ロッチ現象
ろっちげんしょう
概要
お笑い芸人が挑戦する賞レース、主にキングオブコントの決勝戦において用いられることがある用語で、「一本目でトップ通過して優勝確実だと思われたユニットが、二本目でドスベリしてしまい優勝を逃すこと」を指す。
キングオブコントの決勝戦では、まず決勝10組による「ファーストステージ」でネタを披露。得点の高いユニットのみが勝ち上がり、そこから再度「ファイナルステージ」でネタを披露し、総合点の最も高い者が優勝者となる。
つまり、優勝するためには勝負ネタを二本披露する必要があるが、二本目がすべって思うように点が伸びなかった場合に使われる。ロッチがこのような状況になったためにこの言葉が生まれた。
M-1グランプリでは決勝戦と最終決戦では投票方法が変わるため(決勝戦は点数制で最終決戦は記名式)捲られることもあるが、キングオブコントでは変わらないため相当のことがない限り捲られることはない。本来なら…。
R-1ぐらんぷりでは2010年を除いて、2020年まで一発勝負または投票制だったためファーストラウンド1位通過という概念がなかった。
実例
キングオブコント
キングオブコント2015にて、一本目の試着室のネタでファーストステージ1位通過したが、二本目の仮病を使って休もうとするボクサーネタがスベり3位に終わってしまった。
キングオブコント2018にて、デスゲームのネタでファーストステージ1位通過するも、意識高い系大工のネタが「ただ小道具を紹介するだけのネタ」になってしまい3位に終わってしまった。
M-1グランプリ
M-1グランプリ2009にて、一本目に鳥人である審査員から100点を得て爆笑をかっさらいファーストステージ1位通過するも、二本目のチンポジで大ブレーキして0票で2位に終わってしまった。「自分達らしくしょうもないネタで優勝しよう」と思っていたと後に語っている。翌年はしょうもないネタを封印し優勝した。
そのためM-1内ではロッチ現象とは言わずこっちの方でいう人もいる。
M-1グランプリ2021にて、一本目を一位通過したものの二本目が全然ウケず錦鯉に負けた。
M-1グランプリ2022では一本目に免許返納で一位通過したものの、二本目の男女の友情が審査員に響かず3位のウエストランドに逆転負けで終わってしまう。
2023でもブラジルから来た留学生を迎えるホストファミリーのネタで一本目を一位通過するも、最終決戦で二本目の見せ算が全くウケず、同じく3位の令和ロマンに負けてしまう。
2022はネタの冒頭で噛んだからやと、2023はやりたいネタをやったからと本人達が語っている。
THE SECOND
THE SECOND2023にて、1回戦は金属バットに僅差で勝利し、続けて準決勝も284点と今大会最高得点を叩き出し、三四郎に圧勝。しかし、決勝戦では246点と今大会で最低得点を叩き出してしまい、ギャロップに敗れてしまった。もともと6分ネタ2本分くらいしか持ちネタがなかったため、残りの時間はアドリブで乗り切った。しかしこれが低評価につながってしまったようだ。ただ、マシンガンズは当大会を機にブレイクした。
THE W
THE W2023にて、一本目でボクシング体験にて二回ストレート勝ちを決めてAブロックを通過するも、二本目の靴下の裏が黒いことをイジるネタでドスベリし、0票で終了。ただこの時、音声トラブルの発生により、国民投票枠が中止したハプニングも起こった。
R-1グランプリ
R-1グランプリ2024にて、一本目は合コンの自己紹介タイムでトップ通過するも、二本目のご近所トラブルで観客がヒいてしまい、0票で終了。
(他にも情報があったらお願いします。)
余波、影響など
2015年の『ロッチ現象』が影響したらしく、それまで準決勝はネタを一本のみで審査していたのだが、2017年以降の準決勝は日程を二日間に変更し、決勝で披露予定のネタを二本とも審査することになった。
これについて、ハナコの秋山寛貴が見取り図の番組で「ロッチさんの決勝の二本目がスベったから、翌年から準決勝のルールが変わって、二本とも見ておこうと言うことになった。誰も名言はしないけど、どう考えてもそのせい」と話したことがある。(厳密には翌々年からの変更である)
また、ロッチ本人もこれについて把握しているらしく、「ルールが変わったのは自分たちのせいらしい」と自虐気味に語ることがある。