概要
「ありがとう、ウルトラマン」は洒落にならない怖い話こと、洒落怖の一編である。2006年7月24日「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?136」に投降された。
奇妙な絵が起こす怪奇現象に苦しめられる投稿者がウルトラマンに救われるという話。
あらすじ
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「ダイヤのエースを持ついかさま師」の複製画を購入し、部屋に飾った投稿主はそれ以来ラップ音や人の話すような声に悩まされていた。
しかし絵に向き合う形でウルトラマンのポスターを貼ったところ、一連の現象はなくなった。
だがその書き込みをした途端、ポスターが落下するという事態が発生。今度は仮面ライダーのポスターを貼ってみたが、投稿主が近所の健康ランドから帰ってきたところポスターが剥がれ落ち、四隅を止めていた画鋲がまるで吹き飛ばされたかの如く落ちていて一つなくなっていた。
改めてゾフィーのポスターを貼ろうと思ったら、部屋の隅からため息が聞こえ投稿主は慌てて逃げ出した。
しばらくして部屋のドアを開けようとすると部屋の中から話し声が聞こえた。怖くなったが、「ウルトラ警備隊の歌」を熱唱しながらドアを開くが初夏だというのに途端に寒くなってきた。投稿主は恐ろしく思いつつ思い切って絵を外そうとしたが、背後から舌打ちや視線を感じ、額縁に手をかけた瞬間猛烈な吐き気を催しその場で嘔吐した。
まずいと思った投稿主はウルトラセブンのソフビ人形片手に部屋から逃げ出し、友人の家に転がり込んだ。
友人から霊能力者を紹介してもらった投稿主は、霊能力者から「あんたよく生きてられるね。あんたの背後にあんたの首絞めてる女がいるよ。そのセブンの人形手放したらあんた死ぬよ」と告げられた。
そして部屋に戻った途端「こりゃ怒ってる。生半可なものじゃない。でもここまで怒ってるのに何であんたは生きてるのかなぁ」と言われた。
問題の絵を見てもらうと「こりゃ駄目だ。こんな真っ黒で人の目がリアルなのは特にね」と言われ、経緯を話すと滅茶苦茶怒られてしまった。
霊能力者が言うには、この絵を通じて霊やその類のものが出入りしており、出入り口がある分にはいいのだが変なポスターを貼ったせいで彼らを怒らせた。膨大な数の霊がこの部屋にたまっており、出られずにいるため彼らは非常に怒っているが、投稿主が集めたウルトラマンの人形たちに憑いている霊が抑え込んでくれている。絵は自分が処分するが、そのウルトラマンの人形は一生大事にしろ。とのことだった。
絵と嘔吐物を処理し、窓を開けて部屋を清め、食事をして解散となった。
投稿主は今まで霊の存在を信じなかったがこれからは考えを改め、霊の皆様に謝罪。そして自分を守ってくれたウルトラマンに感謝の言葉を贈るのだった。