概要
『ドラゴンクエストⅡ』に登場予定だったモンスターで、ゲーム雑誌に掲載された開発中の画面写真に写っていた。
※再現画像
製品版には登場しなかったため、長年その正体については様々な憶測が流れていた。
なお、続編の『ドラゴンクエストⅢ』以降には、使用すると敵の素早さを0にする道具「まだらくもいと」が登場している。
またこのモンスターはドット絵しか公開されていなかったが、「ファミコン神拳」の『ドラゴンクエストⅢ』の紹介記事でイラストが掲載されたが、登場しなかったモンスター(タワーオブアイ、ガスドラゴン、リザードマンなど)も多数いたことから、それと合わせて知る人ぞ知る存在として語り継がれていた。
これらの未登場のモンスターは、名前が変更されるなどして続編で登場する場合もあった(ミミックやだいおうイカなど)が、このモンスターは現在にいたるまで登場していない。
2000年代、発売当時には無かったインターネットの発達によって、この謎のモンスターについて気になっていたものたちから情報が発信されるようになり、シンプルすぎる蜘蛛というデザインから鳥山明のデザインではなくスタッフによる仮デザインではないのかという意見も出されるようになった(ゲーム雑誌の速報では開発中の仮デザインのまま写真掲載される場合があった)。
余談ではあるが、鳥山氏がメインイラストのみ担当となったドラゴンクエストモンスターズシリーズのスカルスパイダー系まで、他社のRPGでは定番の蜘蛛モンスターは登場していなかった。
そして伝説へ…
2016年5月27日にドラクエ発売の30周年を記念して『鳥山明ドラゴンクエストイラストレーションズ』が刊行された。
この作品集には今までの没キャラが掲載されるとのことで刊行前から大いに期待されていた。
そして『ドラゴンクエストⅡ』の項目を見てみると…
掲載されてたよ!
ゲームのキャラデザインに参加するのはまだ2作目で、どの程度のディテールがドット絵で画面上に反映されるのかが未知数だった鳥山氏が試験的に蜘蛛の巣という背景付きでシンプルに描いたデザインのひとつであることが判明したのであった。
ただし名前は「スパイダー」であるが…