「そういうアンタは大道寺の犬に成り果てたんか! 何が伝説の龍や 笑わすな!」
「アンタはそっちのほうが本性出とる… けど… 見掛け倒しちゃうやろなぁ!」
CV・モデル:本宮泰風
概要
『龍が如く7外伝 名を消した男』に登場する八代目近江連合直参「渡瀬組」若頭補佐で、「渡瀬組の切り札」と恐れられている武闘派極道。
「獅子堂」という名前は、渡瀬組組長・渡瀬勝と盃を交わした際に貰った渡世名である。
顔には無数の傷跡があり、黒のTシャツと派手な金と黒のダウンジャケットに身を包んでいる。また、素性を隠す際には般若の面を被って行動する。身体には名前通り唐獅子の刺青が入っている。
15歳の頃、借金まみれだった父親によって金で売られ、鬼仁会会長・三代目西谷誉に監禁され同年代の人間と闘技場で殺し合いをさせられる日々を送っていたが、自身の実力に目を付けた渡瀬組若頭・鶴野裕樹に拾われ、現在の地位にまでのし上がった。
こうした経緯を持つため、チャンスと見たら命を張ることも惜しまない。
劇中の活躍
表舞台から姿を消した桐生一馬の捜索を渡瀬から依頼され、彼が浄龍として所属している大道寺一派が請け負っていた横浜港での金塊輸送護衛(これは鶴野が「某国の革命家・ミスターX」としてCIA経由の任務を装った架空の案件)を手下と共に襲撃し、取引材料として花輪喜平を拉致しようとするが失敗する。その後、伊勢佐木異人町にて鶴野が桐生に敗北し大道寺一派に車で連行されていたところを救出し、桐生との戦闘で敗北するが、花輪の拉致に成功する。
そして、桐生が大阪・蒼天堀の情報屋・赤目の紹介で、三代目西谷率いる鬼仁会が管理するコンテナ船・キャッスルを訪れた際には、花輪の居場所を教える代わりに桐生をキャッスル内の闘技場にて三連戦するよう要求する。
その後、東城会・近江連合の解散計画にて邪魔者となる西谷を嵌めるため、桐生や鶴野と共に蒼天堀にて豪遊するなど、わざと目立つ行動をとったことで、先日敗北した桐生に復讐するためキャッスルから出た西谷の隙を見計らい、キャッスルの掌握に成功する。そして鬼仁会アジトに戻った西谷を桐生と共に襲撃するが、過去に散々甚振られた恨みからか、桐生に倒された西谷をナイフで滅多刺しにしてしまう。
そして解散計画当日、出所した渡瀬と桐生に対し、突如記念撮影と称してスマホを向け、解散計画の証拠とも言える映像を撮影するという不可解な行動をとるが…
以下、ネタバレ注意
「近江の人間がこの動画見てもうたら…… 誰かてお前らブッ殺すわ」
「そんで俺は 裏切りモン暴き出した『英雄』になれる」
実は、獅子堂は最初から解散計画に反対していたことが判明。
元から奴隷に等しい身分であり成り上がることしか考えてなかった獅子堂は、渡瀬の解散宣言を極道の頂点に立つための絶好のチャンスと考えた。
そして自身と同じく解散に反対していた渡瀬の側近連中を寝返らせ、更には因縁のある西谷の死を偽装(西谷を刺す際に使用した刃物は血糊が出る玩具で、桐生が去った後部下に救出させた)することで鬼仁会まで味方に付け、桐生や渡瀬、鶴野に対してクーデターを起こす。
建設現場にて、西谷と共に桐生と激しい戦闘を繰り広げるが敗北。桐生の渾身のストレートで殴り飛ばされ、その拍子に深い穴(建造物の深基礎)へと落下する。
(直後に桐生が穴の底を確認するが、獅子堂の姿はなかった…)
その後はしばらく消息不明だったが、近江連合本部で解散宣言し、大勢の反対者達との激戦に勝利した桐生たちの元に現れ、西谷の長ドスを片手に満身創痍で再び対峙。
背水の陣に立った獅子堂は、真島吾朗と冴島大河の2人がかりでも抑えられない状態(真島のドスが掌に刺さっていても気にもしていない程)となる。
その後、近江連合本部の大広間に移動し、自身を追ってきた桐生に対し極道の頂点に立つという夢を語る。
「ここで話す言葉ひとつで 日本中の極道社会が右にも左にも動く
─────それが近江連合のドンの価値や!!」
そんな獅子堂の言葉に「そんな時代は終わった」と返す桐生に対し、
「俺らみたいなヤクザやることでしか生きていかれへん連中はここしかないんや!!」
「ここが 生きていくために必要な夢なんや!!」
「なんで俺らからヤクザの夢奪ったんや!!」
と、解散計画に手を貸しヤクザの夢を壊さんとする桐生に怒りをぶつけるが、「俺らヤクザもんの夢は、毎日必死に生きている人たち(カタギ)の夢に比べたらゴミみたいなもんだ」と一蹴される。
そして桐生に、沖縄のガキを始末すると脅迫するが、そんな虚仮威しは今更効くことはなく、桐生に最後の戦いを挑む。
「なにが伝説の極道や… 全員まとめて 首さらしたるわい!!」
死闘を繰り広げていった末、惜しくも敗北。
渡瀬「ええ勝負やったな。褒めたるわ」
倒れ伏した自身を尻目に歩き出す桐生たち。
それでも折れない執念を見せ、必死に地面を這って、立ち去る桐生たちを引き止めようとするが…
次の瞬間、突如背後から現れた大道寺一派の吉村に取り押さえられる。
吉村曰く、大道寺は極道ながら我々一派を欺いた獅子堂を評価。
これまでの動向や桐生達との戦いから彼の力量や手腕を見込んで獅子堂を一派の監視下に置き、既に捕縛した西谷諸共「エージェント」に仕立て上げるつもりでいる。
そして吉村によって意識を失い、一派の車のトランクに放り込まれ拉致されていった。
まさに渡瀬や堂島が憂いた極道の未来を暗示するかのように、権力者の犬として使われ続ける末路である。
評価
本作のラスボスであり、ファンから「相沢聖人リベンジ」と言われるように、「『5』のテーマである『夢』を追う」「極道組織本部での激闘」「成り上がりを意識したキャラクター」など様々な面でのオマージュが散らばっている。
それに加え、父親に東城会のトップになるよう担ぎ上げられて桐生と対峙することになった相沢のような唐突感や、人質を取って桐生と戦い、不利になるや否や命乞いをしたり人質の射殺を命令する『6』の巌見恒雄のような小物感といった描写が少なく、十分に桐生のラスボスとして足り得ており、納得できる人選とユーザーからは評価された。
最終的に桐生の敵になったが、劇中で鬼仁会を潰す桐生の作戦に付き合い、共に楽しく豪遊した仲間でもあったため、複雑な思いを抱くファンも少なくない。
そして久々の極道ラスボスであることに加え、桐生の豪遊で一緒にいた部下たちにもご馳走する良き上司としての一面や、死と隣り合わせの壮絶な過去など、錦山彰や郷田龍司、峯義孝といった過去作のラスボスと比べても勝るとも劣らないくらい魅力のあるキャラクター性となっている。