概要
『モータルコンバット』シリーズの主人公格の一人。
モデルはブルース・リーで、戦闘中カンフー映画さながらの怪鳥音を発する。
正統派な拳法家、もしくはヒーローのような感じの真っ直ぐな性格で、ややクールな部分もある。
中国を拠点にする秘密組織『白蓮(White Lotus)』の一人。同僚であるクン・ラオとは親友同士でありかつよきライバル同士でもある。
4以降では、500年前にモータルコンバットを戦った戦士グレート・クン・ラオの末裔とされていたが、11の公式バイオグラフィー曰く孤児らしく、近年の作品で無かったことになってるようだ。
格闘スタイル
技の癖が少ない為、シリーズ入門者にもおすすめのキャラクター。
拳法家らしく、パンチやキックといった体術を駆使して戦う。また、飛び道具として火の玉を使う。
勢いをつけた飛び蹴りや空中で自転車をこぐように連続でキックする技等がシリーズ伝統の技になっている。
活躍
ゲーム本編
第1次時間軸
- モータルコンバット
モータルコンバットの大会の主催者であるシャン・ツンを倒しチャンピオンとなり、地球を危機から救う。
初代は1P側の初期カーソルはおろか2P側の初期カーソルでもなくド真ん中だった。
上記したようにFATALITYは側転からアッパーを繰り出すだけという地味なもので残虐要素ゼロ。しかも暗転すらしない。
- モータルコンバット2
外界の皇帝シャオ・カーンを倒し再び地球を救う。
残虐要素のあるFATALITYを獲得。1P側の初期カーソルも確保し、名実共に主人公に。
- モータルコンバット3
演者が変わり、少しイケメンになった。
1P側初期カーソルこそ初代ラスボスのシャン・ツンに奪われたものの、なんとか2P側は死守。
- モータルコンバット4
なんだか顔が急に残念になった。
この辺りからキャラクターセレクトでの配置が怪しくなっていく。※1
本作で初登場したカイの師匠となり、炎を操る力を伝授する。
- モータルコンバット デッドリーアライアンス
OPにてシャン・ツンとクァン・チーによって暗殺されてしまい、非参戦。
あまつさえシャン・ツンにキャラクターセレクトの1Pの初期カーソル位置はおろか2P側もシリーズきっての悪役であるクァン・チーに乗っ取られるという文字通りの死体蹴りを受ける。 酷い
- モータルコンバット ディセプション
暴走したライデンの力の影響でゾンビとなって甦る。一応アナザーコスチュームとして人間の姿も使用可能。
自分の意思に反して殺戮行為に走ったものとわかっていても、「自分の肉体だから」という理由でケジメをつけるため、また肉体を取り戻すため外界に留まることを決意。
他にも、仲間たちがオナガの奴隷にされていることを知ると、ケンシとの邂逅で改心したアーマックと出会い、共闘。
そしてついにタワーEDでは、魂自体と肉体との激戦の中、融合する形で復活を果たすことができた。
本作以降、キャラクターセレクトの初期カーソル位置がスコーピオン(1P)とサブゼロ(2P)で固定される。
- モータルコンバット アルマゲドン
今作のラスボスであるブレイズを倒したことによって、人間の姿に戻る。
- モータルコンバットvsDCユニバース
人間の姿で登場したが、顔は残念な方。
久々にヒーローらしい活躍をする。
第2次時間軸
- モータルコンバット9
イケメンに戻った。 MKDA前後の歴史が再構築されたことで、シャン・ツンとクァン・チーに暗殺される経緯自体が無くなっている。
地球を救うため仲間たちと協力し戦うが、ほとんどの行動で空回りしたライデン※2と仲間割れした挙句、ライデンに誤って致命傷を負わされ命を落としてしまった。
- モータルコンバットX
VSモードなどのキャラクター選択ではレヴナントの姿ではなく、20年が経過して頭髪が長く白くなり老化した姿がデフォルトになっている。
ストーリーモードではクァン・チーの死霊術によりレヴナント※3として復活。ほぼ完全に洗脳されており、凶悪な刺客としてXの主人公であるキャシー達の前に立ちはだかる。
上記に基き、終始悪役としての登場なので、ストーリー中でのプレイキャラには選ばれなくなっている。
- モータルコンバット11
本作以降から俳優の顔を使用しているなどの要因で、今までのゲーム作品の中で顔のバランスが安定した上、最もいい顔をしている。また、声優が以降、トム・チョイ氏(Tom Choi)からマシュー・ヤン・キング氏(Matthew Yang King)に変更された。
こちらではレヴナントの姿がデフォルトになっていて、9時代の若いころの姿とXのレヴェナントの両方を使用することが出来る。アルマゲドン以来のヌンチャク装備になり、今まではFATALITYで使用していた龍はFATAL BLOWで出す演出になっている。
ストーリーモードではMK9の頃のリュウ・カンが主人公を務める。同じく過去から召喚されたキタナやクン・ラオ達と協力し、元凶であるクロニカ、そして彼女と手を結んだレヴナントのリュウ・カンらと戦う。最終的にレヴナントのリュウ・カンが過去の自分の魂を取り込み、その力を利用してライデンに過去にされた復讐に向かうが、ライデンの力によってとんでもないことになる。
その後の話を描くDLCシナリオ『AFTERMATH』では、「冠無しのままでは時間操作が出来ず、全ての時間軸が崩壊してしまう」と、クロニカに虚空に幽閉され実質的にリュウ・カンに開放されたシャン・ツン(『Aftermath』の主人公の一人)に唆される。自分は行くことが出来ないものの、説得によって自分以外に幽閉されていた同じくAFTERMATHの主人公で幽閉されたフウジンとナイトウルフ共々過去の時空に送り込む。
フウジンらによって過去のリュウ・カンは事情を把握するものの、残酷な結末を迎えてしまう。しかし、最後の方でそのシャン・ツンらを送り自らは残ったはずのAFTERMATH序章でのリュウ・カンが現れ、事態は二極化することになる。
第3次時間軸
- モータルコンバット1
完全に主人公になった。
ファーストトレーラーでは真っ先に登場し、彼の語りで進行。終盤で戦士たちを皆殺しにしたシャン・ツンをあっさり返り討ちにしている。
Aftermathにおいて、最終決戦でシャン・ツンに勝利した後に彼が新たに作り出した世界が舞台。争いの少ない平和な世界において、「炎の神リュウ・カン」という地球界の守護者兼時の番人になっている。
というか実質的に従来のライデンのポジション。
前作の関係で人間のアイデンティティとなったライデンに代わり白蓮を創設し、地球界のチャンピオン集めや武师学院の切り盛り※4など地球界の戦士たちの育成をしている。
※1:厳密にはUMK3から。
※2:しかも事実上ライデンは本作の主人公。
※3:ゾンビみたいな見た目になったクァン・チーの傀儡。ある方法で生き返ることが出来る上、術者の思い通りにもできる。
※4:ただしイントロ曰く、主に第1次時間軸で直弟子だったカイが切り盛りしている。
スピンオフ
- モータルコンバット シャオリンモンクス
PS2で登場したゲームでクン・ラオと共に主人公になる。様々なFATALITYや必殺技を出すことができる。この作品ではキタナとの仲が拗れてしまう…
メディアミックス
- 旧劇版モータルコンバット、モータルコンバット2
演:ロビン・ショウ
主役で活躍し、初代、2共にロビン・ショウが演じる。実写に限り弟がいる設定になっている。モータルコンバットに負け死んでしまった弟の無念を晴らすため、モータルコンバットに参戦する。
- カートゥーン版モータルコンバット
イケメン枠。少林の僧侶にもかかわらず機械の扱いに長けている。
- モータルコンバット レジェンズ
MKXのデフォルトスキンをリメイクしたデザインでありつつ、若い姿のミックスとなっている。性格は従来のような誠実な青年で通されている。
『Scorpion's Revenge』では、暗闇でライデンの攻撃を避けたり、無数のブラック・ドラゴンの傭兵に包囲されても弾幕を軽々と避けたりと、既にただならぬ実力を発揮していたが、実際はスコーピオンがメインの話なだけあり、主人公(笑)な展開になってしまう。
第2弾の『Battle of The Realms』では、物心つく前に両親と死別したシーンからスタートしている。こちらも変わらず終始超人的な力を見せつつ、ジョニーが金的を食らった際に股間を抑えて震え上がるなど可愛い場面も見せる。こちらも旧神らの恩寵によってやっぱりとんでもないことになる。
第3弾『Snow Blind』では、地球を救った英雄として讃えられているものの、像のみであり事実上未登場。
- モータルコンバット レガシー2
ある不忠を犯し、白蓮を抜けて一般的な生活を送っていた。
貧乏ながら飲食店で働き、恋人もできるものの告白したその日に強盗によって殺害されてしまい、心に傷を負う。
後に酔っていたところにクン・ラオと再開。説得されるものの応じず、後にシャン・ツンの勧誘を受けて外界側の一人としてモータルコンバットに参戦。
Xのようにすっかりダークサイド側になっている。
- 新劇版モータルコンバット('21年の映画)
演:ルディ・リン 日本語吹替:江口拓也
ライデンに仕える人間界の戦士の1人として登場。ドラゴンの痣を持ち、既に覚醒して炎を操る能力を獲得している。クン・ラオとは共に修行し、義兄弟の仲。
演じたルディ・リン氏がめちゃくちゃイケメンであるが、いわゆるアメリカやヨーロッパ勢が思うカッコいいアジア人とは違い、ハリウッド映画では珍しくアジア人が思うイケメン。要するにジャニーズ系やK-POP系に近い。
その甘いマスクと裏腹にバッキバキに仕上がった肉体美もまた必見。
- モータルコンバットモバイル
名前の表記が「リゥ カン」になっている。ゴールド1種類、ダイヤ4種類存在。BRUTALITYが発動できる専用装備がある。
炎拳はタグインするととんでもないスピードと攻撃力を一時的に得ることができ、攻撃も素早いのでチャレンジ消化など手動作業向き。
クラシックは炎を得ると回復、タグアウトすると特殊攻撃不可を相手に負わせる、パワードレイン無効などかなり盛り沢山で詰みづらいのが特徴。ダイヤカードが増えた中でも現役で使い続けることができる。
影円団(元ゴールド旧称:ダークエンペラー)は初めてリーサルブローが付与されたカードであり、ダイヤにバフされた今リーサルブローが入れば回復するという非常に強力な効果となりより使いやすくなった。また戦闘開始時敵にスタンを入れこちらはクリティカル上昇が一時的に入るという使いやすいおまけ付き。
火神はMK11の例の姿のリュウ・カン。MK11カードに属していないが、バフ効果が旧神という括りになっているのでダイヤが幅広く使える。若干バフも自身への効果も微妙とされている反面、ステータスが高めにされている。
MK11はやたらと怪鳥声がうるさいものの、脳震盪と特殊回避、特殊攻撃ガード不可など盛り沢山。特殊1が使いづらいリュウ・カンカードの中で特殊1主体で戦いやすくなっている。
FATALITY
MK
- 龍尾激地拳
側転蹴りからのアッパーカット。
残虐描写は控え目で欠損描写もないが、MK1のThe Pit(橋のステージ)では相手を落とすことができた。
ちなみに「9」ではX-RAY Moveとしてこの技を披露する。
- 咬龍破惨撃
龍に変身して相手の上半身を食いちぎる。 MK4、MK9でも使用。
彼の代名詞のひとつでもあるFATALITYで、登場回数も多い。
MK2
- MK Arcade Machine
vs.DCや、MK11 BRUTALITYでも使用可能。
なぜか同シリーズのアーケード筐体を落として相手を押し潰す。
「vsDC」では年齢制限(普通はM指定だが、今作のみ一段階緩めのT指定)の都合上、残虐表現が控えめなこともあり、相手の身体は潰れない。
(同作にはDCコミックスのヒーローキャラが使う死亡しないトドメ技『HEROIC BRUTALITY』というシステムがある)
MKX
- Sore Throat
敵の喉仏を引っこ抜いて口にぶっ込み、敵が吐血して苦しんでいるところを「見苦しい」と言わんばかりにつき倒す。
良く言って正統派、ストレートに言って控えめなものが多かった彼のFATALITYだがこの技はそんな彼の中では異色のかなり無慈悲なFATALITYになっている。
近年の扱い(下記)の影響で(ストーリーモードのようにレヴナント化しなくとも)闇堕ちしてしまった影響なのだろうか…
MK11
- Burn Out
敵を数回殴った後に肉体を吹っ飛ばすパンチを4発与えて最後に1インチパンチを繰り出す。
1インチパンチとは元ネタのブルース・リーが行った有名なパンチの仕方(寸勁)で、ブルース・リーの技を多数アクセントに加えているリュウ・カンらしい正統的な技になっている。11のFATALITYは二種類とも正統派で控えめな演出に戻っている。
- Belly of The Beast
足に炎を纏って側転蹴りからのアッパーで相手の身体をバラバラに吹っ飛ばし、落ちてきた残骸を炎を纏ったヌンチャクで3回、リズム良く破壊する。
側転蹴り&アッパーが久々にFATALITYに組み込まれ、明確に殺傷能力が付与された(同作のBRUTALITYも同様)。
MK1
- Double Dragon
相手を跪かせた後、両腕から蒼紅の炎龍を放ち相手の両腕に喰らい付かせ、宙吊りにする。そのまま飛び上がって相手の脳天を掴んでそのまま急降下し、相手の首を地面に叩きつけて潰す。その後、残った体が真っ二つになった状態で落ちてくる。
- Spaghettification
相手の喉笛を掴んだまま宇宙空間にテレポートし,指パッチンでブラックホールを生成。そしてそのブラックホールに相手を徐々に吸い込ませる。
新世界の創造主の面目躍如といった大スケールの技。
FRIENDSHIP
MK2
- 突如、ミラーボールが降りてきてディスコダンスを披露する。この拳法家、かなりノリノリである。
- MK11ではグレードアップされており、さらにキレのあるディスコダンスを披露。(MK11)
MK3
- 影絵でシリーズのシンボルである龍のエンブレムを再現。常人には(色んな意味で)真似できない技。
BRUTALITY
MKX
- 足元に火炎弾を投げつけ、火だるまにする。
MK11
- ヌンチャクで足払いを喰らわせた後に相手の背中を踏み躙る。すると初代MKの筐体が降ってきて相手が潰れる。
余談
主人公(笑)
シリーズの多くで主人公を務めている彼だが、3Dになった辺りから看板キャラの座をスコーピオンとサブゼロに奪われている。人気度も相まってこのサイト以外にも多くのメディアでこの二人が主人公のように扱われている。
また9で彼が神の力を手に入れた際には(彼自身が力に溺れる暴君になってしまったこともあってか)もっぱら悪役として扱われている。
MK9のシャン・ツンのタワーEDではそんな彼を止めるために、彼の師匠の一人であるボー・ライ・チョーが(シャオ・カーンの強大な魂の力に苦しめられ、最後の希望として彼のもとに訪れてきた)宿敵のシャン・ツンを鍛え上げ、彼に対抗する力を持つという、ヒーローと悪役が逆転するような内容になっており、MKXですら自分の力に溺れた末冥界の覇者となった挙句ジェイソンを利用しようと考えるも、逆にジェイソンに腸を引きずり出され、それで絞殺されてしまうというあんまりな扱われ方を受けている。
但し彼の名誉のために言っておくとリュウ・カン自身に人気が無いわけでは断じて無い。一応MK11での集計結果ではその使いやすさも相まってかスコーピオン、サブ・ゼロに次いでオンラインランクマッチで使用されているキャラクターでもある(しかし永遠の二番手ならぬ永遠の三番手以降という残念さもある)。
彼とクン・ラオの友でもありライバルでもある関係はゲームとして発売したりするなどスコーピオンとサブ・ゼロのそれに匹敵する程人気が高い。
メインシリーズでリストラされたのもストーリーの内容上そうせざるを得なかったMKDAのみであり、それについても結構な批判の声が挙がっていた程。
それもあってかMK9のストーリーモードの最終盤にて死亡したにもかかわらず続編のMKXにて(ゾンビではなくちゃんと人間の姿でも)再参戦を果たし、さらにその続編であるMK11でも無事続投している。そしてそのMK11のストーリーモードでは主人公と主人公(笑)ならぬ悪役の二面性を持ちつつ、主人公に相応しい活躍を終盤で見せてくれる。
前述の通り、MK1では完全に主人公の座を取り戻した(初期カーソルは相変わらずだが)。
今でこそすっかり"初代"主人公のイメージが定着してしまい、上記のイジられっぷりが板に付いてしまった彼だが、それでもなお純粋な目で彼を愛するファンは多く、主人公らしい人気は健在である。
'21年の実写映画版でも、主人公こそオリジナルキャラに譲っているものの、頼れる兄弟子といった風のキャラクターや再現度の高いFATALITYなど主役に決して劣らない活躍を見せている。
担当声優
- Tom Choi:MKvsDC~MKX
- Matthew Yang King:MK11、MK1
- Jordan Rodrigues:MK Legends