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※後述理由で親記事をカクヨムに変更しています。

 

概要編集

小説家になろう」に連載された小説。2020年11月から発表されているが、作者が諸般の事情により「カクヨム」等の別サイトに移転、以降はそちらで連載を続けている。書籍化・コミカライズもされている。


作者は下城米雪

書籍版はPASH! BOOKSから出版、挿絵はicchiが担当。既刊3巻(2025年現在)。

コミカライズ版はコミックPASH! neoで連載、伊於が担当。既刊3巻(2025年現在)。


一言でいえば「追放もの」の現代社会人版という皮を被った人間ドラマ

タイトルからは想像できないかもしれないが、追放ものにありがちな「頭の悪い加害者の自滅を描くざまぁ展開」がメインでなく、明日がちょっとだけ笑顔になれるような心温まる内容となっている(勿論ざまぁ展開も描かれる)。また、作者が後述の運営サイトを扱った本職のエンジニアという事もあってか、作中の至る所にプログラミング用語も見受けられる(コミカライズ版でも作者がプログラミングの監修を行っている)。詳しい雰囲気を知るには、伊於が無料公開している漫画版の3話までを読むべし。


そういった内容から小説、漫画共にネットやSNSで反響を呼び、当記事でも2023年5月の閲覧数で1位に躍り出、6月でも2位に食い込んだ(後日、それを見た伊於氏も言葉を失う程に困惑した)。一方で2023年5月当時は書籍版とコミカライズ版の売り上げが芳しくなく、とりわけコミカライズ版は「各サイトでのPV数が多いのに単行本の売り上げが低い」という状態で、X(旧ツイッター)に載せた1話もあまり注目されなかった。


しかし5月下旬で伊於のPixivアカウントに載せた1話の閲覧数が急に上昇、6月下旬でニコニコ漫画上半期ランキング第2位に浮上、7月上旬でX(旧ツイッター)再掲した1話が大いに注目を集めた。それがきっかけで1巻の重版に留まらず、WEBザテレビジョンウォーカープラスのインタビュー掲載、京王線に電車広告の掲載、テレビCMの放映、等次々と大躍進を遂げた。


11月22日には『ネット流行語100 2023』になろう作品で唯一と言っていいようなノミネートを果たし、結果発表では34位となった。過去になろう作品では2021年に『無職転生』や『転生したらスライムだった件』だけでなく、(ノクターンノベルズだが)『ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない』も作品単位でノミネートされていたのだが、それよりも上の順位を受賞したため、ある意味でも記録を更新してしまったといえるだろう。なお、ニコニコ大百科には該当項目はない模様。


2024年現在、シリーズ累計15万部を突破。


あらすじ編集

社内システムをワンオペしていた佐藤愛は、社長交代を機に解雇予告を受ける。

退職後、ファミレスでひとり悲しみに暮れていた愛は、幼馴染の鈴木健太と再会する。


そして健太は彼女を自らのスタートアップ(新規事業)に招待した。


相手の心に寄り添うために始めた事業、その名は「真のプログラマ塾」。

佐藤愛の熱く、時に破天荒な講義で受講生たちは少しだけ前を向く。


ストレス社会で頑張る全ての人たちへ。

明日がちょっとだけ笑顔になれるお話です。


(以上、漫画版より引用)


登場人物編集

詳細はワンオペ解雇の登場人物一覧を参照。


作中用語編集

  • RaWi株式会社

AIと情報技術に特化した会社。

大手の企業である一方で技術者を軽視するという問題点がある。その為、SEは深夜勤務や会社泊まりを余儀なくされ、実際に心を壊したSEも出た。

その一人である佐藤はそういった現状を変えるべく、社内システムの自動化を5年もかけて完成して利益率の向上に貢献していた。

しかし投資事業の失敗による業績の悪化により前社長は引責辞任、更には新社長によるコスト削減でいくつかの部署を排除、他の部署からもこぼれた人員をリストラしていた。

佐藤も解雇された事で不満を露にした同期が次々と離職、更には後任のSE数人ではオルラビシステムを扱いきれず、問い合わせ関連が混乱。そのSE数人も転職した事で管理する者がいなくなり、第1四半期は減収・減益、更には会社を支えているシステムが全損してしまった。

名前の由来は作者が運営しているサイト「なろうRaWi」から。


  • オルラビシステム

佐藤愛が開発したシステム。

開発元も使用言語も用途も全く異なるシステムの連携を可能としており、従来は不可能と言われた自動化をこのシステムで成しえた。コンピュータを用いた仕事を手動ではなくプログラムで完結すれば一分もかからずクリアできる。

ただ、自動化したといっても全ての業務を完遂できる訳ではなく、どうしても機械的に判断する事が不可能な条件が存在する。その為、業務の八割をこのシステムで処理し、残りの二割にあたる「人間による命令と判断を必要」としているが、それがあまりにも複雑となっている。

これを一人で管理するには、佐藤のような高度な脳内パソコンを持った技術者が必要であり、佐藤が解雇された後に配置されたSE数人がこれの管理に四苦八苦していた。

とはいえ、佐藤愛以外にも管理出来るであろう技術者はいるにはいるが、それだけの技術者を引き抜くには報酬以外にも誠意や信用というものが必要なのである。

また、このシステムが株式会社RaWiのあらゆるシステムの命綱となっているため、これが停止すれば必然的に全システムが機能しなくなる。外注したSEの操作ミスによりデータベースが全損し、担当部署の業務は完全停止という最悪の結果を招いてしまった。当然ながら復旧不可能となったため、代替システムを開発させる事となったが、見積額は20億、開発期間は最短でも10ヶ月はかかってしまう。

一応、佐藤愛が残したマニュアルはあるが、あくまでも開発者向けのメモ書きにすぎない為、外注したSEがそのマニュアル通りに従えばこうなってしまうのは必然であった。


  • 真のプログラマ塾

鈴木健太が設立したベンチャー企業「合同会社KTR」によって運営されているプログラミング教室(事務所はマンションの一室に構えてある)。

この手の塾によくある受講者数の確保ではなく、寧ろ未経験者お断りで尚且つ様々な事情で困っている人に限定して教えるといったモノ。お一人様一回だけ無料体験はあるが、授業料は20万円と高値を張っている。

また、業務中にコスプレをする変人ながらも確かな技術を持つSEによる指導力が評価されており、オン転職との一件で転職業界の間で知名度が広がる事となる。


  • オン転職

IT転職業界の最大手。

「【就職保障】未経験から三ヶ月で【AIエンジニア】」という転職市場で広告を掲げており、利用者満足度NO.1をたたき出している。勿論すべて噓ではないものの、裏がある

就職保障に関しては新しい職場に出会えるまで全力でサポートするが、逆に言えばその職場の環境がブラックであろうと「新しい職場」に変わりはないので、就職した後のサポートはしない。

また、三ヶ月の学習でスキルを身につく事も出来、尚且つこれもまたサポートするが、ある程度の適性を持ち尚且つ総学習時間によるものである。まず仕事をやめてフルタイムで学習しなければ不可能な上に、学習教材も自費で賄わなければならない。

そしてAIエンジニアになる点も、与えられる仕事はアノテーションと呼ばれる単純作業であり、それもエンジニアの業務である事に変わりはない。

そういったIT転職業界の闇を抱えている事から、その話を把握している鈴木は警戒していた。

漫画版では前のゲーム会社にいた頃の本間が転職活動をする際にこのサイトを利用していた他、描き下ろし版では条件や職場が会わなくとも、とにかく転職させればお互いの為になる事が明らかになった。


  • スマメガ

スマートな眼鏡。眼鏡のレンズにあたる部分が小型のスマートフォンとなっており、これを普通の眼鏡のように装着していく。相手を視界に入れた時に、事前に入力された情報が表示される他、その情報はAIにより絞り込まれる。

緑色の線がマッチングする人、赤い線が対象外の人と振り分ける為、相当なオブジェクトの処理もあるが、演算はサーバーで行っており、スマメガ本体は画像を受け取って描画している。

尚、大人数で使う時は多くの衝突が発生するが、その問題を解決するためにスマホを参考にしており、個々の位置を特定するためにスマメガ同士の相対位置情報をサーバーに集約した。

勿論、普通のスマホのように充電が切れれば使用できない。後に大規模なイベントに参加するためにこのガジェットを大量に製作、用意する事になる。


外部リンク編集


関連タグ編集

小説家になろう カクヨム

書籍化 コミカライズ 主婦と生活社

システムエンジニア SE コスプレ

追放もの もう遅い


作者巡回済み参照ポスト。また、コミカライズ版2巻でのおまけ漫画でも当記事の存在に触れられている。

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