概要
和名 | ナミアメンボ |
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学名 | Aquarius paludum paludum |
分類 | 半翅目(カメムシ目) カメムシ亜目(異翅亜目) アメンボ下目 アメンボ上科 アメンボ科 アメンボ亜科 アメンボ族 アメンボ属 アメンボ種 ナミアメンボ亜種 |
体長 | 1.1~1.6cm |
分布域 | 日本(北海道、本州、四国、九州、対馬、中之島以北の南西諸島)、台湾、朝鮮半島、中国、ロシア極東部、ラオス?、ベトナム?、カザフスタン?、イラン?、シリア?、ヨーロッパ? |
日本全国に広く見られるアメンボの一種。
ただ単にアメンボと言うと、専ら本種を差す。
最も身近なアメンボの一種で、川や池、水田、プール、水溜まりなど、ありとあらゆる淡水域で見られる。
掴むと焦げた飴のような甘い匂いをだすが、刺すこともあるので取り扱いには注意しよう。
生態
止水・流水問わず、開けた淡水域なら本当に何処にでもいる。
餌は水面に落ちた昆虫や弱って浮いた魚など、水死体に集まることもある。
水田や水溜まりなどの不安定な水域では水質悪化や干上がるなどして環境が悪くなるとすぐさま飛翔して新たな水域に移動する。
湖や大きな池、大河川などの安定した水域では飛んで移動する必要が無くなる為、翅が短く飛べない短翅型が現れる。
年に3~5回世代交代し、繁殖期にはオスを背に背負ったメスがよく見られる。
メスは水生植物の茎や水中の岩などに産卵し、時には1m以上の深さまで潜水することもある。
陸上の石や朽木、枯葉などの下で冬を越す。
天敵は水鳥やカエル、魚、他の水生昆虫(ミズカマキリやマツモムシなど)、水辺に棲む蜘蛛(ハシリグモ、コモリグモ、ナルコグモ)など。
卵時代の最大の敵は卵に寄生する寄生バチのアメンボタマゴクロバチである。
別亜種及び地域集団
アマミアメンボ
見た目や生態はナミアメンボとそこまで変わりはないが、ナミアメンボよりほんの少しだけ体が大きく、止水域を好み、卵の乾燥耐性がナミアメンボより高いことが知られる。
ナガサキアメンボ
2018年に新種記載されたが、その後2023年にナミアメンボのシノニム(同物異名)とされ、種からナミアメンボの地域個体群に格下げされた。
長崎県固有の特殊な地域集団で、他地域のナミアメンボと異なり、川の河口や波の静かな内湾の入江などの汽水~海水域に生息する。
海産アメンボのウミアメンボ、シオアメンボ、ケシウミアメンボと同所的に見られる。
卵の孵化と幼虫の初期成長には5~15%の塩分が必須。
卵は海中の基質に産み付けられる。
年3化で、成虫越冬する。