バビロンの大淫婦(Fate)
ばびろんのたいいんぷ
概要
「黙示録の獣」と同じく反キリストの象徴の一つ。
ローマ皇帝ネロは、「ローマの大火」の際に放火犯・火事場泥棒としてキリスト教徒を激しく弾圧したと伝えられていることから、キリスト教徒から「ローマ帝国における暴君の代表格」として扱われており、時に「悪魔などの反キリスト的存在はネロの姿で現れる」と言われることもあり、黙示録の獣や大淫婦バビロンと関連付ける作品もある。
『Fateシリーズ』においても、主にネロ・クラウディウスに関連するワードとして度々言及されていた。
ネロが登場した当初は、「バビロンの大妖婦」または「バビロンの妖婦」と表記されていたが、『FGO』以降では『バビロンの大淫婦』(☆4ネロ・クラウディウスのプロフィール6、書籍『Fate/Grand Order material V』BB解説ページ等)という名称で統一される。
各シリーズでの言及
Fate/EXTRA
コミック版『フェイト/エクストラ』でも、主人公に自らの真名と過去の話を告白した際に、「バビロンの妖婦と罵るがよい」と、自棄になった台詞がある。
ドラマCD「帰ってきた!ブロッサム先生! 狐沌編」において、アーチャーが「どうせ、この技を使えばセイバーが黒化…マザーハーロット的な666の獣になって、マスターに愛想を尽かされると思ったのだろう?」と発言している。
Fate/EXTRA CCC
BBが取り込んだ地母神「チャタル・ヒュユクの女神」は、キリスト教における退廃した都の守護神「バビロンの妖婦」としての機能・側面を持ち、BBが持つスキル「黄金の杯」と「十の王冠」の由来となっている。
作中でも「十の王冠」を使うBBに対してネロが「それは余に対する挑戦か……!」と発言する描写がある。
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
最終話においてビーストがマスターである沙条愛歌を「偉大なるバビロン」と呼ぶ描写がある。
その後、愛歌が死亡した事でビーストが暴走し、「ヨハネの黙示録」にある「7つの頭と10本の角を持つ獣」の姿として無理矢理現界しようとした際、地の文では「十の支配の王冠」のみならず、母なるバビロンが存命であれば更に「黄金の杯」も同時に顕れていたと述べられている。
Fate/Grand Order
FGO開始当初、ネロの担当声優の丹下桜氏が公式ブログで『FGO』において演じる役の1つとして「マザーハーロット」を挙げていた(現在は削除されている)。
その後、ネロが登場するシーン等で彼女がバビロンの大淫婦として登場する伏線が張られていた。
- 玉藻の前のマイルームボイスにおいて、ネロに対して「一歩間違えれば悪に堕ちてしまう危うい所がある」と述べている。
- 第1部第二章やマリーの幕間の物語「白百合の王妃と薔薇の皇帝」において、ネロに原因不明の不自然な魔力上昇が見られ、ただの人間であるはずの彼女がサーヴァント並みの戦闘能力を手にした。
- 同じく第二章にて、アレキサンダーがネロに対して「君は魔王にだってなれる」と発言した。
- ネロの幕間の物語「幾たび、終幕を迎えても」にて、ネロが最期を迎えた荒野に出現した彼女の亡霊が倒された際、「ああ…聞こえる…都の嬌声…六番目の…」と言う台詞を口にした。
- ネロ・クラウディウス(水着)のスキル「夏に夢を:A」が消失し「七つの冠:C」が追加されていること
- ネロ・ブライドの強化クエストに登場したエネミーは黙示録の獣を示唆する七つ首のおろちとビーストIIIであった殺生院キアラとカーマであった。
- 2019年7月に開催されたイベント「ぐだぐだファイナル本能寺2019」の後半戦「オルタ戦線」ではこの時点では反転形態がいないにもかかわらずお試しオルタということで登場していたが……?
そして、『Fate/Grand Order Arcade』にて、ついにネロがビーストクラスと化した存在、ビーストⅥ/S・ソドムズビーストが登場した。
詳細はソドムズビースト、ソドムズビースト/ドラコーの記事を参照。
余談
七つの冠と十の王冠
『ヨハネの黙示録』によると「七つの冠」を持つのは、「天より現れ、獣と同じく七つの頭と十の角を持つ赤い龍(サタン)」で、「十の王冠」を持つのは、「海より現れ、七つの頭と十の角を持つ獣(第一の獣)」である。
水着ネロ、ソドムズビースト/ドラコーが所有するスキルは「七つの冠」及び「七つの獣冠」、BBが保有するスキルは「十の王冠」と、スキルの由来は異なっている。
ちなみに、大淫婦がまたがる獣も七つの冠を被る、という解釈で書かれた絵も古くから存在している。有名な例ではルター訳新約聖書の挿絵がある。
マザーハーロットという名称について
マザーハーロットという名称はゲーム『真・女神転生Ⅲ』が初出。
元ネタとなった大淫婦バビロンの原典である『ヨハネの黙示録』には、マザーハーロットという言葉は直接的には登場しない(強いて言うなら『娼婦たちの母(ザ・マザー・オブ・ハーロッツ)』という称号がそれに相当する程度か)。