陣内「知っとるわボケぇえええ!! 生きる価値の無い腐れ外道やろがぁああ!!」
「流川君、今日はここで二宮に地獄を見せる」
流川「はい! 狩られる側の恐怖、味わわせましょう!」
「どうやら先客がいるようだな」
陣内「アンタは噂の拷問師さんやな。うちの戸狩から話は聞いてんで。俺は天王寺組の幹部、陣内賢斗や」
「予想通り飛び出したな……」
「次は左腕だ」
「何時間でも待つ。集中力は切らさない」
流川「ぐぉ……(三日間完徹だ……)」
陣内「(ゴツいな……全然寝ぇへんやんけ)」
「テメェの罪がその程度で償えるワケねぇだろ」
「死ぬには早ぇぞクソ野郎。クソがクソに塗れても問題ねぇだろうが」
「逃げろよ。メインディッシュは逃げた方が美味くなるんだろうが」
「これは俺の究極で、至高の趣味だ。より高める為に可能な限り生きてくれ」
標的
姉妹愛を壊すことを性癖とする異常性癖からグランピングに多数の姉妹を招きだし、多数の仲間と共にボウガンで狩りまくっていたグランピング企業社長「二宮」に執行。
ハンティング仲間と護衛は、二宮の行いにブチギレていた天王寺組の陣内賢斗が、シマ荒らしの粛清も兼ねて全員惨殺した。
概要
以前伊集院が行った汚物付きの矢と同様に、人糞などの汚物が塗りたくられた矢で罪人を甚振るように射抜いていくと言うもの。
今回は弓矢ではなく、罪人がマンハントで使っていたボウガンを用いて矢を放ち、罪人に狩られる恐怖を徹底的に味わわせた。
そんな状態で岩陰から出る事も休む事すら許さず、出れば即糞矢を打ち込み傷を増やしていく責め苦を、24時間監視体制で何日でも続けていく。
過程
とある外道をスカフィズムで始末し終えた帰り、伊集院と流川は崖上から転がり落ちてきた今回の依頼人である美奈氏と遭遇した。二人は美奈氏を氷室の病院へ担ぎ込み、一命を取り留めさせる事に成功。彼女から憎悪を託される。
全ての禍根を断つ為、伊集院と流川は二宮とその取引相手が会合をしているグランピング会場へと潜入するが、そこは既に血の海だった。
この惨状を生み出した張本人である天王寺組の陣内賢斗と遭遇した伊集院達は彼と交渉。交渉は成立し、伊集院達が二宮を、それ以外は陣内が屠る事になった。その後、護衛とハンティング仲間は怒り心頭の陣内が全員惨殺。それを見て怖気付き我先にと逃亡した二宮は伊集院から「尋問をする価値もない」とみなされ特殊改造ボーガンで汚物付きの矢を射たれた。
岩陰に隠れるも、飲み水や睡眠などの生理的欲求を求めて少しでも岩陰から出れば射抜かれる為(結局数回生理的欲求に負けて岩陰から何度か這い出かけて、その度に狙撃されている)、飲まず食わずで動けない事を余儀なくされた二宮は、時間がたつと破傷風や感染症、さらには自ら漏らした糞尿も加わり苦しみ続けた。
それでも浅ましいまでの生命力で三日間生き抜くが、皮肉にもそれが地獄の苦しみを長引かせる事となり、四日目で限界がきて岩陰から這いずり出ながら伊集院に命乞いしたが、伊集院は一切容赦せず奴の両膝をボウガンで破壊。
そのまま二宮に近付き、「(テメェの言う通り)メインディッシュは逃げた方が美味くなるんだろうが」「俺の至高の趣味を高める為に出来るだけ長く生きろ」と言い放った。
その後、二宮は3時間毎に1本ずつ糞矢をぶち込まれ、更に四日経った八日目に狂い死んだ。
今回の登場人物
- 二宮(にのみや)
今回の断罪対象。レジャー関係企業の社長。姉妹の絆を見る事やそれが崩壊する事に興奮するという変態であり、自社が主催するグランピングに姉妹を参加させ、彼女らを狩りの対象にしている。榊姉妹を追い詰め、玲奈を殺害するが、美奈に逃げられた。
最期は伊集院から汚物付きの矢を限界まで叩き込まれ、恐怖と痛みに苦しみ抜いて息絶えた。
- 富豪達
二宮と取引している富豪達。二宮の主催する狩りに参加して姉妹達を殺害している。
最終的には黒服達と共に陣内に八つ裂きにされた。
- 黒服
二宮と富豪達が雇っている護衛集団。全員拳銃を違法に所持している。
金に物を言わせて一流の猛者を揃えていたが、天王寺組の最強戦力の一角である陣内が相手では雑魚の群れに過ぎず、反撃すら出来ぬまま陣内一人によって皆殺しにされた。
- 榊美奈(さかき みな)
今回の依頼人。東京の大学に通う女子大生。大阪出身。幼い頃に両親を亡くし、姉・玲奈と共に児童養護施設に引き取られた。
東京の大学に受かり、東京に上京。姉に誘われてグランピングに参加するが、二宮達の狩りの対象にされる。左腕や脇腹を射たれるも、姉の捨て身の行動で何とか脱出し、斜面から落ちてきた所を伊集院に助けられ、闇医者・氷室の治療で一命を取り留めた。伊集院に話した後、姉の敵討ちを依頼した。幼少の頃、姉から貰った手編みのマフラーを大学生になっても大切に身に付けており、繊維関係の研究をする夢を持ったり、左腕の止血に使ったり(氷室曰く「左腕の止血がなかったら、死んでいた」との事)と、美奈の人生を助ける鍵となっている。
- 榊玲奈(さかき れいな)
今回の被害者。美奈の姉。両親の死後、美奈と共に児童養護施設に引き取られた。
マフラーを欲しがる美奈の為に手編みのマフラーをプレゼントした。18歳になってからホステスとしてバーで働き、美奈を大学に行かせる為に稼いだ。店にやって来た二宮に勧められ、美奈ともにグランピングに参加するが、二宮達の狩りの対象にされる。二宮に矢を射たれ、両目を斬り潰されるも、最後の力を振り絞って二宮を妨害し、美奈を外に逃がす事に成功するがそのまま息絶えた。
今回のゲストキャラ。天王寺組の構成員で以前伊集院が邂逅した戸狩玄弥の兄貴分。玲奈の働いている店は天王寺組のシマであり、妹の為に働く玲奈に感動して指名するたびにお金をあげていた。天王寺組のシマの女性達を漁って殺害した二宮の粛清の為に大阪から上京しグランピング会場に乗り込み、黒服達を殺害した。出会った伊集院から美奈が無事だと聞いて涙を流し、「玲奈を失った美奈の言葉を無碍に出来ない」「二宮の粛清を伊集院に任せ、自分は狩りに関わった富豪達を始末する」と、伊集院に協力し、富豪達を全員殺害した。
伊集院が二宮に拷問をかけている際も何故かその場におり、3日以上も徹夜でその光景を眺めていた。依頼が完了してから1ヶ月後に再上京し伊集院と再会。美奈を見て「全財産あげようかな」と呟いていた。
天王寺組の組長。二宮が警察に鼻薬を嗅がせていることや自分たちのシマで女を騙しては姉妹狩りのターゲットにしていたことを調べたうえで、陣内にシマ荒らしとして二宮たちの粛清を命じた。なお、その際にドスの効いた声と表情をだしている。
罪人のモデル
人間狩りとして17名もの女性を殺害したアメリカの殺人犯「ロバート・ハンセン」と思われる。
尚、過去回の外道のモデルともされているが、今回は女性をターゲットとしているなど更に当人にケースが酷似している。
余談
冒頭が野外から入る回は何度かあったものの、野外拷問(1話で行ったスカフィズムと酷似した内容だが、期間は6日と短い別物)の帰りから入るというものだったのは初。
また粛清対象を持ち帰らず、道具持参のもと捕縛現場でそのまま刑を実行するのも珍しい。
なお、普段は伊集院が外道を粛清する際は悔恨の念を聞くのがお約束なのだが、外道の行動のみを見て反省の余地なしと見做すのはこれで3度目である。
また羽王戦争では三國の直属の護衛ということもあってあまり深く描かれなかった陣内だったが、身寄りがない女性には全財産ふってでも援助したいというほど懐が深い性格であることが判明した。さらに伊集院の拷問に立ち会ったのは和中蒼一郎・小林幸真に次いで三人目である。
今回は三國も登場したため(神城組と五条組は別にして)バグ大界隈の主要極道組織における現在の組長クラスで伊集院シリーズ未登場なのは獅子王組の眉済俊之だけになった。また、2024年3月13日の動画で三國と陣内が上京し天羽組事務所で天羽桂司や野田一に対して羽王戦争の件で詫びを入れていたことが判明したが、おそらくこの時期であろうと思われる。
今回、伊集院の狂気の凄まじさが明らかになったが、それは大規模武闘派組織の幹部構成員ですら、戦慄を禁じ得ないという恐るべきものだった。
睡眠妨害とは古今東西で行われている拷問の一つであり、ターゲットを常時監視する都合上、伊集院自身も拷問されたような羽目になった。
この様に伊集院にもダメージが生じた拷問は断腸草回から通算三度目である。
ボウガンを手にしていたのは彼だけだったため、今回の流川は伊集院のケアを行っていたと考えられる。しかし、流川でさえも三日間徹夜という状況には限界だったようだ。
それどころか二人の手元にはバケツ一杯分の量に相当する糞塗りの矢がある都合上、飲食などは一切行えない状態だった。臭いや外道の見逃しなどを考慮するととても休めたものでは無かっただろう。立ちション程度は出来たかもしれないが。
しかし、ここまでの地獄でさえ、眼にクマが出来る程度で済んだのは伊集院の集中力が極限まで発揮されたからとも言えよう。
伊集院シリーズでは妹や弟が亡くなり、兄や姉が依頼人として伊集院に訪ねるケースがあるが、今回のように姉が被害者で、妹が依頼人になるのは初めてのケースである。
関連項目
外道の腸内洗浄からのハードグリン→糞矢でマンハント→エレクトリック硫酸水車刑
成り行き的に仕事になった回
伊集院茂夫による自然を使ったブービートラップ:同じく断罪対象が人間狩りを行っていた外道社長で、この拷問も野外で行われている。
伊集院茂夫と流川隆雄による射殺、伊集院茂夫による汚物付き射殺刑:以前に行われた拷問とその発展型。今回は野外で後者と前述のブービートラップを組み合わせたようなモノである。