詳細は流星のロックマンを参照。
基本情報
発売日 | 2008年11月3日 |
---|---|
最終売上本数 | 21万本 |
定価 | 5280円 |
対応機種 | ニンテンドーDS |
シリーズ | 流星のロックマン |
備考 | 1ソフト2セーブデータ |
概要
流星のロックマンシリーズの3作目で現状最終作。
バージョンはブラックエースとレッドジョーカーの2バージョンで、前作流星のロックマン2のように1ソフト2バージョンではなく1ソフト1バージョン方式。
流星のロックマンシリーズ、事実上の最終作で荒削りだった前作、前前作の不満点や改善点を大幅に変更、バトル面は大きなテコ入れを断行。ロックマンエグゼに寄せたシステムや演出を所々に取り入れつつも、流星シリーズ既存の要素をより磨き上げたゲームバランスを作り上げている。
流星だけでなく、エグゼからの長いシリーズファンへのファンサービス、主人公の他にも大きな成長を見せるキャラクター達、シリーズ通して重要な役割を果たしたブラザーバンドを始めとした人との繋がりをこれ以上なく押し出したアツいストーリーは高評価を受け、近年再び注目されつつある。
ゲームシステム
- ノイズ率
今作の重要要素。ストーリー中盤から解放されるシステムで無属性カードで条件を満たすorウォーロックアタックを当てると999%まで上昇する。
100%を超えると相手のインビジブル貫通効果が常時付与されるという強烈極まりない効果が発動する(対戦では200%)。更にリザルトに影響を与える(後述)。
そして本作のノイズチェンジではこのノイズ率が大きく戦況に関わってくる。
- ノイズチェンジ
1の『スターフォース』、2の『オーパーツ』に相当する今作のロックマンの変身強化システム。
使用感はロックマンエグゼ3のスタイルチェンジとロックマンエグゼ6のクロスシステムのいい所取りに近く、一定の戦闘回数でランダムで発現しロックマンに属性と追加効果が付与される。
更に今作ではノイズ率で段階的に変身していくスタイルを採用しており下記の段階で変化していく。
ノイズ率 | 名称 |
---|---|
0〜49% | フォームアウト |
50〜199% | カラーアウト |
200〜999% | ファイナライズ |
更にこの他の隠しノイズもあるらしい...
- フォームアウト
ノイズチェンジに目覚めていると対応したノイズチェンジの青のカラーリングのまま対応したフォルムに変化する。
この時には特に追加効果はない。
- カラーアウト
ノイズチェンジに目覚めていると対応したノイズチェンジのフォルムに変化し、カラーリングも変化する。
この姿になるとチャージショット変更、ロックマンに属性追加、特殊アビリティ追加と言った強化システム特有の効果が常時発動し、100%以上を維持してバトルを終えると次回のバトルでもカラーアウトからスタートできる。
デメリットとして弱点属性を1度でも受けると一瞬でノイズ率が0%に剥がされ解除される。
- ファイナライズ
200%を超えるとカスタム画面で任意選択可能になりブラックエースかレッドジョーカーに変身する。
ファイナライズは3ターンで強制解除されフォームアウトに戻るが、3ターンは弱点属性がなくなり、バスターマックス&ウォーロックアタックの威力が2倍の効果が追加され、ファイナライズ時のノイズ率が高ければ高いほど強力なカードが入ったフォルダに変更される。
更にブラックエースではエア&フロートの2種シューズ&クイックゲージの効果が追加され、レッドジョーカーはスーパーアーマー&ステータスガードの効果が追加される。
- レギュラーカード
エグゼシリーズにもあった選択したカードが必ず初手にくるレギュラーチップシステムが追加された。
- ギャラクシーアドバンス
エグゼシリーズのプログラムアドバンスが追加された。今作はアルファベットを並べるのではなく、特定カード3枚を合わせるとそのままカスタム画面中にギャラクシーアドバンスカードとして発現する。
- カスタム画面の変更
カードのランクで大きさが変わりランダムにカードがポップアップ式に散らされたカスタム画面に変化され、カード同士が重なり合うと下に入ったカードはそのカード1枚のみを使うシングルユーズかそのカードの属性に応じたカードに変換するサポートユーズを選択しなければならなくなった。
悪質なネット広告ばりのサイズにされ、カスタム画面を圧迫するギガクラスカードの存在感は必見。
- イリーガルカード
ノイズ率100%以上でリザルト画面で入手できる、ランダムなカード。ノイズ率が高ければ高いほどレアなカードが出る仕組みだが、めちゃくちゃ序盤からギガクラスカードでバランスがブッ壊れたり、隠しボスのカードが手に入ったりのド級のネタバレを踏ませにくる問題児。
性能面ではブレイクサーベルのようなリストラカードから今作は登場しない過去作のナビカードといった懐かしのカードからソードファイターのようなファンサービスも仕組まれている。
ストーリー
技術の進歩によって、電波技術は更なる発展を遂げた。しかし、「メテオG」と呼ばれる巨大流星の出現によって、電波ウイルスの凶暴化、ノイズ率上昇によるシステムの暴走が続発するようになる。
サテラポリスとスバルは、新たに開発された端末「ハンターVG」を使い、崩壊を始めた電波世界を救うために奔走する。
登場人物
主要人物
主人公。今作では人として大きく成長した姿を見せ、戦いも恋愛も主人公っぷりを見せる。
相棒。今作ではウィザードになったので、ウォーロックとしてロックマンと協力して戦えるようになった。
地球で人間との暮らしが長くて俗っぽくなったのか「そこから出ると芸能ニュースになるぜ」という忠告は今作屈指の迷言。
父。行方不明で肉体を捨て電波体として宇宙を彷徨っているが、今作では明確に生存が確認されてかなりストーリーに絡む。
母。今作では夫のことが取り上げられる事が多く、日々逞しく成長していくスバルに父のような事が起きるのでは?と不安を抱いている。
委員長。今作では生徒会長を目指すべく、いつものメンバーと『ルナルナ団』を結成する所から物語が始まる。
今作でもかなりヒロインムーブが多い。
ルナのウィザード。戦闘は出来ないが高い知能でルナをサポートする。
ルナルナ団。今作では遂にオックスと和解し正式に電波変換を行うなど第二の主人公ばりの活躍と成長の場を与えられただけでなく、まさかのヒロインレースに割り込んでくる。
FM星人。今作で敵の手によって再構築され相変わらずゴン太を乗っ取るも、3度も迷惑をかけたワビとしてゴン太と和解し、ゴン太のウィザードとして協力する。
ルナルナ団。相変わらずの情報通でツッコミポジション。
今作ではヒロインイベントの敗戦処理を任されるというとんでもない苦労人役を押し付けられる。
キザマロのウィザード。豊富な知識を搭載している。
初めてのブラザー。登場早々にスバルの後ろに回り込み目を塞いで冗談を言うと初手からヒロインムーブをぶっ放すスバルのブラザーで戦友。今作ではより人気が高まりドラマにライブと大忙しで、目撃されただけで軽く街がパニックになる程の大人気アイドルに成長している。
FM星人。今作でもミソラの良き相談相手で最早マネージャー兼保護者状態。今作ではハープ・ノートと戦えずナビカードも登場しない。どうして...
ムーの末裔。馴れ合いとムーを愚弄される事を嫌う性格は相変わらず。ディーラーとは敵対しているが、相変わらず馴れ合いが嫌いでスバル達とは加担しない第三勢力として登場する。
ソロの仲間の電波体。正体不明でムーのデータなのかブライの力なのか不明。ブライの剣としてソロと協力し合っている。
サテラポリスのエース。電波変換も可能でありアシッド・エースとしてスバル達の窮地を救う。しかしスバル達と違い体への負担が激しく長時間の活動は困難。
シドウのウィザード。電波変換を目的とした人工電波生命体で規則正しい性格でウォーロックとはウマが合わない。
サテラポリス科学部門総括。今作のメテオG対策におけるサテラポリスの重要人物で電波に詳しい第一人者。
しかし性格は穏やかで電波体を孫のように接するのでウォーロック達からは苦手に思われている。
ディーラー
本作の黒幕。表向きは子供達への慈善活動に積極的な博士だが、真の顔は犯罪組織『ディーラー』のオーナーで性格は邪悪そのもの。子供達への慈善活動も都合のいい捨て駒を増やす為と非常に冷酷。
ディーラー。ミスター・キングの忠実な僕で人間離れした巨漢の黒人男性。単独で電波変換を行い、人間への暴力も辞さず作中では委員長をデリートする暴挙を行う。
ディーラー。ミスター・キングお付きの女性。キングも絶大な信頼を置いているのだが...?
ディーラー。ディーラーの尖兵としてコダマ小学校に転校し、ロックマンらの動向を伺う。
年齢相応な面もあり、200年伝わる禁断のパンツやぶりに興奮したり、委員長にドリルオンナ!と吐き捨てたり、あんまりスパイしていない。
FM星人。性格は極悪非道で短気。ジャックの「ある願い」の為に協力しているのであって、ジャックを気に入っているわけでも無ければ、ディーラーになんの感情もない。
ディーラー。ジャックの姉で17歳。表向きは教育実習生としてコダマ小学校に赴任してきたが、裏ではウィザードを暴走させるノイズドカードを操り、ウィザードの暴走事件を起こす。
FM星人。性格は下品でウザったらしい。コーヴァスに並ぶFM星人最悪の犯罪者として悪名高い。そしてコーヴァス同様にディーラーやクインティアにはなんの感情もない。
コダマタウンの住人達
植木屋。1では隠しボスだったが今作ではコダマ小学校に雇われて屋上のお手入れをしておりストーリーに絡む。
学校で有事の際には電波変換して児童を守っている。
FM星人。1の時点で十郎とは上手くやっていた事もあり、そのままウィザードとして地球に残っている。
科学者。1以来の登場で相変わらず口下手で引っ込み思案だが、あの一件をキッカケに人を疑う事は辞めて前向きになっている。
今作では電波変換が可能になっており、そのデータの研究を行っている。
FM星人。宇田海のウィザードだがあの時のキグナス本人ではなく再構築された別個体。口下手な宇田海に代わって交渉を任され、宇田海をサポートしている。
コダマ小学校6年・科学部部長。科学部の集大成としてロケット打ち上げを目標としている。
ディーラーに暴走させられた電波体。元はマナブのウィザードであるマグネッツだった。口癖は「〜ッス!」
今作最初のボス。
ミソラの同期アイドル。ミソラに人気は離されてしまっているが心優しく押しに弱い性格でファンも多い。騒動後はロックマンのファンになる。アイドルの推し発覚でスバルの芸能ニュースデビューが近いたとかなんとか。
ディーラーに暴走させられた電波体。元はスズカのウィザードであるアイスだった。アイス自体はスズカを過保護にしており「ミソラさえいなければ」と思っており、そこをつけ込まれた。
ディーラーに暴走させられた電波体。元はシーサーアイランドで守り神と呼ばれるシステム管理者だった。
イリーガルカードで手に入るストロングスイングはエリアイーターと組み合わせるとエゲツない火力を叩き出す事で大人気。
寄生虫。前作からの復讐心でロックマンに襲いかかり、メテオGを乗っ取ろうとしたがアッサリ返り討ちに合う。
前作以上に小物っぷりがブーストしており、クリア後のシナリオでは「ナルシストが邪魔で実力出せなかったんだろ」(意訳)と吐き捨てられる。
月の電波体。コスモウェーブで通せんぼしてくる。
コロコロコミックで募集されたグランプリキャラクター。
隠しボス。星を飲み込むブラックホールサーバーの管理者で自分のコレクションとしてFM星を狙っている裏ストーリーのボス。自分のコレクションとして再構築した『R』ナビを手駒として操る。
欲深く往生際の悪い性格。200年前に来客があったらしいがその正体は不明。(考察の域を出ないがコイツと思われている)
本作の評価
終盤の二転三転する人間関係、1から大きな成長を遂げた主人公、そして綺麗に畳まれたエンディングと完結作にふさわしい1作ではあるのだが、人気キャラ達の扱いにはやり残しが目立つ
主に『ハープ・ノートと戦えずナビカードもなし』『オックスはゴン太と和解するのに、オヒュカスと委員長は和解せず』などは不満の槍玉に上がりがち。
大きな所だと『双葉ツカサが一切登場せずブラザーバンドが結べないまま終わってしまった事』がかなりプレイヤーの心残りとしてよく話題に上がっている。更に「転校した」の一言で片付けられてしまっている。
3の発売後にちょっとした番外編としてリメイク兼クロスオーバー作品オペレートシューティングスターが発売されてはいるのだが、「もう1作流星を作って欲しい」「ロックマンエグゼアドバンスドコレクションの流星版を出す時はDLCでもいいから追加ストーリーをくれ」とファンは燻るものがある意見が上がっている。
売上本数が21万本と少ない部類なのもあって最近では中古価格の高騰がすごい。ネットではプレミア価格で定価を超え6000円に迫る中古品が並び、中にはケースだけで数千円といった悪質な品まで出品されている程である。
予定外の6作続いた光熱斗が過度に神格化されてしまい、アニメ化や漫画化もイマイチ成功せず、重過ぎる設定のストーリー、3バージョン商法、エグゼのノウハウを活かせず荒削りな1と2など苦しい状況が続いた作品だが、近年では流星のロックマン3は隠れた名作として再評価されつつある。