概要
服装から己の肉体に至るまで、全てが黒く塗りつぶされている、全身漆黒の謎の人物。
人物像
正体はサブゼロ(カイ・リャン)の兄『ビ・ハン(先代サブゼロ)』が、初代MKでスコーピオンに殺害された後、悪霊となって蘇った存在。
生前持っていた凍気の代わりに、闇の力を駆使して戦い、ポータルを通じて相手の虚を突いたり影分身を形成して攻撃させる技を持つ。
別の存在に変質したためか、人間性の一切を失っており、MKDのエンディングでは実の弟と再会しても感動すらせずスモークと協力して彼を惨殺してしまう程。
MK9でライデンが過去へ遡ったことにより、一度は彼の存在が無かったことにされたものの、生みだされる運命までは変えることができなかった。
今度もスコーピオンに殺された後クァン・チーの死霊術により蘇生、復活させられた事で人格が変わり、魔界側の忠実な戦士としてリュウ・カンや弟のサブゼロの前に立ちはだかる。
MK11では9の終盤で魂の嵐に巻き込まれ消滅したと思われていたものの生存しており(本人曰く「クァン・チーの創造物は簡単には死なぬ」だそう)、本作の黒幕であるクロニカに雇われたという形でアースレルム陣営と対峙する。
また本作では、セクターと結託し「リンクェイの為」という大義名分で様々な悪事を重ねていたという生前から冷酷非情な人物だったという設定付が成されており(これは9以前は本質的には善玉とされていたシンデルと同じ)、完全な悪玉というキャラ付けになった。それ故、ストーリーモードで弟と敵対し打ちのめされた後、その度重なる悪事を知られていた為か「血は繋がっていても、お前は最早家族ではない」と言い捨てられ、事実上絶縁されてしまう。
なお、11において同じ陣営の(一応)味方であるフロスト(弟の弟子)の事はリン・クェイ構成員として一切認めていない模様。理由は「女だから」。なんつー男尊女卑……(とはいえ儒教国家である中国では男尊女卑を掲げる男は珍しくもなんともないが)
実際、対戦モードやラダーモードでこの二人が対戦すると、戦闘前の掛け合いで……
フロスト「You should've been Grandmaster(貴方が総帥であるべきだった)」
ビ・ハン「I would not allow female Lin Kuei(リン・クェイに女なぞ要らぬ)」
フロスト「You're worse than Kuai Liang!(お前はカイ・リャンよりもクソだ!)」
……と、このように一瞬で掌返しを喰らっている。
クァン・チーのネクロマンシーによる蘇生者なので彼もまたレヴナントである筈だが、彼はそう言われるとキレ気味に「Revenant? I am Wraith!(レヴナントだと? 私はレイスぞ!)」と否定する(Wraith:英語で生霊、幽霊の意味)。
キャラ性能
凶悪の一言。
足元からワープし繰り出す投げ技、相手を攻撃不能に陥らせる飛び道具、分身を飛ばし相手を投げて浮かす飛び道具などの凶悪な必殺技を数多く持ち、かなりの強キャラとなっている。
彼の行動を熟知し、対策を練らないと一方的に封殺されること請け合いである。
MKDでは後述の『ヌーブ・スモーク』として参戦、戦闘スタイルの切り替えによって試合中に交代するという特殊な性能となっている。
登場作品
モータルコンバット2
本作で初登場。
スモーク、ジェイド共々隠しキャラクターとして登場し、2P対戦で50連勝しないと彼と戦うことができない。
また、UMK3までは忍者のシルエットを流用している。
モータルコンバット3
覆面忍者集団(サブゼロは専用のデザイン)が登場しないため、カノウのシルエットが使われている。
アルティメットモータルコンバット3
使用キャラとなるのは今作が初。
前述する高性能の必殺技を多数与えられ参戦した。
また、ヌーブに変質する前の兄サブゼロも参戦しており、善と悪の戦いを実現することができる。
もっとも、彼らが如何にして善で悪なのかはさておき。
モータルコンバットGOLD
捨てたはずの凍気を、何故かFATALITYで使う。
モータルコンバットディセプション
シャオ・カーンに捕まり投獄されていたスモークを改造しコンビを組み『ヌーブ・スモーク』として参戦した。
手裏剣を投げて攻撃してくるようになり、忍者みが増している。
本作から墨汁のごとき血を流すようになった。
また、全身漆黒をウリにしているが、デフォルトカラーは肉体が肌色になっている。
でも血液は漆黒のまま。
モータルコンバットアルマゲドン
スモークとはコンビを解消した。
その代わりにウォーハンマーを武器に携える。
エンディングではブレイズ討伐によって兄サブゼロとヌーブに分裂し、激戦の末にその誰でもない第三の存在が生まれる……という意味深なものとなっている。
モータルコンバット9
影分身を使う技が復活。使い方も以前より洗練されており、相手を投げ飛ばすだけでなくタックルをぶちかましたり、後述するFATALITYの手伝いをするようになった。
その代わり手裏剣を投擲する戦法は無くなっている。
下記する彼のFATALITY「Make a Wish」はMK9屈指の残虐性を持つ技で、プレイヤーに強烈なインパクトを与えたのは勿論、海外のゲームメディアの多くもこの技の残虐性を取り上げた程。
例:Gameranx の「Top 10 Holy Shit Gaming Moments of 2011」で5位にランクイン。
モータルコンバット11
前々作からのブランクを経て再び参戦。
闇のポータルや影分身を使った戦法は健在で、新たに小型の鎌を装備してきた。
そしてFATALITYのエグさもより冴え渡っている。
モータルコンバット1
久々にビ・ハンがサブゼロとして登場した為、出番無し……と思われていたが、追加コンテンツ「カオス・レインズ」で登場が決定。クァン・チーのネクロマンシーによって蘇生させられたのではなく、タイタン・ハヴィックによって、生きながら肉体を変質させられてしまうと言う形で登場。結局。ビ・ハンがヌーブになる運命は変えようがなかったらしい。
FATALITY
- 相手の身体に黒雲をまとわりつかせて爆殺する。(UMK3)
- 相手を掴んだ後ワープ、何度も地面に叩きつけて粉砕する。(UMK3)
- 死後捨てたはずの凍気を放ち相手を凍らせ、アッパーで粉砕する。(MKG)
- 胴体部分を思いっきり蹴飛ばし、そこだけ吹き飛ばす。レイコの流用。(MKG)
- 手裏剣を何枚も投げつけて殺害。(MKD)
- Make a Wish(MK9)
分身と協力し、両端から相手の脚を掴んで股から真っ二つに引き裂く技。
ちなみに技名の本来の意味は「願い事をする」。
- As One(MK9)
相手の足元にポータルを生成、分身に下半身を引きずり込ませたあとに閉じて、上半身と分断させる。
- Double Trouble(MK11)
ポータル経由で相手の両肩と両腿に鎌を4カ所突き刺し、そのまま引っ張って相手を4つに分断する。
- Split Decision(MK11)
相手の腹を鎌で裂いたあと、傷口から闇を注入し、体内で分身を形成して喉から真っ二つに引き裂かせる。何故か自分を殺した相手が前々作で使っていたFATALITYと同じ名前である。スタッフのミスだろうか?
おまけのBrutality
- 鎌で斬首。(MK11)
- ポータルを用いて相手を無限に落下させる。(MK11)
名前の由来
『NoobSaibot(ヌーブ・サイボット)』という名前は製作スタッフのEd BoonとJohn Tobiasの2人の苗字を合体させ逆さまにしたもの。
BoonをひっくりかえしてNoob、TobiasをひっくりかえしてSaibot。
余談だが、Noobは技術の伴っていないゲーム初心者を意味するスラングにもなる。
もっとも、彼の場合は初心者どころかかなりの実力とゲーム内における性能を持っているが。
担当声優
- Jamieson Price:MK9
- Sean Chiplock:MK11