かんこれ戦記
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かんこれせんき
伊藤黒介氏による艦これ二次創作漫画。
ギャグ方面の『かんこれまんが』の世界設定を拡大した、同人誌向けのシリアス(稀にシリアル)なストーリーで展開される。
ボッコ提督とあかぎさんでお馴染みの『かんこれまんが』と水平線を同じくする、伊藤氏による長編二次創作。
初回は2015年8月15日投稿と、なかなかに因縁深いところから始まっている。
基本的には『かんこれまんが』と同じだか、ギャグ補正満載&伊藤氏のキレッキレのセンスで笑いを誘うあちらとは違い、二次創作でも珍しく世界情勢や市井の事情を重点的に描いているのが当作最大のポイントといえる。
そのため艦娘たちのドタバタ&ほっこり、たまに熱血といった路線が王道となった多くの二次創作とは違い、仄暗く冷ややかな雰囲気が作品全体を包み込んでいる。
またボッコ提督とあかぎさんの出番も少なく、現時点では艦娘よりも軍事関係者の登場回数の方が多いなど、ただ艦娘たちの活躍を描いた作品ではなく、伊藤氏の「艦これ」世界観の解釈詳論といえる側面を持つ。
……と、言いつつも、ボッコ提督の登場時には毎度のドタバタが少なからず展開されるため、終始シリアルで堅苦しい作品にはなっていない。
ひたすら静謐を護っていたと思ったら、ボッコ提督サイドで毎度の祭囃子が展開されることもあるため、読者からは「押井守作品かww」と独特の雰囲気を形容されたりもする。
他、伊藤氏の作品『ベルとふたりで』のキャラクターもゲスト出演している。
日々の訓練と出撃に明け暮れる艦娘たちと各鎮守府・司令部に、各国の要人を招いての国際交流を前提とした観艦式の開催が通達される。
今度の観艦式は単なる国威発揚の催事ではなく、日本が開発した艦娘システムの偉容を海外に発信し、その先進性と有用性を健啖する一大広報活動でもあった。
それぞれの思惑、それぞれの視点、それぞれの疑念――
有象無象の心と共に、観艦式は決行の日取りを迎えうことになった。
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