概要
和々寺らおん(らおん)がTwitter上で公開していたWeb漫画、およびその主人公の名前。
2021年12月ごろから投稿されていたが、後述する経緯により2022年9月にTwitterの投稿が削除・Amazonの個人出版サービス(オンデマンド)を利用して販売されていた電子書籍版も公開停止している。
タイトルの「おんねこ」は「温泉が好きな猫」を略したもの。
温泉カフェで働く温泉が好きな猫【おんねこ】と、その仲間たちの日常を描いたほのぼの系漫画……なのだが、明らかに『ちいかわ』を意識した作風・キャラクターに加えて、お世辞にも高いとは言えない画力、場面場面で印象がコロコロ変わるキャラクターの言動、無駄に説教臭く中身がないシナリオ、雑な世界観、ところどころに現れる作者の実体験を元にしたと思わしき描写などの特徴から『ちいかわ』とは別のベクトルで闇が深いと評価されている。
また、タイトルにあるような「温泉」要素は序盤以外目立たず(むしろ「カフェ」の部分が強い)、「猫」に関しても全編通して猫らしい描写は希薄であり、タイトルが形骸化しているという指摘もある。
流行の経緯
2022年4〜5月ごろにネット掲示板上で広がり始める。
当初はいわゆる「ヲチ」の対象として、上述したような『ちいかわ』との類似性や画力の低さ、稚拙で説教臭い内容をネタにされていたが、その後7月ごろに作者のTwitter上での痛々しい言動の数々や彼が過去に描いたツッコミどころ満載の婚活漫画が発掘されたことによって、作者ともどもネットのおもちゃと化した。
特にふたば☆ちゃんねるで人気となり、コラージュやファンアートも多く投稿されている。Twitter上でも多くのファンアートが確認されており、擬人化やフィギュア魔改造、R-18作品まで幅広い。
しかし、炎上していることに気がついた作者によって9月30日に「おんねこ」を投稿していたTwitterアカウントが削除され、電子書籍版も公開停止されてしまった。
その後しばらくは掲示板やTwitterにてぽつぽつと話題になる程度であったが、2023年12月頃から再び注目されるようになっている。
作者本人はキャラクターを売り出すべくいろいろな方法を考えていたらしく、LINEスタンプが販売されている他、過去にはアクリルキーホルダーなどのグッズも販売されていた。
有名なエピソードとして、Twitterにてラウンドワンによるキャラクターのプライズ化企画が開催された際、作者が『おんねこ』を自薦したが、その後「元ネタ」である『ちいかわ』がプライズ化してしまったというものがある(この件については後述)。
ちなみに作者は「ちいかわに類似しているのでは」という読者からの指摘に対し「(ちいかわを)存じません」と発言している。ただし、友人のブログによると「ちいかわというゆるキャラが人気」と語っていたとのことで、少なくとも連載初期はチェックしていたと見られる。
二次創作の取り扱いに関して
2023年の2月に作者のらおんが、Twitterにてあるユーザーから寄せられた「おんねこの二次創作やLINEスタンプを製作してもよいか、また売り上げを何らかの形で作者に渡したい」という主旨のリプライに対し「何度かこういった問い合わせをいただくことがありますが、全てお断りしています」と返信している。
この返信を二次創作の一切を禁止していると解釈することができるが、営利目的の二次利用(二次創作)に関して禁止していると解釈することもできる。
そもそも、二次創作の許可を公式に求めるというのは、公式に対する迷惑行為とされており、まして「利益が発生する形」で行うことを作者に直接相談するのは「公式が得るはずの利益を他者が侵害する」ことの宣言と捉えられかねないため、すべてのジャンルで忌避されている行為である(参考Togetterまとめ:①、②など)。
実際、作者が明確に「二次創作のすべてを禁止する」と発言したことはなく、作者からファンアートに対して削除要請があったという事例は確認されていない。
上記のTogetterまとめでも「二次創作をしてもよいかという確認に対して、公式は『禁止』と言わざるを得ない」という事情が言及されており、本作に関しても同様の見解であると推測される。
もちろん「すべてお断りしている」の真意は不明であり、本気で拒否・禁止している可能性もあるため、少なくとも大っぴらに利益を得る形で活動したり、作者に直接問い合わせたりすることは避けるべきである。
開示請求裁判
先に述べたように、過去にラウンドワンが店舗に設置されているクレーンゲームの景品化(プライズ化)するキャラクターをTwitter(現X)上にて募集した際、作者のらおんが画像を添えておんねこを自薦していた(結果は落選)。
しかし、のちの2022年12月に行われたラウンドワンの同様の募集企画に対して、第三者がらおん・おんねこを揶揄・茶化す目的で、らおんが自薦応募した時の文章を、一部改変・画像を転載して「他薦します」とリプライを投稿。
これに対し、らおんが「著作権の侵害」を理由として、リプライを送った人物が利用しているプロバイダへの開示請求裁判を起こした。
該当のリプライをした被告側は「該当の画像(添付されたイラスト・漫画)はありふれたデザインのパーツを組み合わせたありふれたもの、セリフやシナリオ部分も同様にありふれたもので、創作性を欠き、著作物にはあたらない」「画像は『引用』の目的であり出典を明記している上、プライズ原告に対して経済的打撃は与えていない」と主張していたが、裁判所側は画像を「作者の思想又は感情が創作的に表現されている著作物」と判断、またリプライも「原告(らおん)の意に沿わない形で応募された」とし、引用の目的上正当な範囲内で行われたとは認められないと判断。
著作権の侵害及びリプライに込められた揶揄の意思を認め、被告に対する開示請求を認定、訴訟費用も被告負担という判決を出した。
なお、らおん側は2024年6月時点で本件について一切言及していないため、先の二次創作の件と合わせて、リプライ等で直接本人に問い合わせるのはくれぐれも控えること。
以下は判例データベースへのリンク
https://tyosaku.hanrei.jp/hanrei/cr/13769.html
登場人物
おんねこの登場キャラクター一覧を参照のこと。
外部リンク
@raon_onnekoでツイートされていた画像のバックアップ
※2024年7月31日の午前3時44分、原作者を名乗るもの(Raon名義)による著作権侵害の申し立てにより削除される。