概要
お前もう船降りろとは、漫画『ONEPIECE』の主人公モンキー・D・ルフィを題材にしたSSやコラ画像でよく使われている台詞。つまり原作及びアニメには登場していないネット民による捏造の台詞である。
元ネタは恐らく2018年9月27日に投稿されたなんでも実況J(なんJ)のスレッド【ルフィ「お前、もう海賊団から出ていけ」俺「えっ..?」】であり、ここから徐々に派生する形で「お前もう船降りろ」が誕生した。スレッドタイトルとしての初出は2019年1月25日に投稿された【ルフィ「お前もう船降りろ!」ワイ「え?」】が確認されている。
尚、近年では「〇〇(人物名やキャラクター名)、船降りろ」という形で何らかの地位や役職についている人への降格や除名などを願うネットスラングとしての使い方も広まっている。
さらに派生して、偉大な功績を残した人には「お前船乗れ」「もうお前が船だ」などと言う使い方も広まっている。
主人公が何らかの組織に所属してる別の作品でもコレに倣った改変コピペが生まれる事がある。最近だと公安対魔特異4課や結束バンドに所属していた事になって、追い出された。
またよくコラ画像で見かけるルフィがウソップに「お前もう船降りろ」と告げる画像の本来の台詞は「おれ達もう仲間だろ」というものであるため全く逆のシーンであるといえる。またその後のウソップの台詞である「え…」はそのままネットスラングとして使われることも多い。
原作において
原作及びアニメではルフィはこの様な台詞を一切発していないが、ウォーターセブン編ではこれに近い台詞を言いかけた事がある。
ゴーイングメリー号を巡ってルフィとウソップが言い争っている場面(途中から)
ルフィ「お前だけが辛いなんて思うなよ!!!! 全員気持ちは同じなんだ!!!!」
ウソップ「だったら乗り換えるなんて答えが出るハズがねェ!!!」
ルフィ「…………!!! じゃあいいさ!!! そんなにおれのやり方が気に入らねェんなら今すぐこの船から…」
サンジ「バカ野郎がァ!!!」
このシーンは修復不可能となったゴーイングメリー号を手放すことについてルフィがウソップと口論になって頭に血が上っていた場面であり、コラ画像の様に突き放した雰囲気で言っているわけではない。
サンジが蹴り飛ばしてまで止めたのも、勢いであろうが仲間思いで尚且つ「船長」という立場にあったルフィが決して口にするべきでない言葉だったからに他ならず、ルフィ本人も直後我に帰って謝罪している。
そもそもこの場面に至るまでルフィは海軍大将“青キジ”に見逃されたほかアイスバーグから船長としての資質を問われており、ウソップもフランキー一家に金を奪われた事による負い目からお互い精神的に余裕の無い状況にあり、サンジもルフィをうっかりナミの方に蹴飛ばしてしまった程(女好きなサンジなら普段は絶対やらないミスである)。
この時はフランキーやブルック、ジンベエと言った年長者がいなかった上にロビンも理由ありとはいえ裏切りに近い行動を取っており、一味全員が追い詰められていた。
実際、作者である尾田栄一郎もこの時のルフィを「ガラにもない事言わせすぎた」と言っており、原作のこの場面とネタを同一視して語るのは文字通り論外である。あまり安易に使うべきネタでは無い事は知っておくべきだろう。
その後の本編では、「言いかけたこの言葉がルフィの本心で、役に立たない仲間は切り捨てるんだろ」と吐き捨てたウソップとメリー号の所有権をかけたルフィとウソップの決闘になり、ルフィの勝利に終わるものの、誰よりも船の整備に時間を費やしてきたウソップにあまりにも軽々しくメリー号を捨てる算段を持ち掛けてしまったことと、ウソップは決闘に負けたとはいえ「勝てるはずのない勝負」に堂々と挑み矜持を通したことから、ルフィたちは心情的に船の所有権をそのままにしていられるものではなく、所有権をウソップに渡したうえで彼以外の全員があえてメリー号を降りるというコラとは真逆の展開になっている。
元ネタのスレに関すると、仲間を見捨てないのがルフィである一方で、初期においてアルビダに頭が上がらないコビーや魚人島編初期の外に出る勇気が出ないしらほしに対して「俺、お前嫌いだな〜」と包み隠さず言うのもルフィであり、改変においてルフィや他の一味とエピソードが一切無いのにもかかわらず(スレの都合上){[常識改変]]チートでも使ったかのように強引に船員となってコミュ障ニート生活を送っていたと思われる「俺」に対してキツく言うのはありえる事ではある。
さらにONEPIECEにおいてキャラクターの心情を細かく描くモノローグ手法がルフィにおいては全く用いられない事や人の話を聞かない諸突猛進ぶりから一部ではサイコパス的な印象を持たれてるというのも影響しているだろう。
しかし元スレのルフィの口調は中盤から特に回りくどくなり最早パワハラを働く上司のソレとなってしまってる点、原作における"仲間"の定義と相違してる点からも元スレのルフィが原作のルフィの性格からは大きくズレているのは間違いないだろう。このような改変が生まれた背景にはクズロットを始めとした嘘の付けない純真主人公をサイコパスのクズとして描くミームが昔から流行っているのも大きいと思われる。
この点においては回りくどい言い回しを用いず論理的に、そしてハッキリ物を言うセリフに改変された「ワイ」バージョンや逆に仲間として迎え入れる「む、麦らァ・・・ポロポロ」の方が準拠していると言える。
(もっとも原作のルフィは知らない間にコミュ障ド陰キャ無能ニートが船員となってるエピソードなど無いので、どのような対応をするかは不明である)
また、ルフィは言っていないが原作では一応赤髪のシャンクスが「船下りろ」と言っている。
ルフィが赤髪海賊団に入団を希望するが、ルフィが子供なのでシャンクスは断るが、船員達がかばう場面。
船員A「お頭、いいじゃねェか。一度くらい連れてってやっても」
船員B「おれもそう思うぜ」
シャンクス「じゃあかわりに誰か船を下りろ」
船員全員「さーて、酒盛りを続けるか」
ルフィ「おい!!」
「原作で言っていた」と主張したり感じたりしてしまう者はここの部分と混同した可能性がある。
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何やってんだお前ェっ‼‼…ウソップに対して言ったといった共通点がある。なおこちらは実際に映画で発せられた。ただこれもネタで使っているのと実際は状況がまるで違う。
※※以下1065話のネタバレを含みます※※ |
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だが、よりによって政府の島エッグヘッドに着いてしまい、抗議したものの
ゾロ「ウチの船長が世話になったな ありがとう 降りろ」
と言われてしまう。
彼は断じて麦わら海賊団の仲間でも何でもなかった故なのだが、本編現在軸で初めて「お前船降りろ」とはっきり言われた瞬間であり、ネットが一時期騒然とした。
ただ、ワノ国での戦いの途中、カイドウによって二度目の敗北をしたルフィに自分が今まで貯めてた食料を渡し体力回復の手助けをしたことがある。これ以来もワノ国では悪魔の実の能力を駆使して地味ながら活躍した。
流石に極端な結果論だが、彼なしではカイドウ撃破・ワノ国の開放は果たせなかったのである。
ゾロも船長を助けてくれた恩からか、上記のセリフにお礼を入れており、少し笑みを浮かべていた
が、もう少しのせてやるだけの慈悲はなかった
(そもそも彼は魚人島編で海底航行中に一味を皆殺しにしようとしてた上に魚人島で一味に注目が集まってるのを良いことに誘拐を働きあらぬ罪を一味に被せていたので、前述のウソップと比べると妥当な扱いである)