概要
ゲームの歴史に名を残す8ビットゲーム機のひとつである。また、セガが任天堂と激しく争ったハードであり、その戦争は「第1次ゲーム機ハード戦争」として一部の人たちに知られる。
歴史
1985年10月に発売された、セガのSG-1000シリーズ(SG-1000II、SC-3000など)の上位互換(実際は違うとも言えるが)ハード。2年前に発売されたファミリーコンピューター(ファミコン)が大ヒットとなる「スーパーマリオブラザーズ」を発売した直後の発売となった。
ファミコンに比べ発色数において上回り、ライバルと比べ性能は低いが癖のない音源、画面表示では劣る程度の差で性能としてはほぼ互角と言って良かった。
しかし、ファミコンは任天堂以外のサードパーティーを多数取り込んだこともあり、日本における第1次ゲーム機ハード戦争はセガ陣営のワンサイドの惨敗となっている(ただし、日本以外では割と健闘した。この件に関しては後述。この事実は後のメガドライブほどは知られていない)。
1986年にゴールドカードリッジ(1Mビット=128キロバイト)として登場したファンタジーゾーンは数少ないキラータイトルとなったが、翌年まさかのファミコン版がそれ以上の出来栄えだった為にセガファンを落胆させた事件(実は移植したサンソフトががんばったのだが)も起きた。また当時のセガはハングオンに始まる体感ゲームシリーズをアーケードゲームで多数出しており、それをマークⅢにも移植したが、性能差が段違いのハード(CPUからして異なる)の移植であり、スペースハリアーは当時のゲーム誌では「絶対移植は無理、出ても横スクロールのゲームになる」と言われたほどだが、ほとんど発想の勝利状態で発売している(ただし、このゲームはさらに性能の低いPC-6001などでも無理やり移植しているのでこれに関しては何もいえない)。ただし、アフターバーナーに関しては(お察しください)。
1987年には海外版セガマークⅢの「マスターシステム」を発売した。本体を黒一食にして、一部機能を取り外し、リセットボタンを取り付け、カートリッジの形態を変更したものであった。
日本においてもこの機体は発売された。ただし、互換性のため、カートリッジの形状はそのままになり、家庭用ゲーム機としては初となるFM音源及び連射機能搭載ハードとなり、マークⅢでもオプションで取り付ければFM音源を鳴らすことが可能となった。
しかし、セガは運に見放されていた。1987年はファミコンの絶頂期ともいえる時期であり、当時の圧倒的劣勢を覆すにはいたらず、さらにPCエンジンが10月に発売され、翌1988年のメガドライブの発売をもってハードとしての終焉を迎える。
海外の状況
海外においては、アメリカ、ヨーロッパ、ブラジル、韓国などでマスターシステムとして展開した(中国においてはコピーが流通した可能性がある)。
日本本国では展開が終了した1990年代に入ってもゲームが発売された。アメリカでは新型機を投入したものの、NESの壁を打ち崩せず、ソニック・ザ・ヘッジホッグを以って展開を終了した。ヨーロッパにおいてはNESと互角の戦いとなり、セガサターンの発表される1990年代後半までソフトが発売された。
そしてブラジル及び南米では提携していた会社がソフトを出し、21世紀になってもソフトを出し続けたとされる(!)。
韓国においてはFM音源なしで発売され、展開は不明である。
日本でも知られる作品としてはダライアス2やストリートファイターⅡなどが発売されている(ただし、韓国版以外のソフトはカートリッジの形態が異なるため、アダプターが必要となるうえ、テレビの規格が異なるため表示に問題が発生する)。