概要
明治19年に山口県阿武郡東分村の中村正路氏の園で発見された偶発実生で、その起源については不明である。当時はその地名の「穴門」に因んで「穴門みかん」と呼ばれていた。
明治22年、松山市の三好保徳氏が原木を購入して愛媛県に導入し栽培を奨励したことから、松山市周辺に産地が形成され、「伊予蜜柑」という呼び名で出荷されるようになった。だがその名称が、愛媛県産の「温州みかん」と混同されてしまうことから、昭和5年に「伊予柑」という名に変更され、定着したのである。
特徴
皮は艶のある濃い橙色の果実は1個250gくらいで、果皮の厚さは8mm程とやや厚くなっていますが、皮を剥くのは比較的容易である。果肉は9~11室に分かれ、果心は大きく柔らかく多汁である。甘味酸味ともバランスよく、香りも強く濃厚な味わいを持っているのが特徴である。
出荷時期は、12月下旬から4月上旬で、最盛期は2月頃に出回る。
毎年受験シーズンには、「いよかん食べていい予感」との語呂合せから、受験生がよく祈願する神社などで配布が行われている。