加茂憲紀
かものりとし
「私は 負けるわけにはいかないのだ!!」
プロフィール
人物
冷静沈着で、長い黒髪を持つ糸目の男。和服を着ている。
表向きは加茂家の嫡男だが、実際は側室の息子で、正室が加茂家相伝の術式を継いだ男児を産めなかったため、術式を継いでいた彼が嫡男として本家に迎えいれられた。
母親は加茂家内では「爛れた側妻」として虐げられ、幼い頃に家を追われている。そのような辛い身の上ながら、最後まで己を案じ続けてくれた母親への想いは強く、その想いが加茂家の次期当主としての自覚と責任感に繋がっている。
呪術界を牽引する御三家嫡流としての矜持の高さから、厳粛なる秩序を重んじる。そのため礼儀正しく落ち着いた振る舞いをする一方で、非情な判断も厭わない。リーダーシップにも富み、姉妹校交流会では個性派揃いの京都校メンバー全体の指揮を執った。
さらには優れた戦術眼と呪術戦の知識を持ち、仲間へのアドバイスも的確である。
その一方で、非常に杓子定規かつ天然気味である。伏黒恵のことを「宗家よりよほど出来がいい」と宗家の人間の前で口にしてしまったり、高田ちゃんの番組を見るために退室しようとした東堂葵に「録画すればいいだろう」と真顔で諭したりしている。
伏黒に対しては同じ傍流の立場故、仲間意識を抱いている。が、伏黒から「違います」と否定されてしまい「違くない」と反論している。
死滅回游が始まる前後に加茂家に新しい次期当主候補が出てきたため放逐されてしまい、現在は前髪を切り落として禪院真希と共に桜島結界の攻略をしている。
当主の座を失ったこと、母親が新たな居場所を築いていること(ただし、憲紀にも呪術界を見切って自分と一緒に暮らして欲しいと思い憲紀の為に母自ら居場所を作り憲紀を待っている模様)から生きる目的を見失い死滅回游で呪霊になった禪院直哉を自爆覚悟で祓おうとするなど半ば自暴自棄を見せるが、同じく母親とのすれ違い最終的に対話しないまま母を手に掛けた真希から「一度キチンと親と話し合え。死ぬのはそれからだ。」と諭される。
直哉とは面識があったらしいが、あんまり良い印象を抱いていなかった模様。当然か。
ちなみに、父親とも仲が悪かったらしく「■■■(塗りつぶされている)ジジイ嫌いだった」とコメントしている。
宿儺との決戦時は家族(母と義理の父と異父兄弟)と日本を脱出し海外で生きる決意を固め、皆に宣言している。(日下部には「公開処刑じゃないんだから無理に言わなくていい」と宥められた)
術式
赤血操術(せっけつそうじゅつ)
加茂家相伝の術式。自分の血液と血液がついた物を自在に操れる。血液パックの血液も有効。近・中・遠全てに対応できるバランス力を有した術式。
同じ赤血操術の使用者である脹相の血液に猛毒としての作用があると明かされた際は下位互換と思われたが、赤血操術者の血は呪霊に対して有毒であると判明した。
技
- 赤鱗躍動(せきりんやくどう)
自身の体内の血液を操作することで、身体能力を爆発的に向上させるドーピング技。
赤血操術では血流は勿論のこと、体温・脈拍・血中成分まで操作する事ができ、身体能力の向上以外にも低温に対する耐性や外傷の止血などといった恩恵も術者にもたらす。
- 赤縛(せきばく)
血液パック中の血液を使用し、縄状に編み上げ相手を拘束する。
- 苅祓(かりばらい)
血液パック1つ分の血液を手裏剣状にして相手に投げつける。
- 百歛(びゃくれん)
血液を加圧して限界まで圧縮する。
- 穿血(せんけつ)
「百歛」で圧縮した血液を両手で挟み、矢のようにして飛ばす奥義。
その威力は前述の「苅祓」を大きく凌ぐ。
余談(一部本誌ネタバレ注意)
名前の読みが御三家の汚点こと加茂憲倫と全く同じである。
当初は「側室の子」だと分かるよう嫌がらせとしてつけられたと推測されていたが、後に「あんな家早く捨てて自分のところに帰ってきてほしい」という、加茂家への意趣返しと息子への想いを込めて、母親が意図的につけた名だったことが判明した。
しかも、その加茂憲倫の血を分け与えられた呪霊と混血の息子、脹相が登場。
作中で語られていないが関係性を見ると、脹相との繋がりで悠仁や呪胎九相図とは義理の遠縁関係となる。
「この命を燃やす」というセリフとともに自爆覚悟で呪霊になった直哉に挑む憲紀の姿に、CV繋がりも相まって『鬼滅の刃』に登場する煉獄杏寿郎の壮絶な最期を連想して彼の安否を心配する読者が続出していた。
最新話244話で久しぶりの登場を果たした際に遠縁である虎杖と脹相と並んで座っており、虎杖は両者から加茂家相伝の術式である赤血操術を教わっていた。そして、虎杖曰く脹相は教えるのが下手なので憲紀に色々と教えてもらえて助かったという情報が開示された。