概要
しめさばによるライトノベル。元々はカクヨムにて掲載されている小説。公式略称は『ひげひろ』。書籍版が角川スニーカー文庫(KADOKAWA)から刊行されている。全6巻(本編5巻+サイドストーリー集1巻)。
コミカライズが存在しており、月刊少年エース(こちらもKADOKAWA)2019年1月号から掲載中。足立いまると言う人が手掛ける。既刊5巻(2021年4月現在)
しがない勤め人と、北海道から家出してきた女子高生との、奇妙だが純な共同生活を軸に、それぞれの日常を描く。
2021年4月からTOKYOMX、AT-Xに加えてBS11にてテレビアニメが放送された。アニメーション制作はproject_No.9。
注意
主人公の人助けに見える行為は現代日本の法律ではあくまでも犯罪(*未成年者誘拐)であることを留意するよう、作者(しめさば氏)がTwitterにおいて明言しており、また作中でも登場人物のセリフからきちんとそれについて言及されている。
作者ツイート1
ツイッターやってて一番ヒヤッとするのが読者さんから「僕も女子高生拾います!」みたいなことを言われる時なのですが、冗談でもやめてくれ、と思っております。
「僕も人殺しまーす!」って言ってるのと同義だと思ってくださいね。冗談にしても面白くない!
作者ツイート2
また、「ひげ~」について「現実だと犯罪だけどこれは創作なんだから細かいこと言うなよ」という擁護を見かけるのですが、創作内であっても現代日本を舞台にしている限りは、未成年略取は犯罪行為です。「ひげ~」はまぎれもなく犯罪行為の描かれた物語です。間違った情報で他人に反論してはいけません
犯罪行為は、法の下で生きるうえでは、何があっても犯してはならぬもので、完全な悪です。しかし、犯罪を物語上で描くこと自体は悪ではありません。この線引きを理解していただけると幸いです。
*令和四年四月一日からは、この作品の『未成年者誘拐罪』(刑法二百二十四条)は成立しなくなる可能性がある。
これは民法の改正(成年年齢の引き下げ)により、ここでいう『未成年』の定義が20歳未満から18歳未満に引き下げられるためである。(吉田は26歳・荻原沙優とは8歳差という事で、萩原沙優は18歳(Wikipediaより))成年になったということで民法四条により、親権に服さなくても良いことになる。
ただし、刑法における『未成年者』の定義が改正後の民法と異なったり、刑法二百二十四条の条文が『未成年者』から『二十歳未満の者』に変更される可能性もある。
まぁ、常識で「世間の目」を考えればおのずと答えはわかるはずなのだが。
登場人物
※この作品では女性キャラにはフルネームの設定がある一方、男性キャラは一部を除き名字しか設定されていない。
※IT企業会社の仲間達は忙しく仕事をしている割に底抜けにいい人ばかりで意外とゆるい社風で吉田の未成年保護を他者に害の無い行為である為、あえて黙認している。(現実の普通の企業やまともな企業の場合、即通報され物語が只の未成年者誘拐事件として即完結してしまうのでこの辺のご都合主義は仕方ない。)
IT企業に勤める主人公(左側の男)。ラフな見た目のあんちゃん。
人柄の良い朴念仁(二度も本気の恋愛で失恋した事でより磨きがかかった)。好みのタイプは年上でチチのデカいおネェちゃんだが年下には欲情しないというわけではない。
父の教えを守ろうとしていたが、世の中の矛盾を感じ始めた為、人助けに善悪の手段を選ばない性格になった。
訳あって吉田の住むアパートの一室に居候していた。
橋本(CV:小林裕介)
吉田の勤務先のIT企業会社での同僚。
何かと付けて吉田のことを気にかけてくる。
吉田のIT企業会社の上司にして彼の理想の女性像を具現化したかのような人。
彼の告白を蹴ったのだが・・・・・・・・・・
沙優がコンビニバイト先で知り合った東京での初めての友達。
人は見かけによらないを体現している人。
IT企業会社で吉田が教育係を務める後輩OL。
何かと付けて吉田を振り回す。
ちなみに中の人はアニメのエンディングテーマの歌唱者でもある。
矢口恭弥(CV:逢坂良太)
沙優がバイト先で再会した元性交相手。嘗てのセフレ関係を言いふらそうと、沙優に迫って再び性交に及ぼうとした正真正銘のクズ。現代日本法律上では、沙優を家に置いている吉田の行為が未成年者誘拐になる事を理由に、彼自身の犯行である住居侵入罪とレイプ未遂を黙認させた。その後、あさみに強烈なビンタをお見舞い(唯一彼に与えられた軽罰)され、吉田に怒鳴られた事でリスクを恐れあっさり沙優から手を引いたヘタレヤリチン。
真坂結子(CV:石見舞菜香)
沙優の高校で初めてできた友達。地味な眼鏡っ娘。
沙優を良く思わない生徒からのイジメに遭い、彼女の眼前で学校の屋上から飛び降り自殺した。
この死は沙優に大きなショックを与え、後に家出に走る理由になるので、作品においてキーパーソンとなる人物である。
遠藤(CV:河西健吾)
橋本同様、吉田の勤務先のIT企業会社での同僚。
吉田が沙優と暮らし始めたことで、行かなくなった出張に代わりに行かされる超気の毒な人。ただ、行かなくなった理由は気になるけど、そこまで踏み込んで聞かない仲間思いの超良い人でもある。
荻原一颯(CV:鳥海浩輔)
沙優の兄で、「おぎわらフーズ」の社長。妹に引けを取らないほどのイケメン。
結子の死で家庭が崩壊しかけた時、真っ先に沙優を守るため大金を渡して逃げるよう指示した。ただ、それがきっかけで沙優が家出して上京し、吉田と出会うことになる。
常に沙優を気遣う妹思いな兄だが、母親に対しては面と向かって逆らえない節があり、彼も沙優とは違った意味で母親の被害者と言える。
これが沙優の家出に対しても大金を渡しはするが直接的に匿ったり母親に抗議はしないという対応に繋がり、沙優が出奔するきっかけの最後の一押しとなってしまった。
はたして彼の行為は良かったのか、悪かったのか…。
母親(CV:柚木涼香)
沙優と一颯の母親。沙優に家出をけしかけたとんでもないクズ親。
沙優との関係は悪く、結子の死でマスコミの対応をしているうちに精神的に病む。親なら、通常は子供を慰めるところ、「お前が殺したんだろう?」と疑いの目を向け沙優は家出した。
「娘が部屋から出てこない」と学校に不登校の理由を説明すると、「親が監禁してる」と逆に疑われ、さらに情緒不安定となった。しかし、娘の外出を制限したり、親として守るべき時に守らない虐待めいた扱いをしていたのは事実であり、これでは疑われて当然とも言える。
一颯に沙優を探させているものの、娘の安否を案じた行為ではない。「大事なのは世間体」という、自己中というより人間として終わっている人物と言えよう。
しかしそれでも帰宅した沙優と付き添いで来た吉田と一悶着あったものの彼の説得により、完全な和解とまではいかなかったが沙優と普通の親子関係に戻った。
父親
沙優と一颯の父親。「おぎわらフーズ」の先代社長にして、沙優に関する一連の元凶となった人物である。
もともと浮気性であり、妻が沙優を身ごもった際に中絶を迫る。妻は、夫婦関係を繋ぎとめる意味で沙優の出産に踏み切るが、その頃には妻への愛情など皆無に等しかった。その後、家族の前から完全に姿をくらましてしまう。
結果として亭主に捨てられた妻は、沙優に愛情を注いで育てることが出来なくなり、幼い頃は明るくよく笑う子だった沙優も、段々と暗くなり笑わなくなった。そして先述の通り、母と娘の関係は最悪なものになっていき、結子の死により完全に瓦解してしまうのである。
見方によっては結果として結子を自殺に追い込んだ遠因とも言える。少なくとも結子の自殺を受けた沙優が精神的に追い込まれる状況を作った元凶、この作品で最低の極悪人なのは確かである。
アニメ版では尺の関係から父親については一切言及されなかった。
原作3巻より登場。吉田の学生時代の恋人だった先輩。吉田と同じIT企業の地方の支社から本社に移動になった為、吉田と再会する。
アニメでは残念ながら写真のみの登場である。
関連タグ
スーパーカブ(小説):カクヨムにて発表→スニーカー文庫で書籍化→アニメ化という点で共通。しかも同じ2021年春という時期にアニメ化。
ハッピーシュガーライフ:未成年者誘拐つながり。
CUE!:本作のアニメ版が放映された次のクールに放映されたアニメ。主要なキャラクターを演じた女性声優が本作の第9話(ヒロインの親友が自殺した時を描いた回)にも3人出演している。役柄はご自分でご確認下さい。