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作品解説編集

1994年3月30日に放送された『世にも奇妙な物語 春の特別篇』内のエピソード。


登場人物編集

門脇(演・布施博)編集

ある会社にて課長を務める本作の主人公。部下や上司からは一定の信頼を得ている感じだが、そんな彼には複雑な過去があった…。(後述)


山下(演・羽場裕一)編集

門脇が務める会社との取引先に務める男性。一見、低姿勢で穏やかな雰囲気の人物だが、実は…。(後述)


ストーリー編集

ある日のこと。門脇が務める会社に、以前から取引先として関わりがある栄公技研という会社から、山下という社員が新商品の見積りと契約に関する事で訪れた。


応接室で山下と会った門脇は山下から名刺を受け取り、彼の姿を見た直後、突然子供の頃の記憶がフラッシュバックする。

しかし、気を取り直した門脇は山下が持ち込んできた見積りと契約の件を何の滞りもなく済ませ、その日は何事もなく終わった。


その後、オフィスに戻った門脇は「山下…まさか、あの山下なのか?」と思い出していた。

それは門脇が小学5年生の頃、クラスに山下という生徒が転校してきた。山下は門脇とすぐに仲良くなったが、ほどなくしてクラスのいじめっ子達に2人は目を付けられてしまう。


その後、いじめっ子達は門脇に対し、山下の教科書にいたずらを行う様に強要。門脇は「これ以上いじめられたくない」という思いからいたずらを行い、気が付いた頃にはいじめっ子達と一緒になって山下をいじめる側になっていた。


しばらく経ったある日の放課後。クラスの皆で影踏みを行った時にクラスメイトの一人が山下の影を踏んで、山下が鬼になった。

鬼になった山下は他の生徒やいじめっ子達には目もくれず門脇だけを追いかけ回し、彼の頭の影を踏む。

頭の影を踏まれた門脇の額には何故か傷ができ、それは大人になった後も一生傷として残っていた…。


結末編集

ある日、門脇は上司から「栄公技研を潰せ」と命じられ、その上で出世をちらつかされる。断れない性分の門脇は、会社を再訪した山下に今回の契約を破棄する事を伝えた。


契約を打ち切られた山下は去り際に複雑な表情で「昔と同じだね…門脇くん」と言い放ち、門脇は山下が「自分を昔いじめていた門脇だ」と気付いていた事にひどく動揺する。


仕事を終え、帰路に付こうとした門脇の前に待ち伏せしていた山下が現れ「影踏みしようよ…子供の時みたいに」と言い放つ。

自己保身の為に二度も裏切った門脇に山下はあの時の様に影を踏んでダメージを与え「僕は今回ずっと鬼をやるから…」と宣言し、執拗に追い回す。


路地裏ではナイフで斬ったり、突き刺して明確な殺意を見せる山下に恐れをなした門脇は無人の倉庫まで逃げ込み、遂に山下との決着を付けようとする。

やがて揉み合いの最中に山下は柱に頭を強打し、死んでしまったかの様に倒れ込んだ。


辺りもすっかり真っ暗になり、影もなくなった事に安堵した門脇はその場を立ち去るが、山下はまだ生きていた。

薬品を地面に放り投げ、更にそこに点火したマッチ棒を投げ入れて門脇の影を作る。


そして足下に落ちていた鉄パイプを門脇に投げつけるが、鉄パイプの影は門脇の影の心臓を貫通。門脇はその場で崩れ落ち、息絶えた。

死亡を確認した山下はまるで憑き物が取れたかの様に無表情となって、その場を立ち去った。

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