青山「顔なんて、テメェらが持つ権利ねえんだよ」
「どこへ行くつもりだ? 償うべき罪が山とあるぞ」
「いつまで寝てんだ下衆が」
流川「目覚めの手足砕きです!」
「ならば貴様も美しくしてやろう…… 私の価値観でな。流川」
流川「溶ける馬鹿に電気ショックだぁ! わっはははぁ!」
「おや、あと少しで腹筋が溶けて、内臓が飛び出すなぁ」
「お前はその灼け溶けた顔でも生きていたいのか?」
宇藤「いぎたい……ですぅ……」
「反省したならばよかろう。隣に医療設備がある。行くがいい」
標的
女性の顔面が酸で崩壊するさまを美しいと称する異常性癖を持ち、美女を騙して襲撃・殺害を繰り返した猟奇殺人鬼「宇藤達也」に執行。
概要
本シリーズで何度か行われた水車刑の一種。前回は汚物沼で罪人を溺れさせたが、今回は硫酸を用いて罪人の肉体を徐々に溶かす。
またオマケとして、上がってくるたびに流川がスタンガンによる電気ショックを浴びせた。
経過
依頼人から恨みを託された伊集院と流川は、宇藤がいる空龍街郊外の廃墟に赴く。
すると、そこには天羽組の青山琉己が居た。伊集院は青山に「宇藤の粛清が目的か」と問うと、青山は肯定し、「ウチがケツ持ちしているクラブのキャストがやられた。その報復だ。標的は譲らない」と告げた。
伊集院は「ならばお前に託した女性の怒りもこの私に預けてくれんか」と説得。青山は伊集院の覚悟に感銘を受け、伊集院に罪人を引き渡す事を約束した。そして宇藤が雇っている半グレの殲滅は引き受けると言い放ち、伊集院は了承した。
廃墟に突入した直後、青山が即座に動き、半グレ達の顔面を徹底的に破壊して惨殺した。それを見て脱兎の如く逃げる宇藤を、伊集院が締め落として確保した。
拷問室の中の水車に繋いだ宇藤を、伊集院と流川は両手足をハンマーで破壊して叩き起こし、そのまま伊集院が例の如く尋問をした。
しかし宇藤が吐いたのは、「自分がやったことは、女性を美しくしたと言う善行。女性は美を追求するものだから、崩壊の美を描いただけの事」と言う、これまでの下衆の戯言の中でもトップクラスにトチ狂った妄言だった。
キレた伊集院と流川は、宇藤を彼の言う「美しくする」為の作業に入り、その全身を硫酸に浸し始め、更に流川が笑いながらスタンガンで電気ショックを浴びせた。
やはりというか、自分自身が体験する気や覚悟は全く無かった宇藤は、悲鳴や停止の懇願で喚きながら2時間の地獄を味わい、全身は醜く溶け崩れた。そして「もう少しで腹壁が溶け破れ、内臓がぶち撒けられて壮絶死するだろう」と告げられると「溶けるのイヤ」「灼け溶けた姿でもいいから生きていたい」と醜く命乞いを始めた。
伊集院から「反省したならばよかろう」という事で解放された宇藤は、ズタボロの身ながらも医療設備があると言う隣室へと必死に這い、「生き残ればこちらのもの」と内心ほくそ笑んだ。
宇藤「な……え……?」
だが、そこにあったのは医療設備などではなかった。
宇藤「何で、もう一個あるの……? このグルグルする硫酸のやつ……」
宇藤が目にしたもの……それは先程と全く同じ拷問装置だったのだ。
「嘘に決まってんだろ馬鹿野郎。他人を騙しといて、期待してんじゃねぇぞ」
「俺にとって最も美しい顔はな、外道が騙されて、絶望する顔なんだよ」
「さ、こっちの水車で続きをしよう。お前は、もっと、もっと、美しくなれる」
呆然とする宇藤に対し、伊集院は上記の台詞を叩きつけ、最早言葉も出ない程に絶望させた。
そのまま為す術なく再度セットされ回され続けた宇藤は、100回転した辺りで予定通り内臓を全てぶち撒け壮絶死した。
今回の登場人物
- 宇藤達也(うどう たつや)
今回の断罪対象。このシリーズでは最早テンプレとなりつつある、イカレた嗜好の外道金持ち。
女性の顔面が酸で崩壊するさまを美しいと感じる異常性癖の持ち主で、これまでに何人もの女性(最初の被害者が自分の恋人)の顔を破壊しては殺害し、そのうちの何人かは殺さず崩壊した顔面によって苦難に陥るさまを堪能するという芸術家気取りの腐れ外道アシッドアタッカー。その所業の悪辣さは、常に冷静な伍代千隼をして「本当に胸糞悪い」「同じ人間とは思えない」と唾棄させた程。
最期は自分自身が全身を酸で溶かし崩されて死に果てた。
- 半グレ集団
宇藤にカネで雇われている半グレ集団。宇藤の下衆の所業の隠蔽や、女性の誘拐などを行なっていた。最終的に青山の手で全員顔面を奪われて壊滅した。
- 三田明日香(みた あすか)
今回の依頼人にして、被害者その1。読書が好きな物静かな美女。
宇藤に騙され、右顔と右目を硫酸で焼かれた挙句、幼馴染の親友である洋子を殺害されてしまった。病院に顔を出した伍代の紹介で伊集院の元に訪れた。依頼完了後、氷室の手で、右顔の再建手術を施され、右目は元に戻らなかったが、ある程度顔が元に戻り、人生を再開することになった。
- 洋子(ようこ)
今回の被害者その2。明日香の幼馴染で無二の親友。
男勝りな性格であるが、物静かな明日香を尊敬している。明日香のプロポーズをお祝いしようと外で待っていた時、明日香を連れて行く宇藤を不審に思い尾行する。宇藤に攫われた明日香を奪還する為に宇藤に襲いかかるも、返り討ちに遭い顔面を灼かれてしまう。それでも何とか明日香を救出し、自分が囮になって彼女を逃がす事に成功したが、最終的には宇藤に殺害されてしまった。
- 詩織(しおり)
今回の被害者その3。天羽組のシマにあるクラブのキャスト。
明るくて美しい顔をしており、店では人気があったが、半グレ達に誘拐され宇藤によって顔を灼かれてしまった。
- 青山琉己
今回のゲスト。天羽組の武闘派狂人の一人で、「狩猟刀の青山」の異名を取るパワーファイター。
天羽組のシマにあるクラブのキャスト・詩織の敵を討つ為、宇藤のいるアジトに訪れた。兄貴分である小林幸真と同じく、当初は伊集院と外道の取り合いになるが、伊集院の覚悟を聞かされて感銘を受け、「詩織の敵である宇藤の始末を伊集院に任せる代わりに、自分は詩織を拐った半グレ達を始末する」という条件で手を打った。そして宇藤が雇っていた半グレの顔を奪って壊滅に追いやった。
外道のモデル
余談
今回は天羽組の構成員である青山が登場。天羽組で伊集院と2回以上邂逅した事があるのは小峠華太、須永陽咲也に続き青山が3人目となる。
また、以前に青山が登場した回で外道に執行した刑も今回と同じ水車を用いた刑罰だった。
因みに、硫酸は純度が非常に高い「濃硫酸」の際は弱酸である。これを水で希釈し希硫酸にすると、塩酸を上回る強酸となる。罪人の肉体の損傷度合いを見るに、今回用いられたのは希硫酸と思われる。因みにもし濃硫酸を用いていたら、宇藤の肉体は溶け爛れるのではなく、文字通り焼け爛れて炭化していただろう(これは濃硫酸が物質から水素と酸素を2:1の割合で奪う為)。
関連タグ
伊集院茂夫による車輪刑と汚物水責め:被害者がクラブのキャスト、青山が露払いを行う、拷問が水車刑という共通点がある。