以下、「東方先代録」本編のネタバレあり
始まり
パイマン氏の東方先代録において、主人公である先代巫女は、東方Projectの世界に転生した時、現れたのは妖怪の山であった。
当然ながら子どもの先代には過酷すぎる環境であり、普通なら間違いなく野垂れ死ぬ運命であったが、そんな彼女を見かけた射命丸文は、ふとした興味から食料の提供をこっそり行うなど支援し始める。
何時しか情が移ってしまったのか、先代の無茶なトレーニングが祟って死にかけた際や、病気で死にかけた時には、犬走椛や姫海棠はたても巻き込んで救助し、次第に3人で彼女の面倒を見ていくようになった。
しかし、先代の前にようやく姿を現そうと考え始めた矢先に、彼女は八雲紫によって新たな博麗の巫女に選ばれてしまう。3人が育ての親として名乗る機会は失われてしまったのである。
博麗の巫女と妖怪
先代巫女は自身を育ててくれた「母親」が文達だとは知らない上に、自分は妖怪を退治している「博麗の巫女」であることから「天狗達には嫌われている」と勘違いをしている状況である(文に至っては憎まれ口を叩いてばっかりなので余計に拍車を掛けている)。
しかし妖怪としてのプライドやらで程度の差はあれど、3人とも娘を想っている。特にはたては最も素直に心配しており、大天狗や伊吹萃香の先代抹殺宣言に対して激情を持って阻止に掛かるほど(どもりまくってるので、どうにも先代には伝わってないが)
全ては陰謀
三十五話「幻想之月」にてボロボロになっていく先代を見て、段々とプライドの鍍金が剥がれていく文であったが、伊吹萃香と先代が戦うのを遂に見ていられなくなり、阻止しようとしたところで、彼女にとって驚愕の事実が明らかになった、何と紫は先代が三人娘に育てられている事を知りながらも、体よく利用できる駒として博麗の巫女に仕立てあげたのだった(当時の紫は別に先代に執着してもいなかった)。
壮大に死亡フラグを立てながら萃香との決戦に臨む先代、ボロボロになった彼女に最初に駆け寄ったのは文であった。
輪廻の輪から外れたモノ
幻想郷で死んだ者は誰であれ三途の川を超えて、閻魔である四季映姫・ヤマザナドゥに裁かれる。
死期の迫った娘の行末を案じた文が映姫に問いかけると、恐るべき真実が明らかになった。
「先代の魂は死後あの世には行けない、その魂がどうなるかも分からない」
実は先代は転生者というよりは、現実世界から直接トリップした存在であり、幻想郷での法則が適用されない。幽霊になったり、生まれ変わる保証もないのだった。
天狗三人娘の想いは伝わるのであろうか…決断の時はジリジリと迫っている。