバット11
モータルコンバット1
インジャスティス2
DLC専用のキャラとして参戦。
FATALITY(究極神拳)
- Spine Rip (MK、MK4、MKG、MK9、MKX、MK1 Kameo)
サブゼロを象徴するFATALITYにして、MKシリーズで最も悪名高いとされる残虐極まりない技。
その内容とは、相手の首を脊髄ごと引っこ抜くというものである。
※注:想像図です
後の『真・仮面ライダー』や『人造人間ハカイダー』に先立つこのFATALITYは、初期の『モータルコンバット』が実写取り込みだったこともあってその見た目が凄まじく今日に至るまでの語り草になるほどの『モータルコンバット』の代名詞となったのだが、同時に人権保護団体から酷く叩かれて2作目から封印を余儀なくされただけでなくアメリカのレーティング審査機関ESRB発足の起源になったとも噂されている。
この脊髄を引っこ抜くFATALITYはその後実写から3Dポリゴンになった4作目で復活するが、実は『9』、『X』でも、とあるDLCを購入すると発動することが出来る(北米アカウント/北米タグが必要。後々発売された『Komplite edition』及び『XL』では不要)
また、本人も意識しているのか、脊髄抜き以外にも「9」以降の彼のFATALITYの一つは何かしらの形で背骨が関わっている(後述の「Frozen in time」等)
サブゼロがゲスト出演した『インジャスティス2』でも彼の勝利演出としてこの技と思えるものを対戦相手(若しくはカメラマン≒プレイヤー)に披露する。
同作の対象年齢はESRB:T(13歳以上対象)とモーコンシリーズのESRB:M(17歳以上対象)より一段階低いためか、やられてる相手が直接画面に映ることはないが、代わりに殺る気満々の表情を浮かべるサブゼロが対戦相手の視点で映し出され、技を決めた際に引きちぎる音と血が滴っている音がリアルに響き渡るというモーコンシリーズに引けを取らない衝撃的な演出になっている。
- 氷葬拳(Deep Freeze Backfist)(MK)
日本版では流石に脊髄抜きが披露できないため、代わりに用意されたFATALITY。
相手をフリーズショットで凍らせた後、裏拳で粉々に打ち砕くというもので、インパクトは劣るがサブゼロらしい技でもある。
- 氷葬零拳(Ice Shatter)(MK2)
瀕死の相手に(コマンド技で)フリーズショットを打ち込み凍らせたあと、アッパーで粉々に粉砕する技。
- 冷魂葬零弾(Snowball Grenade)(MK2)
相手に冷気を体内に打ち込み、一気に気化させたあと上半身を爆砕するFATALITY。
コマンド技で凍らせる前と後で演出が若干違ってくる。
X以降はBruralityとして登場。フリーズショットで凍らせた相手に再度フリーズショットを打ち込んでトドメを刺すと発動。敵の上半身をガラスのように砕け散らせる。
- Spinal Smash(MK9)
Spine Ripの派生技。相手の首を脊髄ごと引っこ抜いた後、残った胴体を凍らせてフレイルの如く凍った胴体に引っこ抜いた首を叩きつけて粉々にする。派生技だけあって、更に残虐である。
- Chest Kold(MKX)
相手の胸に冷気をぶち当てて凍らせ、更に拳を叩き込んで胴体に大穴を開ける。その大穴から見える背骨を両手で掴み、頭上に持ち上げた状態で真っ二つに引き裂く。
- Frozen In Time(MK11)
槍を構えた自らの氷像を作るのと同時に相手をスライディングで氷像の槍に突き刺し、身動きの取れなくなった相手の腹から背骨と首を引きずり出す。
- Ice-Cutioner(MK11)
相手を首から上が出た状態で氷漬けにし、氷の大戦斧で首を斬り落とす。落ちた首を掴みあげて凍らせ、最後はパンチで粉々に砕く。なお、粉々になるほど凍っている筈なのに、何故か血が飛び散る。
- Hairline Fracture(MK1)
巨大な氷のブレードを投擲し、相手の上下半身を分断。直後に蹴りで上半身だけを180度回転させる。すると、ブーメランめいて戻ってきた氷のブレードが相手の脳天に命中。上半身がずり落ち、脳天が縦割りスライスされる。
その他
- 相手の下半身を凍らせたあと粉砕して、上半身だけになって命乞いをしているところを踏みつぶす(MKD)
- 相手を凍らせたあと頭をもぎ、残った身体に思いっきりぶつけて木っ端微塵にする(MKD)
- 氷のトゲを背後に形成して、飛びかかって相手を押し倒し、串刺しにする(MKX)
なども使う。
- おまけのFRIEND SHIP
- サブゼロ人形買ってね!(MK2)
- 自ら雪だるまになる(MK3)
- 移動式アイス屋始めました(MK11)
人気
スコーピオンとのライバル関係や上記した脊髄抜きのインパクトが影響してか、モータルコンバットシリーズの中ではスコーピオンと共にぶっちぎりの人気を誇っているキャラクターである。
近年ではスコーピオンと共に本来の主人公であるリュウ・カンを差し置いてパッケージイラストやタイトル画面を飾ったり、単独でもモータルコンバットのスタッフが作った格闘ゲーム『インジャスティス2』(『1』でもスコーピオンのイントロでちょっとだけ出ている)にゲスト出演したり、2プレイヤーの初期カーソルになったりと、スコーピオンと共にシリーズの『顔』として活躍しているキャラクターとなっている。
種族
実は人間ではない。正確には人間なのだが、異世界出身の亜人種族の血を引いており、その影響で氷を操る異能が使える(MCUのインヒューマンズと同じような存在と考えるといい)。
サブゼロ兄弟と弟の方の弟子フロストは、クライオマンサー(Cryomancer)と呼ばれる、かつてアウトワールドの領域に存在していた国家エデニアの半神半人種族ことエデニア人※(劇中ではキタナ、ジェイド、シンデル、レインなどが該当)であり、何らかの理由で祖国エデニアを追われた後、亡命先であるアースレルムの人々と交わって残した子孫が彼らクライオマンサーである。
普通の人間とほぼ変わらないのは確定しているが、普通の人間より長寿なのかなど、細かい部分はいまだに不明となっている。しかしながら、先祖の血が濃いほど能力が強い模様(サブゼロ兄弟は先祖返りしているらしくかなり強力だが、なんでもフロストはそれよりも劣っているらしい)。
担当声優
カイ・リャン
- Jim Miller:MKVSDC、MK9(MK9では生前のビ・ハンも兼任)
- Steven Blum:MKX、MK11、インジャスティス2
ビ・ハン
- Kaiji Tang:MK1
関連項目
ハンゾウ・ハサシ:宿敵である白井流の忍者。彼に兄を殺されたが、後に和解。
ビ・ハン:かつてのサブゼロでカイ・リャンの兄。ハンゾウに葬られた後はクァン・チーによって蘇生と同時に作り変えられた。だが、MK1ではヌーブとして蘇ることがなかったことにされた……ハズだったが、MK1にて時間軸の交錯なのかヌーブがDLC第二弾で登場した。
スモーク:親友関係。
サイラックス:リン・クェイの同僚。だが、無理やりサイボーグ化の上自我を失った彼に命を狙われる。
セクター:リン・クェイの同僚だったが、組織の方針についての意見が合わなかったり、改造した彼に命を狙われたりする。
フロスト:直弟子だったが、後に本性を露わにした彼女に裏切られてしまう。