それを言っちゃあお仕舞いよ
それをいっちゃあおしまいよ
「そ、そんなことないです!ボク一生懸命にやりました!」
江戸川ドラーズ一同
「ウソだウソだ!」
「無表情!」「アホダヌキ!」「田舎に帰れ!」
「やっぱりタヌキよりキツネだな!」「負けたらタヌキ汁だぞ⁉」
「たんたんタヌキのキ●タマ‼」
ポコえもん
「酷いことばかりいいやがって……」
「それにしてもたんたんタヌキはねえだろ」
「それを言っちゃあお仕舞いよ‼(➡巨大凶暴化)」
(漫画『ドラベース』より)
差別や偏見の類、暴言や放言、あるいはそれがたとえ真実だったとしてもある種のタブーでデリケートな事柄であること、そうした物事や対象に対して何の配慮も無い、デリカシーを感じない無責任な物言いへの批判のことば。
そうした物言いを「歯に衣着せぬ」と形容し場合によっては賞賛されるケースもあるが、だからといってTPOを無視すれば周囲からの顰蹙は避けられない。でも忖度に傾倒すればいいというわけでない、難しいところである。
前述のポコえもんに対する罵詈雑言も、ライバルチーム「デビルキングス」との試合で追い詰められたことで彼に覚醒状態になってもらうことで逆転を期すための苦肉の策であり、後にキャプテンのクロえもんは悪かったと謝罪している。
これを受けてポコえもんは「さあ反撃だ!みんなでドランプのやろうをブチのめしてやろうぜ!」と荒々しく応えている。
もっとも、こんな感じですぐ仲直りできるケースは現実では非常に稀。たいていの場合は「やろう、ぶっころしてやる」とか「謝罪と賠償を要求する」となってしまい、殴り合いや裁判沙汰に陥る可能性だってある。
実際、件のタヌキ型ロボットであるポコえもんの特徴をあげつらってを侮辱しまくるシーンは鬼気迫るものがあり、渦中の彼はガチ泣きしていた
「おいちゃん、それを言っちゃあお仕舞いよ!」
映画『男はつらいよ』シリーズの主人公、車寅次郎(以下「寅さん」)が作中でよく発するセリフとして一挙に有名な言い回しとなっていった。
実際は、「それを言ったらおしまいだよ」や「それを言っちゃおしまいだよ」等と言っていることの方が多かったりする。世間の寅さんイメージが強いこの言い回しのほうが定着していったようである。
……ただし、親記事を参照してもらえればわかる通り、多くの場合で寅さん自身が「言われたくないこと」、もっといえば身から出た錆に対する他者からの至極まっとうな指摘や正論への逆ギレで用いていることがかなりある。
人格者としてのイメージが強い寅さんだが、本来の性格は非常に大人げないもので、相手からのツッコミに逆上してこのセリフを叫ぶなり取っ組み合いのケンカに突入することも。
寅さん自身も、自分が直情型の性格であることは承知しているようではあり、ある時に甥の満男から「なんで勉強しなくちゃならないの?」と聞かれた際に「勉強していれば論理的に未来のことが考えられるじゃないか。勉強してない俺なんか、その時の気分やサイコロの出た目でしか判断できやしない。(大意)」と、大人の人情とも自身のコンプレックスの発露ともとれる返答をしている。