瀬戸内海放送
せとないかいほうそう
概要
1967年11月に新日本放送(毎日放送の前身の新日本放送とは別)として設立し、1968年2月に瀬戸内海放送に社名変更され、1969年4月1日に開局した。第2局としては珍しく、開局当初からNET系列単独ネット局であった(開局と同時期に存在していたNET系列フルネット局は、同局とNET、北海道テレビ放送、毎日放送、九州朝日放送のみであった)。
当初は香川県域のみの放送であった(岡山県域でのNET系列局はフジテレビ系列とクロスネットの岡山放送)が、1979年4月に岡山県と香川県のテレビジョン放送の相互乗り入れにより、当局は岡山でも放送できるようになる。また、フジテレビ系列および(NET改め)テレビ朝日系列のクロスネットだった岡山放送もフジテレビ系列単独局に移行された。
ちなみに「瀬戸内海放送」の名前は、元々は広島ホームテレビの設立時の名称であった。
MBSがNET系列だったこともあってか、MBSや毎日新聞との関係が深く、MBS・ABCのネットチェンジでも、MBS・毎日新聞の資本はそのまま残っており、現在も毎日新聞のCMが必ず放送されている(全国のテレビ朝日系列局ではこの局だけ)。朝日新聞のCMは下記の株主の関係により、「ドラえもん」など全国ネットのスポンサー番組以外は全く流れない。なお、2021年時点では朝日新聞社やテレビ朝日ホールディングスも上位株主に入っている。
現在の筆頭株主である大洋商事は、香川県高松市にあるホテル業などを行っている企業(大阪にある重鉄鋼業の同名の会社ではない)。かつては筆頭株主が加藤汽船だったので、系列のジャンボフェリーや宇高国道フェリーのCMがよく流れていた。2021年現在、加藤海運グループ創業者の孫・加藤宏一郎がKSBの社長であり、その親族の一人もKSBの会長にして主要株主である。要するに加藤海運グループ創業者一族による同族経営である(全国のテレビ朝日系列局はKSBだけである。おそらく大洋商事も加藤海運傘下系列だと思われる)。
KSBの【K】は加藤(上記の加藤海運グループのこと)のKと地元では揶揄されることがある(むろん本来は株式会社を意味する「K.K」のK)。当時の「ニュースステーション」で、久米宏氏がKSBの記者に、KSBの【K】は何ですか?の質問に、KSBの記者が即答できなかったという逸話がある。
グループ企業にFM香川、キャストKSBパートナーズなどがある。特に前者はKSBによって経営支配している状況である。
1986年から2016年までの毎年12月中旬に行われた「高松冬のまつり」に主管として全面的に参加していた。大晦日近くになると1時間のドキュメント番組が組まれ、また開幕前夜からは夕方のニュースでも生中継された。
2020年4月からは局ロゴを刷新した(2004年以来16年ぶり3代目のデザイン)ほか、2021年1月18日には高松本社を移転している(ちなみに、この移転により放送局から送出される受像機表示アイコンや時刻出しのカスタムフォントもマイナーチェンジされ、いずれも緑色基調としていた縁が消えている)。
また当時KSB記者である山下洋平氏が香川県高松市にある特別老人ホームで起きた福祉と利権の構造の取材を取り上げ注目され、その後2006年3月3日に高知県高知市(旧春野町)で起きた交差点に止まってたスクールバスに白バイが激突する高知白バイ衝突死(通称高知白バイ事件)事故を取り上げ、高知県はテレ朝系列がない為KSBとして取材、その後テレ朝や週刊誌でも報道され全国的に注目された冤罪事件を注目させた立役者でもある。
局マスコット
2004年から「スパーキー」を導入。キャラクターデザインは西塚"Duka"克之で、高取ヒデアキが歌う「スパーキーのうた」なるテーマソングも存在する。
初代声優にはモーリー・ロバートソンが起用されていた(長らくこの事が表にならなかったのか、彼がゲスト出演した「ヒルペコ」で初めて知った視聴者も少なくなかった)。なお、現在は別の女性キャスト(詳細不明)が担当している。
これ以前にも「ステヨウザウルス(環境問題啓発キャンペーン用のキャラ)」「ムニュ(スパーキー以前の局マスコット)」が存在した。
番組構成
資本関係やスポンサーセールス・放映予算等の関係か、テレビ朝日系列のややマニアックな番組がネットされなかったり、早期に打ち切られたりする傾向がある。
- 「世界の車窓から」は、当初は23:10頃にネットされていたが、ローカルニュース「KSBニュースView」放送により打ち切り。中四国エリア4局で唯一未ネット局になった。
- 平日10:25に放送される情報番組「ワイド!スクランブル」は、放送開始当初はフルネットだったが、度重なる番組編成により午後からの飛び乗り放送になっている。2017年3月までは10:30から「暴れん坊将軍」の再放送(時代劇再放送枠)、11:28からは「にこまるワイド」(ローカル情報番組枠)の編成で長らく午後のみ飛び乗りネットのままだったが、2017年4月より第一部の放送も行うことになり、フルネットに復帰した。なお、2016年3月まで日曜正午に放送していた姉妹番組の「サンデースクランブル」も一時期ネットされていたが早々に打ち切りになった。
- テレビ朝日の土曜朝の情報番組「週刊ニュースリーダー」をネットしている数少ない局である(他方の系列局はドラマ、アニメ再放送枠かローカル情報番組のどちらか)。
- 近畿地方と隣接していることもあって、ABCテレビの番組を放送される傾向が多い。ABCテレビの深夜バラエティ枠「ナイトinナイト」は時差ネットではあるが枠内の4つ全ての番組がネットされている(全国のテレビ朝日系列では当局のみである)。
- 平日深夜23時台の番組(ネオバラエティ)は同時ネットであるが、深夜24時台の番組(ネオネオバラエティ)は遅れネットで放送している(一部3か月~半年遅れの番組もある)。2017年4月中旬より、水曜深夜24時台の時間にローカル番組を放送されることになり、水曜深夜24時台のネオネオバラエティ(遅れネット)枠は事実上廃枠になった。このため、優遇されている上記のナイトinナイト枠とはちがい、こちらは枠内の番組が全てネットされていない。
- 「お願い!ランキング」(深夜放送版)も金曜版を放送していたが、2013年4月の番組編成で終了。再び未ネット局になった。金曜25時20分の情報番組(「GO!オスカル」「オスカルはなきんリサーチ」など)は引き続き同時ネットで放送していたが、2016年7月からは、第一週金曜日限定でローカル枠を設けたことで、遅れネットになった。現在放送中の「オスカルはなきんリサーチ」は、当局では2017年3月24日放送(関東では2017年2月17日放送分)をもって放送打ち切り。現在のこの時間はタモリ倶楽部(下記参照)に切り替わった(以前はローカル番組「にこまるカフェ」を放送していた)。
- 再放送枠は刑事ドラマ、サスペンスドラマの再放送で占められ、平日土日ほぼ毎日放送。バラエティ番組再放送枠もABCテレビ制作の番組のみとなっている。
- 金曜深夜に放送されている「タモリ倶楽部」は、当初は同時ネットだったが、1994年4月頃に「探偵!ナイトスクープ」が23:20に同時ネットされてからは、遅れネットになった。放送時間を転々としながら2020年現在は土曜深夜に放送。
- 金曜日の深夜に、ローカルバラエティ番組(「ばちこい」「ポイチョ!」など)を放送していたことがある。また、深夜番組「トゥナイト」が放送されていた時期に、木曜日の深夜に限りローカル番組に差し替えていた。
- 「ビートたけしのTVタックル」の放送日時が2016年春の改編で月曜深夜から日曜正午に変更になった際に遅れネットの措置を講じず、番組のネットを一時的に打ち切った。
- そもそも(系列外のネット局ならまだしも)、この時点の改編では「今までの慣例からすれば、時差ネットの可能性がもっとも高い」と噂されていたABCテレビ(長年「日曜笑劇場」等の番組をローカル編成しており、月曜深夜の際も時差ネットで放送していた)ですら同時ネットに切り替えたため、純然たる系列局であるKSBのみが「系列局でありながら唯一打ち切ったネット局」との烙印を押される形となったが、2度の単発放送を経て、2016年夏の小改編で遅れネットながら放送を再開。2017年10月1日までは日曜16:30に放送していたが、2017年10月8日から正午からの同時ネットに移行した。
- 2017年10月から放送されている報道番組「サンデーLIVE!!」(テレ朝・ABCテレビ・メ~テレ共同製作。毎週日曜5:50-8:30)に関しては、KSBでは5:50より「テレメンタリー」を放送していたため、6:20からの飛び乗り放送になっていたが、2018年4月8日からはフルネットとなっている。
- テレビ朝日制作のTV番組の番宣CMに必ず【KSB5CH】マークが表示される。2014年はKSB開局45周年を迎えたため開局45周年マークに切り替わった。ただし、自社製作番組(下記参照)とABCテレビ製作のTV番組(「劇的ビフォーアフター」「みんなの家庭の医学」「トリニクって何の肉!?」「ポツンと一軒家」など)の番宣CMには【KSB5CH】マークは表示されない。
- 朝の番組の時刻の隣に表示される気象情報は、香川(高松、観音寺、丸亀など)・岡山(倉敷、津山、美作、笠岡など)両県のエリアのみ表示。広島、鳥取、兵庫など隣県および大阪、東京の天気は一切表示しない。また、「KSBスーパーJチャンネル」などローカルニュースでの天気予報のコーナーや、気象情報番組「お天気レーダー」でも香川・岡山両県のエリア天気のみ。隣県・全国の天気は一切行わない(岡山・香川の民放5局ではこの局だけ)。
- 平日朝の情報番組「グッド!モーニング」を、6時前のミニコーナー「見出しまとめ」以外の全てのコーナーを、2016年10月から2018年9月まで放送していた(2018年10月以降は5時25分飛び乗り)。
アニメ事情
基本的にはテレビ朝日の全国ネット枠しか放送していないが、2017年10月からは期間限定ながら火曜深夜にアニメ枠を設定していた。
ローカルネットのアニメや深夜アニメ全般に関しては、以下の通り。
- 「機動戦士Vガンダム」はネットされていたが、後枠の「機動武闘伝Gガンダム」は予告はあったものの、翌週は東映特撮ドラマ「特捜ロボジャンパーソン」(再放送)に差し替えられ、以降アナザーガンダム初期3部作は、ANN系列では唯一未ネット局になっている。
- 土曜夕方に放送されていた「勇者シリーズ」も、「高校野球岡山・香川大会ハイライト」などのローカル番組の編成で休止し、休止した話の振替放送は一切行わなかった。
- 朝6:30のアニメ枠は、「デジモンクロスウォーズ」からネット開始され「祝(ハピ☆ラキ)ビックリマン」「ガイキング」以前の番組はネットされていなかった。また、全国枠からローカル枠に切り替わったアニメ作品(「あたしンち」「ボボボーボ・ボーボボ」など)も当局では早々に打ち切りになっている。
- 「秘密結社鷹の爪」シリーズも当局では未ネットで、後年、テレビ東京系列のテレビせとうちで放送された。もっとも、該当作品は、テレビ朝日系列でも、テレビ朝日、朝日放送、東日本放送でしか放送されていない。
- 全国ネット枠以外の深夜アニメの放送は「頭文字D」、「らき☆すた」、「結城友奈は勇者である」シリーズ2作、「勝負師伝説哲也」、「タイガーマスクW」の6作品しか放送実績がない。
- 「哲也」に関しては、土曜18:30の全国ネットで予定されていたものの表現内容から深夜のローカルセールスとなったために多くの系列局が放送しなかった中で、あえて放送した。「らき☆すた」はテレビせとうち以外の在香川・岡山民放で初めて放送された独立局作品である。さらにMBSが製作を担当した「結城友奈」シリーズに至っては香川県が舞台である作品であるうえ、映画版が香川県内のシネコン1館で上映されたが故の放送である(映画版が実は第1シリーズのプレエピソードにあたるため)。
KSBオリジナル番組(2021年現在)
- News Park KSB(平日18:15 - 19:00)
- 実質的な前座番組として16:35-16:40に「きょうのNews Park KSB」も別途放送(形式上は別番組へと再編されたが、編成の実態としては「KSBスーパーJチャンネル」最末期に近い)し、同番組が開始された2021年1月下旬以降は「スーパーJチャンネル」は単独番組として放送される。
- 報・動・力(毎月第3土曜 9:30-10:25、再放送:翌週火曜1:55-2:50(月曜深夜))
- にこまるカフェ(毎週土曜10:50-11:25、再放送:日曜1:30-1:55(土曜深夜))
- にこまるinfo(平日15:44-15:52)
- ヒルペコ(毎週水曜24:20~24:50、再放送:土曜13:26~13:56。再放送は、番組編成で放送時間が変わる)
- 自由人、会社人〜トップの横顔〜(毎週土曜 17:55-18:00)
- with 盲導犬(毎週日曜16:26-16:30)
- キテマス!BONSAI(不定期土曜9:30-10:25 通常は「KSBスーパーJチャンネル」の特集コーナーで放送。)
ほか。