ひたひたと散歩する。
ゆらゆらの頭はからっぽで、
きちきちした目的なんてうわのそら。
ぶるぶると震えてゴーゴー。
からからの手足は紙風船みたいに、
ころころ地面を転がっていく。
ふわふわ飛ぶのはきちんと大人になってから。
ごうごう。
ごうごう。
ごうごう。
きいきい誰かが寄ってくる。
ぞろぞろ人が寄ってくる。
からからと笑い声。
蟲惑した覚えはありません。
怖くなったので帰りましょう。
てくてく彼らは追ってきます。
きんきんうるさく響くので、
くうくうお腹がなりました。
飼育箱の夢を見る。
今夜。
虫を潰した。
概要
何をいっているのかわからないかもしれないが、これが1シーンである。
間桐桜にフォーカスを当てた第三のルート、Heaven's_Feelの中盤幕間「悪夢1」にてこのセリフが登場する。
人物は登場せず、夜の街を徘徊する描写と、夢特有の混乱した意識がつむぐポエムでつづられていくこの不気味な幕間は、その実、発狂した桜が無意識のうちに魔力を求めて人間を捕食しているシーンでもある。
そして夢遊病のように街に繰り出して、さ迷い歩きとある路地裏へと入っていく。
そこでギルガメッシュと遭遇したときに、この世全ての悪と同調してしまい、聖杯として覚醒しつつあることを見抜かれる。
ギルガメッシュは聖杯が覚醒する前に彼女を始末しようとするが、なんと桜は身体を無理矢理再生させて彼を喰らった。
その後、影を使って更なる悲劇を引き起こしてしまった。
ufotableによる劇場アニメでは第二章で該当シーンが登場したが、メルヘン調の夢で表現されて更にゾッとする内容になっている。
ちなみに主題歌I beg youのシングル限定版では、このシーンが表紙、裏表紙になっている
余談
第二ルートのUBWコミカライズ版では、藤村先生が空腹からおかしくなってるのを見て桜が
「くうくうおなかがなってます……」
と発言。一種のファンサービスだろうか。
また劇場アニメ版第2章公開から二ヶ月後にFate/Grandorderで実装されたキングプロテアもマイルームで発言している。