解説
CV:緑川光。
イグニス大陸辺境の村、ラハンで暮らす青年。
年齢18歳、身長177cm、体重67kg。
通称「フェイ」と呼ばれており、名前表記も同じ。
人物
性格は明るくさわやかだが、一方で神経質で自虐性の強い面もある。
特技は絵を描く事と武術で、戦闘では武術と気功を駆使して戦う。また、何故か機械にも強く古代機械もあっさり起動させられる。
経歴
物語が始まる3年前、重傷を負いラハン村に担ぎ込まれており、それ以前の記憶を失っている。
以降、ラハンの村の住人として暮らしてきたが、村がキスレブとアヴェ駐留ゲブラー部隊との戦闘に巻き込まれ、その際にヴェルトールに乗り込み、暴走させてしまう。
そして、村から追われ旅に出た彼の運命は、やがて世界の命運をかけた戦いに発展していく。
搭乗ギア
関連タグ
ネタバレ注意!未プレイの方はご注意を! |
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ネタバレ注意
実は解離性同一性障害によって、便宜上「ラハンで暮らし始めて以降のフェイ」、「イド」、「臆病者」と呼ばれる三つの人格を有している。
また、彼の過去、更には前世には、劇中世界の謎を紐解く鍵が隠されている。
フェイの正体は、事象変移機関ゾハルに宿る高次存在、『波動存在』の力の一部を宿す接触者と呼ばれる存在、一万年前、デウスの暴走によってこの惑星に墜落した移民船の生き残りである少年『アベル』の記憶と力を継承した転生者である。
1万年以上前の星間戦争時代、抑止力となりうる強大な力を求めた軍はオーパーツであったゾハルを動力源とした星間戦略統合兵器『デウス』を建造。
しかしデウスはゾハルとの連結実験中に暴走し、軍は多大な犠牲を払ってデウスを凍結。
デウスが暴走した原因は不明だが、連結実験中にデウスは何故か無限のエネルギーをゾハルに求め、ゾハルは高次の波である波動存在を降ろし、連結実験の場に『偶然』いたアベルが、母性への憧れ、回帰願望から波動存在を『母』として定義付けた。本来、波動存在は四次元世界において自己定義がなく、実体を持たない。しかしアベルによって母性を定義された波動存在は、定義づけられた特性を生体コンピュータ・《カドモニ》の中で実体化、接触者を守り支える『対存在』、『エレハイム』が生み出される。
波動存在はゾハルという物質の檻に囚われ、アベルは波動存在の力を分化した者となった。波動存在は高次元への回帰を望んでおり、その為の手段として『接触者の手によってデウスとゾハルを破壊する』という目的を持っている。その為、アベルはたとえ死んだとしても、波動存在によって『神を殺す者』として転生する運命にある。
デウスの暴走に対し、軍はその力を危険視、封印を決議した。しかし移送中にデウスは恒星間航行艦エルドリッジをハッキングして禁忌の惑星ロスト・エルサレムへと艦を転移させようとした。事態を重くみたシゲヨシ艦長の手によりエルドリッジは破棄され、物語の舞台となる惑星に不時着した。
以後は様々な時代において接触者とエレハイムはめぐり合い、悲劇によって引き裂かれていくこととなる。フェイが時折見る光景は、自分の前世の記憶に当たる。ラカンやソフィアなどはフェイの視点から見ているため、容姿は自分やエリィが映し出されたものとなっている。
何故前世の記憶を時々しか思い出せないかというと、その理由はフェイの中に存在する二つの人格にある。フェイが無力感に捉われた時に度々発現する破壊衝動の塊『イド』。心の内に籠もり優しかった頃の母との思い出を延々と眺め続ける『臆病者』と呼ばれる子供のフェイ。三者の内、本来のウォン・フェイフォンの基礎人格は臆病者である。
フェイが4歳の時、ミァンとして覚醒したことで母カレンが突如変貌。フェイに苦痛を伴う実験を始める。父カーンが仕事で忙しく、また妻は自分の前では以前と変わらぬ態度を取っていたため、フェイの訴えを子供の絵空事と断定してしまい、母に怯える悪夢のような時間が続いた。
苦痛にはまだ耐えられたフェイだったが、やがて実験は進行。自分の力を無理やり注がれて壊れていく人々の姿にいよいよ限界を迎えたフェイは、苦痛を肩代わりしてくれる人格『イド』を作り出す事に成功。そうして基礎人格は、優しい思い出をすべて独り占めして殻に籠る『臆病者』となった。
第二人格のイドは優しい思い出も何もなく、ただひたすら苦痛だけを溜め込む事になる。自分に辛苦を与える母、助けてくれない父、そして自分に辛い現実を押し付ける臆病者を恨み、破壊衝動のみを抱くようになった。やがてグラーフの襲来を切っ掛けに起きたフェイの力の暴走によって母が死に、『臆病者』が完全に殻にこもると、フェイの主人格はイドが掌握。謎の男グラーフにより戦闘技術とヴェルトールを与えられた事で憎悪発散の手段を得ると、様々な場所でグラーフと共に破壊活動を行っていった。
そして本編の3年前、二人の居場所を突き止めた父カーンとグラーフが激突。カーンは捨て身でイドを封じ、人格を初期化した。以後、ラハン村での三年間の経験を元に『フェイ』という模擬人格を形成していく事になるが、たった3年しか人格構築の期間がなかった為、突発的事態や情動反応に異常に弱く、躁鬱が激しかったり突然感情的になるなど、精神的に未成熟な面が度々見られた。
イドと臆病者は前世も含めた記憶の一部を共有しており、かつ青年のフェイの記憶も持っているが、二つの人格に対し下位に当たる青年のフェイはイドと臆病者の記憶を持たない。つまりフェイは厳密には記憶喪失ではなく、最初から記憶など持っていない。
更に終盤直前には無力感に捉われたフェイが作り出した、何も感じず何も考えない自分の殻に閉じこもった第四の人格「四人目」も登場する。
終盤、再接触を果たしたイドに取り込まれ消え去りそうになったフェイは、仲間たちと父の声によって正気を取り戻し、精神世界で自分に接触してきた臆病者、入り込んできたイドと対面する。互いを拒絶し争う両者に対し、フェイは臆病者を説得、彼がイドに隠し続けていた『死の直前で正気に戻った母が、力の暴走で死にかけた自分を庇っていた』事実を開示させる。
思いがけない真実に動揺するイドを諭し、三者は和解。人格の統合を果たし(恐らくはイドに取り込まれたと思われる四人目も)、完全な再接触によってヴェルトール2をゼノギアスに進化させる。
そして父の肉体を奪っていたグラーフを打ち破り、彼を父と呼ぶ。その直後に失われたパーツとしてフェイを求めるゾハルに吸収されかけるが、父が身代わりとなる事によって難を逃れ、必ずエリィを取り戻す事を誓う。
その後、デウスを破壊し、カレルレンとの決戦に勝利。一万年に及ぶ因果を断ち切り、エレハイムを取り戻す事に成功。そして、仲間たちの待つ星へと帰還を果たす。