概要
DMM.comにて配信中のブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣男士・一期一振×三日月宗近のBLカップリング。
二次創作傾向
現状では過去に接触・関係のあったことを示唆する発言や回想イベント等はゲーム内に存在しないが、一期一振は豊臣秀吉の所持刀、そして三日月宗近は豊臣秀吉の正妻であった高台院(寧々)の所持刀であったことをモチーフとして、安土桃山時代に夫婦、あるいはそれに近い関係にあったが一期はそれを忘れているという前提で創作された二次創作が多い。
メディアミックスでもこのふたりの接触は薄く、アニメ花丸では同じ部隊で出撃、同じフレームに入るも会話なし。続花丸ではOPで同じ席にて酒を飲みながら同フレームにすら入らず、現状では会話シーンもない。
刀ステ『虚伝 燃ゆる本能寺』においては、直前まで第一部隊隊長にして近侍だった三日月宗近を支える、二番隊隊長の一期一振が見られたが、基本的に別部隊なのでそこまでの会話もなかった。
天下一振
二次創作内で、豊臣時代の一期一振を、大きくキャラクター性の違う存在として描く場合に使われている用語。
カップリングの傾向上、いちみかでも使用されている二次創作が多くみられる。
「一期一振が天下一振と呼ばれていた時期があるのではないか」という一説を由来としており、豊臣で燃える前の存在を「天下一振」、本丸にいる存在を「一期一振」と呼んで区別する。
この場合の「天下一振」は、磨上前であることを反映し長髪長身に、そして豊臣の栄華を反映してどちらかといえば本丸よりも傲慢で尊大な性格のキャラクターとして描写されることが多い。
なお「一期一振=天下一振」説は史実上確定されたものではなくあくまで可能性の一つである。著者が誤って記載したケースが確認されており信用性は低い。
「夫婦刀」
元の持ち主が夫婦であったことからファンの中ではいちみかを指して「夫婦刀」と呼ぶシーンがある。
しかし、一期一振は天正18年、秀吉の晩年期に毛利家から献上された説が有力。
三日月宗近は高台院から徳川秀忠に送られる以前の伝来についてはこれを裏付ける史料がないため、確定していない。 高台院の手に渡った時系列が秀吉の死後なのか生前なのかも不明である。
つまり、この二振りが「夫婦刀」として呼称された記録はない。あくまでも二次創作で使われる呼称の一つである。
発生経緯上、BL二次創作以外の場所で「夫婦刀」の単語を使用するのは避けたほうがいい。
余談:夫婦刀の定義について
夫婦刀とは夫婦が持った刀同士ではなく「同じ鋼から打ち分けられた刀」を指すといわれている……という指摘がネット上で多くされるが、この定義も戦時中の兄弟にわけあたえられた二振りという都市伝説の中にしか見つけられない。「同じ鋼から打たれた刀」を全て夫婦刀と呼び、区別してきたという事実はない。
中国では、夫婦剣といえば「干将・莫耶」が有名。刀ではなく鋳造によって作成された剣である。こちらは夫婦が協力して制作した剣であり、できばえのあまりに剣に自分達夫婦の名前をそのままつけたというところが「夫婦剣」としての由来になる。『呉越春秋』『捜神記』などに記載される伝説上の剣。日本でも『今昔物語集』『太平記』に記載がある。
日本にて夫婦刀として最も有名なものは、坂上田村麻呂の愛刀とされる「ソハヤノツルギ」、伝説では田村の妻となったとされる鈴鹿御前(立烏帽子)の三明の剣のうちの一つ「大通連」である。
お伽草子『鈴鹿の草子』『鈴鹿の物語』などにて語られるが、この二振りに「同じ鋼から生まれた刀」という記載は存在せず、夫婦の持ち物であったことを指して夫婦刀とされていると判断できる。
そもそも「夫婦刀」という単語自体が、刀剣用語に存在しない。
「夫婦刀」とは一般には使われず、創作上のみに姿を見せるロマン増強の単語であった可能性が高い。