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サラ・キッド・ジールの編集履歴

2024-01-16 16:36:25 バージョン

サラ・キッド・ジール

さらきっどじーる

サラ・キッド・ジールとは、プレイステーションRPG『クロノクロス』の登場人物。

「世界が滅ぶというなら、滅びちまえばいい!

 歴史が変わるというなら、変わっちまえばいいんだ!

 ラジカル・ドリーマーズのみる夢がどんな夢か、このオレが教えてやるぜ!」


概要

CV:豊口めぐみ(アナザーエデンコラボ)


クロノクロス』の仲間キャラクターの一人で、本作のヒロイン。通称・キッド

外見は16歳(ただし生まれたのは14年前)の少女。勝ち気で強欲な盗賊で、一人称オレ(俺やおれの時もある)orオレ様。口調も性格もガサツで男勝りな人物。序盤から主人公をぐいぐい引っ張って冒険に連れて行くという重要な役割を果たす(仲間にしなかった場合はレナがこのポジションになる)。


ラジカル・ドリーマーズ(ラジカル・ドリーマー)という盗賊団を名乗り、大陸の方で暴れているためエルニドでは恐れられている。盗賊らしく大嘘吐きで自己中心的で、真っ当な生き方をしている人間が報われない世界だと考えながらも、自身は他人を見捨てきれないお人好しである。

根は優しくて素直だが、このことは必死に隠している(アルティマニアより)。


盗賊らしく戦闘では敵からアイテムを盗んだりできる。また敵の本拠地に潜入したセルジュたちよりも後から入ったはずなのにいつの間にか追い抜いているなど、盗賊スキルも高い。

本作のヒロイン的存在ではあるものの、一度も仲間に加えることなくゲームクリアすることも可能。ただし、あえて突き放すような選択肢を選ぶことでキッドの心情が垣間見れる(セルジュがレナと一緒にいるのを見て動揺を押し隠すなど)。

Home・Anotherのどちらにも存在するようだが、劇中に登場するのはAnotherのキッドのみ(Homeでは噂が聞けるのみ)。


ちなみに2022年発売の「リマスター」ではまさかの巨乳化という待望のアップデートがあり、ヒロインとしての魅力がアップしている。


プロフィール

年齢性別職業出身地身長体重体格利き腕
16無職不明165cm45kg細身両方

使用武器はダガー(二刀流)

名言・口癖「月までブッ飛ばしてやるぜ!


大陸の方で「ラジカル・ドリーマーズ」と名乗って盗みを働いていた。世間的には大盗賊として知られており、その噂は辺境のアルニ村にも届くほど。

盗賊団として世間に恐れられているラジカル・ドリーマーズだが、実は団員はキッド一人。アルティマニアによれば、キッドはラジカル・ドリーマーズを単なる盗賊ではなく、ラジカル(革新的)な夢を見る者たちの総称として捉え、自身もその一人と考えているため。これは作中では語られていないが、ルッカの教えによるもの。


孤児院の思い出

みなし子だったところルッカに拾われ、彼女が経営する孤児院で11歳まで育った。彼女を実の姉のように慕っており、ルッカをさらったヤマネコを憎んでいる。現在はヤマネコを追う一方で秘宝「凍てついた炎」を危険なものと考え、人の手に渡らないようにするために探し求めている。

設定資料にはエルニドに来た理由として「ルッカの蘇生」が記されている。


スタイルは悪くないのだが、なぜか一部のユーザーには貧乳キャラとして扱われている。


スカートの中のヒミツ

センシティブな作品

クロノクロスは当時で言えば最高レベルのグラフィックであり、その分スカートの中身もしっかり描写されている。親切にもアルティマニアには各女性キャラクターのスカートを覗く方法が記されており、その中でもキッドは最も難易度が高い。序盤に一度だけキッドと戦う展開があるが、この時に勝利することでスカートの中身が拝める。ただし負けバトルなので勝つには工夫する必要がある(味方の装備を事前に剥いでおくなど)。2周目からは特に問題なく勝てる。

それ以外の方法だと難しく、意外にもキッドのは見えそうで見えないスカートだったりする。これ以外にも固有エレメント「スティール」をするとたまに見える時がある。一瞬しか見えないので注意。

初登場時のムービーでは、その絶対領域っぷりにドキっとしたユーザーも多いのではないだろうか。

渋のイラストでは白パンツが多いが、ゲーム内では赤パンツである。


ラジカル・ドリーマーズのキッド

ラジカル・ドリーマーズ

『RADICAL DREAMERS~盗めない宝石~』とは、SFCサテラビュー専用ソフト。今では入手困難な幻のソフトである。こちらのキッドはその界隈では名の知れた盗賊であり、本人の弁によると「かわいくてスタイルがよく、性格も明るく料理の腕もバッチリ」……らしい。

『クロノ・クロス設定資料集』では「トリガーとクロスの間に挟まれた物語」「クロスへの導入役」として紹介され、『クロノ・クロス アルティマニア』では、「クロスのキャラクターが出るパラレル」として紹介されている。

こちらでもセルジュとキッドは登場しており、セルジュは密かにキッドに思いを寄せているという設定。またキッドには「セルジュに対する好感度」が設定されている。キッドの言葉遣いや性格、一人称などクロスとほぼ同じ。「ルッカに拾われて育てられた」、「ヤマネコと宿敵」、「凍てついた炎を探している」という設定も同一。ただし選択したシナリオによっては、キッドの恩人がシェアという女性に代わる。


ラジカル・ドリーマーズ

クロスに登場するセルジュ、キッド、アルフの三人は「ラジカル」からのオマージュ的キャラクターと言える。


関連イラスト

【クロノクロス】キッドキッド

キッドさん(クロノクロス)リマスタークリア記念


関連タグ

クロノクロス クロノトリガー

サラ(クロノトリガー) キッド ジール

セルジュ(クロノクロス) ルッカ(クロノトリガー) フェイト(クロノクロス) オパーサの浜

ヤマネコ(クロノクロス) ラジカルドリーマーズ

セルキッド




ネタバレ

以下はクロノクロスの重大なネタバレを含みます!































劇中の軌跡

セルジュがカーシュたちに連れ去られそうになっているのを見過ごせず『旅の娘』として助太刀に入る。その後、行き場を失ったセルジュの道しるべとなり、共に大都市テルミナを目指すことに。選択肢次第ではキッドが仲間にならず、代わりにレナがセルジュを冒険に連れ出す。

潜入した蛇骨館ではヤマネコ相手に劣勢を強いられ、すかさずリデルを人質に取った。蛇骨大佐から取引を持ち掛けられるが、キッドは「信用できない」としてこれを拒否。直後、ヤマネコはリデルを無視して攻撃を敢行。咄嗟にリデルを突き飛ばしたキッドは深手を負ってしまった。


ヤマネコが投げた刃には、ヒドラの毒が塗りつけてあった。体内に入れば2,3日で命を落とすという。中和するにはヒドラの一部から薬を作るしかないが、今のエルニドでは乱獲が進んだことでヒドラは絶滅も同然の状態だった。しかし、セルジュがHomeWorldから持ってきたヒドラの体液で中和剤が創られ、キッドは一命をとりとめた。その際、少しだけたくましくなったとセルジュに言葉を送った。選択肢次第ではキッドを見捨てることができ、その場合はイシトによって助けられる。

セルジュとヤマネコの精神が入れ替わった際に、ダークセルジュ(ヤマネコ)によってナイフで腹を刺されてしまい、その後は生死不明となる。後にカーシュの回想で、キッドが持つペンダントの効果により、ダークセルジュ諸共過去の時間へ飛ばされたことが判明する。


セルジュがカーシュらと和解し合流した後、ダークセルジュと共に隠者の小屋を襲撃。セルジュが入れ替わっているのを知った上で「ルッカの仇」と見て刃を向け、斬り付けてきた。だが戦いにはならずファルガの救援で逃げられてしまい、以降ダークセルジュとの決着まで登場しなくなる。ヤマネコ(フェイト)とセルジュたちが激突する際には、ダークセルジュによって眠りにつかされていた。だがセルジュたちがフェイトを倒したことで目を覚ますと、凍てついた炎を用いて龍神たちの封印を解き、再び昏睡状態になってしまう。これにより龍神の復讐が始まることとなった。

キッドの精神は過去の悪夢に捕らえられてしまっていた。だがセルジュの手によって救出され、仲間として彼のもとへと戻って来た。

このイベントを起こさずゲームクリアすることも可能となっている。また一度でもキッドを仲間にしていないとこのイベントは発生しない。


「運命は、死んだ。もう後戻りはできない」

「それに“違うもの”同士で、傷つけあい、殺し合ってるだけじゃいつまでたっても何も変わらない」

「どう戦うか、が問われてるのさオレたちは」


前述のようにキッドをPTに入れた状態で星の塔をクリアすると、真ラスボスを倒す方法のヒントを語る。


クロノクロス20周年

真ENDではセルジュと離れ離れになってしまうが、いつ、どこの世界にいようとも必ず会いに行くことを誓った。エンディングテーマが流れる中、セルジュを探して世界を旅するキッドの姿が実写で描かれている。そして、セルジュと出会ったオパーサの浜に綺麗な女の子になったキッドが立つところで幕を下ろす。


キッドはなにをしたかったのか、果たして敵なのか味方なのか。その謎は後述を参考にされたし。


正体

時の水面で

その正体は、前作『クロノトリガー』に登場した魔法王国ジールの王女サラが生み出した分身。グランリオンからは「お姫様」と呼ばれたり、時折見せる自己犠牲的な部分など、前作でのサラを思わせるシーンがある。

画像の二人はどちらも「サラ」だが、女性の方はトリガーでの、幼女の方はクロスでの姿となっている。


ラヴォスの出現により古代王国ジールが滅亡する中、発生した次元の渦に巻き込まれたサラは、ヒョウ鬼に襲われて毒に苦しんでいた幼いセルジュの泣き声を聞く。その声に導かれたサラはこの時代に接触。分身としてキッドを誕生させた。「自らの消滅」を願っていたサラは時を喰らうもの(ラヴォスの進化した存在)に取り込まれてしまうが、ルッカはそんな自分とは違った道を歩んでほしいと考えキッドを生み出したと推測している。

ちなみにサラは、セルジュを助けるためにキッドを生み出したわけではない。飽くまでセルジュの泣き声に惹かれてその時代に干渉しただけである。オパーサの浜でルッカが語っている通り、この時のサラは自らの存在を消し去ろうとしており、自分とは違った人生を歩ませたくてキッド(分身)を誕生させた(その行為が結果的にセルジュを救ったのは確かだが)。


またキッドを誕生させたのが時喰いに取り込まれる前なのか後なのかは不明だが、幾つかの点から様々な推測ができる。

ガッシュは時喰いに滅ぼされる未来を知ったことで歴史改変を行い、エルニド諸島を形成させた。その結果、生まれたのがセルジュである。ゆえにサラが『セルジュの泣き声』を聞いてキッドを誕生させたのならば、ガッシュの歴史改変後となる(セルジュがいなければサラはこの時代に干渉できず、キッドも生まれなかったと思われる)。

DS版のサラはラヴォスに取り込まれた際に正気を失っていたが、一時的に正気を取り戻したことからこの後でキッドを誕生させた、とも考えられる。元ネタを考えるとこちらの方がしっくりくるか。

サラが取り込まれたことについてはラストバトル直前にマールに話しかけると教えてくれるが、前作の知識を持っていることが前提となっている。


ちなみにHOME世界のキッドは劇中で登場していない。アルティマニアによれば、「エルニドにもラジカル・ドリーマーズの噂は伝わっているので、盗賊として大陸で暴れているのかもしれない」と語られている。ルッカの仇であるヤマネコがいなくなり、エルニド諸島に留まる理由がなくなったからだろうか。

なお、物語序盤でセルジュをANOTHER WORLDに呼んだのも(時を駆け、溺れていたセルジュを救った未来の)キッドである。


キッドを加えたままラストダンジョンをクリアすると、時を喰らうものの倒し方のヒントを語る。その際、「違う者同士で殺し合っていては解決にならない」「どう戦うかが問われているのさ、」など精神的な成長が見られる台詞が聞ける。実はこれは、ラスボスを倒すための重大なヒントになっている。


真エンディングで判明するキッドのフルネームは「サラ・キッド・ジール」。これはキッドの日記帳に記された名であり、OPとEDの語り部が彼女であることを示唆するものとなっている。


過去

Don`t leave me alone

みなし子(と思っている)のキッドは赤ん坊(1歳)の頃、森の中でルッカに拾われ孤児院に引き取られた。

ルッカを実の姉同然に慕い、ルッカハウスで平穏なひと時を過ごしていたが、11歳の時、ヤマネコとツクヨミの襲来によって孤児院は燃やされ、ルッカは拉致された。

未来のセルジュに助けられた後の経緯は不明だが、盗賊団ラジカル・ドリーマーズを名乗り盗賊として活動。凍てついた炎を危険なものと考え、ヤマネコの行方を追っていた。

終盤では自らの悪夢に囚われ目が覚めなくなってしまうが、クロノクロス(もしくはグランドリーム)を用いたセルジュによって救出される。この悪夢は過去に実際に起こったものである(グランドリームを使って助けると判明する)。


星色のお守り袋とペンダント

キッドは二つの宝物を持っている。一つはルッカから渡された星色のお守り袋(中には時のたまごの試作品と「未来のセルジュ」が落とした木彫りのペンダントが入っている)。もう一つはルッカに拾われる際に持っていたペンダント。

このペンダントは前作「クロノ・トリガー」で登場したサラのペンダントと同じもの。時間に働きかける作用を持つ。


不死身の理由

The Other Side (of her)

前作でもキーアイテムだった「サラのペンダント」を生まれた時から所有しており、それにルッカの手(時のたまごの試作品)が加えられ、キッド自身の身に危機が訪れると「時間を巻き戻す」力が発動する。キッドが大怪我を負うと、記憶を失って傷のない状態で別の場所で倒れているというケースは、過去にもたびたびあった模様。このため彼女はセルジュ(の姿をしたヤマネコ)に刺された事を全く記憶していなかった。

キッド本人は自身の本体である「サラ」とペンダントに込められた「時間巻き戻し」の力の存在を知らない。ただし、「大怪我しそうになった時、気がついたら知らない場所にいる」など自分に不思議な現象が起こっているという自覚はある。

実は、このペンダントはドリストーン製のもの。即ちラヴォスの欠片である「凍てついた炎(ラヴォスの欠片の総称)」と同種のものである。このためペンダントには時間に干渉する力があると言われている。


もうひとりの人格

クロノクロス

上記のキッドの行動は不可解に思ったユーザーも多いはず。彼女が何をしたかったのか、なぜセルジュだと知りながらルッカの仇として殺そうとしたのか。劇中では一切説明はないがちゃんと理由はある。

アルティマニアによれば、「キッド」自身も気づいていない「もうひとりの人格」が存在しており、そちらは「生への執着がなく献身的で、無に帰したいという強い衝動」を持つ。多重人格の理由に関しては、「キッド」がこのような側面を抱えていたためか、あるいは「もうひとりの人格」が自分とは異なる道を歩みたいと願い「キッド」を生み出したのかもしれないと語られており、どちらが主人格かは不明となっている。

「もうひとりの人格」と言っても言葉遣いや一人称などは基本的に「キッド」と同じ。しかし後述にもあるように、最後の登場時には言葉遣いがガラリと変わっている。


物語中盤から終盤にかけてセルジュに刃を向けてくるのは、この「もうひとりの人格」の方であることがツクヨミにより示唆されている(キッドと再会する際にツクヨミを連れていると「セルジュの知っているキッドじゃない」と言う)。しかし、彼女が多重人格になった経緯や入れ替わった理由などは不明。

フェイトが倒れた後、タイムクラッシュや龍神の復讐について話したり、ツクヨミから「無に帰したいという衝動を持っている」と言われるキッドも「もうひとりの人格」の方である(アルティマニアより)。なお、この時の口調は明らかに「キッド」とは異なるものになっていた。


ダークセルジュ(フェイト)に付き従い、彼の味方をする一方でヤマネコ(セルジュ)をルッカの仇として執拗に狙っている。少なくともセルジュとヤマネコが入れ替わっていることは知っているらしく、「ヤマネコ」を殺せればそれでいいという態度である。これらの事情を知らないセルジュは、キッドから敵視されたことにショックを受けていた。


ゲーム中では多重人格については一切語られず、これらの事情はアルティマニアに記載されている(設定資料には載っていない)。そのためゲームだけではキッドが豹変した理由を理解することは不可能に近い。


「2400年、反時間転移の実験中に炎が暴走し、次元をひきさくタイム・クラッシュは起こった」

「巨大な次元の歪みにまきこまれ、クロノポリスは時空を横すべりし、一瞬にして1万年前の古代へ吹き飛ばされたのだ」

「ひょっとしたら、古代で目覚めかけたラヴォスが、炎をひきよせたのかもしれない」

「1999年、少年達に滅ぼされる可能性を見たラヴォスが、新しい可能性を開くために」

「そしてこの時、別の次元の未来から、もうひとつの都市が過去へ飛ばされたのだ」

「ディノポリス……恐竜人の未来都市……星に近い進化をとげた、アザーラの子孫たち」

「ラヴォスが自らを救うためにはるか未来からクロノポリスを古代へ呼び込んだように……」

「星がディノポリスを過去へ招きよせたのかもしれない。クロノポリスと、人間に対抗する手段として……」

「龍神たちが凍てついた炎を閉ざしていたのでない」

「フェイトが炎の力を利用して龍たちを封じていたのだ」

「そして、フェイトが倒れたいま、龍たちの復讐がはじまる!」


フェイトが倒れた直後、「もうひとりの人格」は凍てついた炎を用いて六龍神の封印を解き、龍神の復活という事態を招いてしまう。引き換えに自身の悪夢に囚われ、昏睡状態になってしまった。これが「もうひとりの人格」の最後の登場となった。ツクヨミの言葉通り、彼女は龍神を復活させることで望みを果たそうとしたのだった。


セルジュによって「キッド」は過去の悪夢から助け出され、仲間としてセルジュのもとへ戻ってきた。しかし「もうひとりの人格」がどうなったのかは不明。元ネタを考えると「キッド」と統合されたのかもしれないが、はっきりとは言われていない。


しかし、


「みんな同じなんだ。より高く、より遠くを夢みてる……。」

「運命は、死んだ。もう後戻りはできない」

「これから先、人は、自分の道を自分で選び、その結果おこることも自分自身でひきうけなきゃならない」

「それに“違うもの”同士で、傷つけあい、殺し合ってるだけじゃ、いつまでたっても何も変わらない」

「なんの解決にもならないんだ」


ただひとつわかっているのは、星の塔をクリアした時の台詞からキッドはもう憎しみには囚われていないということである(見ての通り落ち着いた理知的なものになっており、「もうひとりの人格」と似ていなくもない。)。


プロジェクト・キッド

ガッシュが発案した時間制御プロジェクト。

率直に言えば、「セルジュを調停者として覚醒させ、時を喰らうものを浄化させて歴史を救う」ことを指す。

歴史が変わったA.D.2300にてガッシュは、やがて時を喰らうものによって未来が滅ぼされることを知る。遠い未来に存在していた彼は、既にある程度の事象を把握しており、それらの知識とネオシルバードを用いて歴史に干渉し、セルジュの運命をわずかだが意図的に操った。

最終的には時を喰らうものを浄化した後、時を駆けたキッドが海で溺れていたセルジュを救うことになっている。その後、セルジュはオパーサの浜からこの「キッド」にANOTHERまで呼ばれることになる。つまり、冒頭でセルジュをAnotherに呼んだ謎の声は未来のキッドである。

なお、キッドはこれらの事実を知らない。


セルジュとの関係

「いつか、また会える……?」

10年前、セルジュが溺れていた時に助けたのが「時を駆けた未来のキッド」。作中でたびたび彼女が海岸で振り返るシーンが挿入されるが、これは当時のことを覚えていたセルジュの記憶である。ただし、アルティマニアによればセルジュは「キッドに懐かしい面影を感じている」が、自分を助けてくれたのがキッドだとまでは知らない模様。

ちなみに、ヤマネコとツクヨミによってルッカハウスが焼き払われた際、救出してくれたのが「未来のセルジュ」である。ストーリーを進めると実際にセルジュ(プレイヤー)はキッドを助けに過去へ行くことになるが、このイベントは任意となっている。


助け出されたキッドだが「未来のセルジュ」は現代へと戻ってしまい、独りぼっちになってしまう。

しかし、このことは今でも覚えており、キッドはエルニド諸島でセルジュと再会した時から好意的な様子を見せている。

なお、あえてキッドを突き放すような選択肢を取ることで、セルジュに対する想いなどが垣間見れる。

奇しくもセルジュは海の中、キッドは炎の中から助け出された形となった。

時を喰らうものを浄化した真エンディングでは、「いつの時代、どこにいても必ず会いに行く」とセルジュに誓いの言葉を述べた。エンディングテーマが流れる中、交差点で立つ姿は「歴史の選択」を示したもの。綺麗な女の子になったキッドがオパーサの浜に立つところで幕を引く。

ちなみに設定資料集には婚礼衣装を着た大人のキッドが描かれており、この姿は真エンディングの写真にも描かれている。写真には礼服を着た「誰か」の姿も映っている。顔は不明なので定かではないが、設定資料集には礼服を着たセルジュのラフが掲載されている。


ヤマネコとの関係

星を盗んだ少女【宣伝】

ヤマネコはルッカに協力を求めて幾度も交渉に現れており、その際に出会い、凍てついた炎に関する話も聞いている(アルティマニアより)。しかし交渉は決裂。ヤマネコとツクヨミによって孤児院は焼き討ちされ、生き残ったのはキッドただ一人。ルッカは拉致され生死不明となってしまった。このことから「ヤマネコに凍てついた炎を渡してはいけない」と考えており、ルッカの仇の一人として追いかけるようになった。ヤマネコに対する恨みはとりわけ強い。が、肝心のヤマネコとの決着時にはキッドは眠らされていたため戦闘には参加しておらず、ヤマネコが倒れた後にも特にコメントはない。マルチエンディングでは蛇骨館でヤマネコを倒し、仇討ちを成し遂げるものもある。


ツクヨミとの関係

対

異次元からサラが現代に干渉した事によって磁気嵐が発生し、この時代のフェイトの機能がシステム不良を起こす。

またキッドを誕生させた際に発生したひずみにより、"凍てついた炎"で制御されていた龍神(6体の龍)の時間的封印が弱まり、一瞬だけ力を取り戻した龍神から一部が分離。そうして生み出されたのがツクヨミであった。

シナリオライターの加藤によれば、ツクヨミが人の姿をしているのは「龍と人の子」であり、逆に人は「ラヴォスと星の子」であり、ツクヨミはかけ橋的な立場にあったためだという(アルティマニアより)。また同著では「キッドとツクヨミは対を意識した」と述べており、作中でも様々な点で「」であることが強調されている。


ルッカとの関係

きっと、

前述の通り、赤子だったキッドを引き取り育てたのがルッカである。実の姉同然の存在としてキッドに慕われていた。しかしキッドが10歳(アルティマニアでは11歳と表記)の頃、ヤマネコとツクヨミによって拉致されてしまう。設定資料集では、キッドがエルニドにやって来たのは「ルッカの蘇生」が目的であると語られている(104頁)。

なお、劇中で登場する「ルッカ」は上記の画像のように幼い少女の姿をしている。これは「この次元には存在しない(死亡している)」ことの暗示である。しかし、彼女もまた「ルッカ」であることには変わりなく、ラストバトルに向かう直前、キッドを連れて二度話しかけると悲しませたことを謝り、ステキな女の子になったと「妹」に言葉を送る。


サラとの関係

前述の通り、キッドを分身として生み出したのがサラである。ただし、「キッド」自身はこれらの事実を知らない。

終盤、星の塔で凍てついた炎に近づく際にキッドを先頭にしておくとサラとの関係の一端が判明する。

また時の闇の果てに向かう際、幼少のルッカからサラとキッドに関係が明かされる。それを聞いたキッドは「そのサラって娘とオレは違う」と真っ向から否定する。ルッカは「サラは自分とは違う人生を歩んでほしいと願ってキッドを生んだ」と推測しており、上記のキッドの台詞を肯定している。

なお、DS版クロノ・トリガーに追加されたイベントでは、ラヴォスに取り込まれたサラが精神を掌握されつつある(憎しみに支配されていく)ことが語られている。

クロスのサラはラストバトルのみしか登場しないので、ピクシブではトリガーの容姿で描かれることが多い。


マルチエンディングでのキッド

二周目からはクリアした時期に応じてキッドの行く末も変化する。


アカシア大帝国誕生」では、アナザーのアル二村で過ごすことを選んだセルジュを遠くから見つめ、別れの言葉を独白して単身ヤマネコを討ち、新たな領主となって大陸と戦争を繰り広げる。


スラッシュステージ」では、マジカル・ドリーマーズの新メンバーとなったセルジュとキッドが冒険を放棄してしまう。ヤマネコはセルジュの肉体を奪えず古龍の砦で待ちぼうけとなる。


ショップでバイト&ズッコケ三人組」では、テルミナの美女コンテストで予選落ちしたことが判明する。セルジュのアルバイト先であるエレメントショップを訪れ、リサから上記のことでコキ下ろされて悔しい想いをしていた。また追加イベントでコルチャからプロポーズの返事を催促されるのもあるが、相手にせずさっさと立ち去ってしまっている。また別のルートでは、ヒドラの毒をイシトに治療してもらい、(勝手に)スパイにされて蛇骨館で潜入調査(皿洗い)するのもある。イシトに恩義を感じているようだが、セルジュたちがどこに行ってしまったのか気にかけていた。


新生マブーレ」では、ダークセルジュ側につき、ラディウスやファルガらに刃を向ける。


ヤマネコ討伐」では、ヤマネコになったセルジュとツクヨミの新居に突撃し、ルッカの仇を討つべく勝負を挑んでくる。構図だけ見れば完全に修羅場である。「ダークセルジュから離れて行動している」「ツクヨミから言及がない」「ヤマネコとツクヨミの仲に嫉妬心を見せる」など、このキッドが「もうひとりの人格」なのかは不明。


蛇骨幼稚園」では、ツクヨミを仲間に加えたダークセルジュと共にテルミナを訪れ、破壊活動に加担しようとする。目の前で堂々と「セルジュの中身はヤマネコ様」とツクヨミが話しているにも関わず気にした様子もないので、入れ替わりについては完全に知っている様子。


黒い運命の書」では、クロノポリスを訪れた際に現れたツクヨミと対峙。自暴自棄の胸中を明かし、激情のままツクヨミに刃を向ける。決着は描かれなかった。


更なる余談

クロノクロスの数日前に発売されたプレイステーション版「クロノ・トリガー」ではクロノとマールが結婚式を挙げる新エンディングが追加されており、ラストシーンではルッカがキッドと思しき赤ん坊を拾っている。


更にDS版「クロノ・トリガー」では時を喰らうものの前身と思しき「夢喰い(ゆめくい)」(サラの魂を取り込んだラヴォス)が隠しボスとして追加された。HPを0にしても倒しきれず、クロノたちは夢喰いに敗北。正気を取り戻したサラは、最後の力を使ってクロノたちを逃がした。その後、姉を救えなかった魔王は自身の記憶を消し、どこかの時代を放浪するエンディングを迎える。


センシティブな作品

クロノクロスはスタッフが共通しているということもあってかゼノギアスやラジカル・ドリーマーズの展開を思わせるものが多い。特にキッドに関してはオマージュ的要素が強いものとなっている。2017年に発売されたゼノブレイド2ヒロインがキッドとよく似た設定である。


アナザーエデンのキッド

キッド

エルニドとは異なる世界に転移してしまい、同じく転移した主人公アルドたちと遭遇する。その場にツクヨミも転移していたため顔を合わせてしまい、絶対に一緒には行動しないと二人で口喧嘩を始めてしまう。ここでキッドを選ぶとゲストとして加入する。

ちなみにキッドが飛ばされたのは「人と魔獣が敵対する世界」であり、本来の歴史なら人が魔獣に勝利していたのだが、この歴史では逆の結果になっていた。魔獣は襲ってこそ来ないが人の存在は疎ましい(珍しい)ようでキッドはマブーレの亜人のことを思い出すのだった。

直後に人間の女の子にサイフをスられてしまうが、魔獣の男に形見のブローチを奪われ、返してほしければ金を用意しろ脅されての犯行だったと知る。事情を知ったキッドは男からブローチを奪い返し、形見の品の大切さを語った後に女の子の手に渡した。

アルドには優しいと褒められたが、キッドは照れ隠しに怒り出してしまうのだった。


なお、こちらの世界には元の世界で亡くなったルッカ姉ちゃんそっくりの女性「アシュティア」が存在しており、キッドは彼女を「ルッカ姉ちゃん!?」と見間違える。

当然ながら別の世界を生きる他人の空似ではあるのだが、容姿だけでなく言動すらルッカに瓜二つのアシュティアにルッカの面影を見たキッドは彼女を慕い、新たな絆を描いている。


アルド「あの人ってアシュティア姉ちゃんだよな? さっき会ったばかりじゃなかったのか?」

キッド「そりゃ一緒にいた時間は短いぜ。でも……オレの大事な人によく似てるんだよ。

 もしこの世界に生きてたらこんな感じだったんだろうなって思えるぐらいにさ。

 ……もちろん分かってる。あの人はルッカ姉ちゃんじゃねぇ。オレの姉ちゃんは一人だけだ。

 それでもさ……話してるとなんだか懐かしい気持ちになって調子が狂うんだ。

 らしくねーよな ははッ」


中盤ではセルジュ、ツクヨミとも合流し、この世界に現れた新たなヤマネコの陰謀に立ち向かうことに。

やがてヤマネコによって呼び出された新たな龍神は、ツクヨミに対して共に来るように告げる。使命に迷うツクヨミだが、ここで待ったを掛けたのがキッドであった。


「ここで てめーに勝手に

 抜けられたんじゃあ こっちの

 気が収まらねえ。

 こいつは オレがぶっ飛ばすから

 おまえは黙って見てろ」


この時代においても龍神はセルジュたちに倒された。だがこの世界に現れたツクヨミは取り込まれることなくセルジュたちと共にいた。

戦いの後、キッドはツクヨミから感謝の言葉を掛けられる。自分を止めてくれてありがとう、と。

キッドはひねくれた態度を取りながらも「セルジュだけは絶対に裏切るなよ」と告げ、ツクヨミもまた「約束する」と返答した。

決してツクヨミを許したわけではないのは明らかだが、それでも自分たちと、セルジュと共に歩むことを認めるのだった。


そして最後の決戦の場、時の塔にて因縁深きヤマネコと対峙する。


「くそッ ヤマネコの野郎!

 上等じゃねーか。

 運命の神だか なんだか知らねーが

 いくらでも 相手になってやるぜ。

 だが てめーとの決着だけは

 絶対に つけてやる……。

 てめーはここで死ね ヤマネコ!」


原作では実現しなかった「ヤマネコ(フェイト)との決戦」に参加した際には強い怒りを見せている。

最後はアルドとキッドの攻撃で怯んだところをセルジュによって仕留められ、時空を超えた戦いに終止符が打たれたのだった。


もう一つの関連タグ

ウォン・フェイフォン(ゼノギアス)ゼノギアスの主人公。キッドのオマージュ元。物語の山場でヒロインがラスボスの分身に乗っ取られてしまい、それに気づかずいきなり攻撃されてしまう。このイベントの後、自身も狂気の第二人格に主導権を握られ敵となる。また過去に実家を襲った男が原因で母親を失っている。


エレハイム・ヴァン・ホーテン:ゼノギアスのヒロイン。同じくキッドのオマージュ元。序盤と終盤で別人のように豹変して敵になる。また自己犠牲にも近い献身の持ち主。


イド(ゼノギアス):同じくゼノギアスの登場人物でオマージュ元。主人公に眠る狂気の第二人格で「すべての消滅」を目論む。

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