九州朝日放送
きゅうしゅうあさひほうそう
福岡県を放送対象地域とするテレビ・中波ラジオ局。テレビはテレビ朝日系列(ANN)、ラジオはニッポン放送・文化放送をキー局とするNRN系列に属する。
略称はKBC(Kyushu Asahi Broadcasting Co., Ltd.)の頭文字。
マスコットキャラクターはきょろぱく。
放送局概略(ラジオ)
系列 | NRN |
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愛称 | KBCラジオ |
コールサイン | JOIF |
親局 | 福岡1413KHz/50kw |
中継局 | 北九州JOIL 720KHz/1kw・大牟田JOIM 1485KHz/100w |
国内のラジオ局で唯一1413KHzを使う局であるため夜間の電離層反射を利用することで全国各地で聴取できるようになるが、NHK岡山第2放送及び金沢第2放送(1386kHz)、 静岡放送(1404kHz)、RFラジオ日本(1422kHz)、和歌山放送(1431kHz)、STVラジオ(1440kHz) などと混信することがある。なお日本から遠く離れたロシア中央部のエカテリンブルクで受信されたという記録もある。
放送局概略(テレビ)
ニュース系列 | ANN |
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番組供給系列 | テレビ朝日ネットワーク |
コールサイン | JOIF-DTV |
リモコンキーID | 1 |
親局 | 福岡31ch(福岡タワー) |
アナログ親局 | 福岡1ch |
民放テレビ局が1局のみの佐賀県でも広く視聴されており、佐賀県でのANNの取材も当局が担当している。長崎文化放送が開局するまでは長崎県での、山口朝日放送が開局するまでは(1978年10月以降は山口放送と共に)山口県(ただし、現在の市町村区割りでの岩国市、柳井市、上関町、周防大島町除く)での、それぞれのANNの取材も行っていた。
さらにドイツ・ベルリンに(テレビ朝日のニュース取材用の)支局を設けていたが廃止された。ただしテレビ朝日ソウル支局と朝日放送パリ支局に記者を送り込んでいる。
1951年に久留米市を拠点とする西日本放送(香川県高松市に本社を置く西日本放送とは無関係)が設立し、コールサインとしてJOGRが付与されたが、開局準備が間に合わず、1952年1月に予備免許が失効した。
1953年、西日本放送が久留米市にラジオ放送局の免許を申請。8月には朝日新聞や朝日放送からの支援が決まったことを受け、9月2日に九州朝日放送に社名変更を申請。同年9月4日に予備免許、12月25日には本免許が交付され、1954年1月1日に全国32番目、福岡2番目の民放として産声を上げた。1956年に本社を久留米市から福岡市へ移転。
1959年3月1日にテレビ放送を開始。同日に開局したフジテレビ、すでに開局していた日本教育テレビ(NETテレビ、現在のテレビ朝日)とネットワーク関係を結んだ。
ニュース番組については朝日新聞社との関係もあってNETニュースのみ放送し、朝日テレビニュース社の制作である「NETニュース 朝日新聞制作」「KBCニュース」として放送した。NETテレビからは学校放送もネットしていたが、1961年に内容改善を巡ってNETテレビと対立してネットを打ち切り、学校放送はRKB毎日放送に移行した。一般番組については打ち切られることはなく、フジテレビ7:NET3の比率で編成していた。
フジテレビもニュースのネットを再三申し入れ、1本のみニュースネットが通ったが、朝日新聞との関係でこれ以上の枠増加は見込めなかった。フジテレビは、日本テレビとの関係が悪化したテレビ西日本と接触。TNCがフジテレビ系列ネットチェンジすることが決まったことにより、フジテレビは1964年、KBCに対しネット打ち切りを通告。
窮地に陥ったKBCの比佐友香社長はは朝日新聞社の広岡知男取締役に支援を要請。この時KBC内部では日本テレビ系列とNET系列のクロスネット局にするか、NETテレビマストバイになるかで議論がなされていたが、広岡は比佐にNETマストバイになってもらうよう勧めた。渋る比佐に広岡は「KBCの業績がNETマストバイ化で低下した場合は、キー局であるNETに営業保証を行わせ、それでもKBCの業績が悪化した場合は朝日新聞社が責任を取る」と約束した。これにより1964年10月より学校放送を除く全てのNET系番組がKBCにて放送されるようになった。
ローカルバラエティ番組がとても充実しており、特に出演者が無駄に豪華なものが目立つ。主なものに関しては後述。
また、2005年には深夜アニメに新規参入、2006年からはUHFアニメにも参入したが、放送された作品数はテレビ朝日が事実上のアニメコンプレックス枠を設定するまではほかの在福民放局より少なかった。ただしUHFアニメに関しては2023年3月末時点で11作品(うち放送時間5分程度のミニアニメ2作品)放送した実績はある。その一方で短編アニメの「怪盗レーニャ」、「暗闇三太」(メインイラスト参照)、「こわぼん」、「博多明太!ぴりからこちゃん」と言ったミニアニメの制作を行ったことがある。
自社製作テレビ番組
- ど素人天狗ショー→ハレハレ555
- アサデス。KBC
- アサデス。九州・山口→アサデス7
- ドォーモ
- 1989年10月から九州・山口ブロックのテレビ朝日系列局(ただし一部系列局除く)にて放送されていた深夜のバラエティ番組。地域密着型であることと取り上げる内容が幅広いことが特徴。内容はくだらないものが多いが、時々深刻な問題を真面目に取り上げる。番組では方言が多く飛ぶことも特徴で、福岡で人気を誇っていたが、それ以外の地域では「福岡一極集中」と叩かれることもあり、実際長崎文化放送と山口朝日放送が放送を拒否した時期があった。
- 女性リポーター・山本かよ(現・山本華世)の妊娠から出産までを取り上げた「妊娠日記」が話題と反響を呼んだ。
- 晩年は「ロンプク☆淳」などの企画もののみで進行する番組に変質してしまう一方、「ロンプク☆淳」に限り、2009年3月限りでネットをやめてしまっていた山口朝日放送のネットが復活した(が、本来は月曜深夜の企画なのだが土曜深夜に放送日時差し替え)。
- 2021年3月25日放送分を持って、32年の歴史に終止符が打たれた。
- 前川清の笑顔まんてんタビ好キ
- 走れ!山笠
- 毎年7月15日に行われる福岡の夏の風物詩・博多祇園山笠の追い山の生中継を主体に4時(かつては3時55分)から行う特別番組。
- 1960年から福岡のテレビ局でいち早く追い山の放送を開始。以降半世紀にわたり関連番組を含めて放送している。1979年に生中継に移行した。
- 九州・山口ブロックのテレビ朝日系列局でも4時30分から放送(2017年は系列局での放送なし)。BS朝日でも放送されることがある。過去にはテレビ朝日、メ〜テレ、ABCテレビ、tvkなどでも放送されたことがある。
- KBCが博多座の広報番組を制作・放送している関係で、博多座で7月公演を行う俳優や女優の中にはKBCを通して「追い山を生で見たい」というケースがある。また2009年には50回を記念して福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治が、2023年には福岡で開催されていた世界水泳の中継の絡みで松岡修造が、それぞれゲスト出演。
番組の自社制作比率が7割近くを占めており、他局にもネットされている番組もある。番組その一方で、ネット番組比率が3割弱ほどと低く、キー局である文化放送、ニッポン放送からのネット番組をネットしていないケースが多いが、かつてフジテレビの系列局であったためか、それでもニッポン放送からのネットのほうが多い。