CV.小野大輔(TV版)
後頭部に3本突き立った毛のある烏で、まだうまく飛べないけどいつかは風を切って届かない場所がまだ遠くにあると知ることとなる若鳥。
ヒロイン神尾観鈴に勝手についてきたはぐれ鳥で、鳥なのであまり頭もよくなく数日前のことも忘れてしまう。結局神尾家に居つき、ペット(?)として飼われることになる。
実はその正体は第1部「DREAM編」の主人公・国崎往人の成れの果て。
観鈴は人と関わり、愛を知ると激しい発作に襲われる病に罹っていた。それでも観鈴の傍で彼女を支えたいと願った往人の思いが、1000年間紡がれてきた国崎一族の願いを込めた人形と反応した結果、往人が人であることを捨てて、自分の人格すらも失ってまで観鈴の傍にいたいと決意した姿がこのそらである。
AIR編は厄介なことにDREAM編の直後の話というわけではなく、DREAM編のリプレイ(ループ)である。したがって、DREAM編開始の少し前の状態でそらは観鈴と出会うこととなるため、ややこしいことに人間だった頃の往人もそらと面識がある。(TVアニメ版「AIR編」では視聴者が混乱しないようにするためか、意図的に往人の目が髪に隠れて見えない作画になっていることが多い)
そして、過去の自分が下した決断を見て自らの正体と、なぜ観鈴の傍に居たいかを思い出すこととなる。
「そら」となった国崎が、「国崎往人」が居なくなりどんどん記憶が退行していく観鈴と、逆に未来に進む覚悟を決めた神尾晴子との関係を見て発した「とあるセリフ」は、この物語全体の最大のキーワードともいえるものであった。
原作と違って既に成鳥であり、観鈴からは「一番高く飛べる烏」と言われている。
本作では往人はそらに変身しないまま完結するが、夏祭りの朝に往人が観鈴の元から逃げ出そうとした際にはその前に立ちはだかるなど、まるで往人の未来を知っているかのような振る舞いを見せた。