「彼女を、決して離すなよ」
CV:中井和哉
概要
中立のミナト「ダスティミラー」のオーナーをしている隻眼のゴッドイーター。必要とあらば白い旧型の神機を手に前線にも出る。
AGEではない普通のゴッドイーターのはずなのだが、偏食因子の調整なしで灰域で行動できるという規格外の能力を持っている実力者。
イルダ・エンリケスとは以前から親交があり、彼女の紹介で主人公たちAGEのチーム「ハウンド」と出会う。集めていた灰域種アラガミの情報を売買する相手を探していた一同に対し、それを大金で買い取る。本人曰く「それだけの価値がある情報であり、妥当な額」とのことだが、イルダの世話になるまでは奴隷同然だったハウンドたちからすれば想定以上の破格の扱いであり、ユウゴがそこまでしてくれた理由を聞いたところ、
と答え、その後もハウンドのビジネスパートナーとして度々協力している。
イルダ曰く「真剣に生きる人間を決して見捨てない」とのこと。
本編終了後は出撃メンバーとして使用可能になる。
また、フィムに懐かれている主人公に冒頭の言葉をかけており、ハウンドたちやフィムのことを個人的に気にかけるそぶりを見せている。
さらには、本編EDは彼のモノローグでしめられており、出番は決して多くないが圧倒的な存在感を放っている。
後半に現れる重要キャラなのだが、上記の言動など、どこか謎のある男である(ただし、データ上の経歴は問題ないらしい)。
その正体は‥‥?(以下、ネタバレ注意)
公式などでも正体の明言は避けられているが、シリーズのファンは一目でピンときただろう。
そう、あのソーマ・シックザールである。
容姿や声はもちろんだが、
- ソーマ専用である白い旧型の神機を使用する。
- ヒト型アラガミであるフィムを気にかけているが、ソーマも過去に人間そっくりのアラガミのシオと交流があったがシオとは悲しい別れに終わっている。つまり、冒頭の台詞は「お前たちは俺やシオのようになるな」という彼なりのエールということになる。
- AGEは「P73-C偏食因子」を投与されたことで灰域で活動できるが、ソーマは自力で「P73偏食因子」を体内で生成できる唯一のゴッドイーターであり、調整なしで灰域で活動できても全く不思議はない。
- 出撃メンバーに加入後、パーソナルスキルを見ると、バーストアーツではなくソーマと同じブラッドアーツ:CC.ブーステッドを使用可となっている。(ブラッドアーツはGE2の主人公とそこそこ親密じゃないと習得できない。)
- 「アイン」という名前はドイツ語で「1」を意味しており、全てのゴッドイーターのオリジナルであるソーマのことを指しているともとれる。
- 追加DLC「もう一人の鬼神」ラストで「極東に、俺を待っている奴らがいる……」と語っており、どうやら極東に帰ることを望んでいる。
など、彼がソーマであることを示す証拠は劇中のあちこちにみられる。
ただし、隻眼になった理由やダスティミラーのオーナーになった経緯、何故名前を変えているか等の前作からの10年以上の「アイン」となるまでの期間の詳細は本編では不明のままである(年齢も明言されていないが、公式サイトによるシリーズ紹介映像「3分!?でわかる「ゴッドイーター」!」で3の時代が1から16年後の西暦2087年であることが判明したので、おそらく34歳。なお、リカルド曰く「見た目は若い」とのことであり、それほど老化していない模様)。
余談
アイン=ソーマであることはほぼ確定しているが、リンドウやアリサをはじめとする過去2作の他の主要キャラの安否は不明のままとなっている。
ただし、シリーズのファンの多くは
「あいつらは殺しても死なない」
「AGEじゃないけど灰域種ぐらい楽に倒せそう」
と心配しておらず、アイン自身も上記の台詞のように彼らの無事を信じて疑っていないようだ。
関連タグ
以下、さらなるネタバレ
追加DLC「過去との邂逅」のクレア編ラストで突然体調を崩す。このことに気付いたのはフィムと主人公だけだが、彼の状態を感じ取ったフィム曰く、
「アインのなかのアラガミ…さけんでる…!」
「このままだとアインのからだ、こわれちゃう…!」
と、かなり危険な状態。
実は、本編終了直後からアインの体はゴッドイーターとしての稼働限界を迎えかけており、もってあと半年の命だったのだ。
本来ゴッドイーターの稼働限界は「本人のオラクル細胞制御能力が加齢により衰え、オラクル細胞を制御出来なくなり、暴走、死に至る」と原因はゴッドイーター本人にあり、この現象はオラクル細胞が後付けされた従来のゴッドイーターや、ナナを代表とするゴッドイーターチルドレン(親がゴッドイーターである事による生まれつきのゴッドイーター)に起きる現象であり、その生い立ちから「ゴッドイーター」というより「ヒトというアラガミ」に近いソーマには起きないはずである
しかしソーマの場合、「本人のオラクル細胞制御能力に異常はないが体内のオラクル細胞が異常に活性化し、制御能力を超えた結果ソーマの身体を蝕んでいる」という形で、オラクル細胞側に原因があるため、延命が出来なくなっていた。
さらに、その後の追加DLCでは驚愕の事実が判明する。
なんと、「ソーマ・シックザール」は灰域を発生させる原因となった大災害「厄災」を、何らかの実験の失敗で発生させてしまった大罪人「厄災の三賢者」の一人として人々に記憶されていたのだ。
つまり、アインはあえて名前を変えていたのではなく、多くの人々の命を間接的にとはいえ奪ってしまった犯罪者と世間ではみなされており、素性を隠さざるを得なかったのである。
ただ、不幸中の幸いであるが「ソーマ・シックザール」の顔写真等のデータは厄災時の混乱で失われているため、人相までは変えずに済んでいる(「神機とかもそのままだし、名前以外隠してないでしょ」とツッコんではいけない)。
そして、ハウンドを敵視するある人物がアインこそが「ソーマ」であることを突き止め、「ハウンドと手を切り自分と組め」とアインを強請るが動じなかったため、ハウンドに匿名メールという形でその情報をリークしてしまう。ユウゴたちは「アインと自分たちの関係に亀裂を生じさせるためのイタズラでは?」という可能性が有力と当初は考えており、事を荒立てたりしていなかったが……。
以下、最終章のネタバレ、注意!!
「過去との邂逅」最終章に当たるアイン編で遂に体が限界にきてアインは意識不明となる。さらには緊急の精密検査によりアインがソーマと同じ身体上の特性を持つことが判明し、遂にアインの正体がソーマであることが確定する。
本来は罪人として司法に引き渡すべきだが、今までの恩もあるため一同はアインの処遇は一旦保留として、アインを治療する手掛かりを得るためにアインの精神世界「感応領域」に主人公の意識を送り込む。
そこで判明したことは、厄災の真実だった。
厄災を引き起こした実験の際、ソーマは可能性は低いながらも存在する危険性の高さから再度検証すべきだと最後まで反対したものの、「ここに至るまでも莫大な費用や労力が掛かっている、再検証もタダではないし危険性の現実味が薄い」と賢者の1人に反論され、その場は日を改めて実験の延期について話し合うと言うことで解散になったものの、彼が不在の間に残り二人の三賢者によって実験は強行され、その結果として世界中に灰域が発生、その時の混乱と灰嵐によって誕生したと思われる新種のアラガミ「アヌビス」との戦いでソーマは片眼を失った(つまり、本当はソーマ自身に責任はない。ただし、本人は止められなかったことに責任を感じている、また他の三賢者の二人はその事故以後消息不明となっているが、状況的に誰よりも早く灰嵐に巻き込まれ死亡したと思われるが現状何も明らかにはされていない)。
その最中、かろうじてまだ生きていた回線に極東のリンドウからの通信が届く。極東支部こそ灰域に飲まれたものの、なんとか仲間と共に厄災から生き延びたリンドウは、自分のせいだと嘆くソーマの声を受け止めた上で「手の届くやつは守るから、お前も生きてこの一件にケリをつけろ」と彼を励まし、通信が完全に切れる前に再会を約束する。それ以降、ソーマは「アイン」と名を変え、自分なりに厄災を終わらせるために戦い続けていたのだった。
「感応領域」最深部にたどり着いた主人公を待っていたのはアインと、幼いころのソーマそっくりな少年だった。この少年こそがアインの命を危険にさらしていたアインのオラクル細胞、否、アラガミの自我だった。生まれた時からソーマと共にあり、彼が苦しみ続けるのを見ていることしかできなかった彼だったが、本編終盤で主人公とフィムの起こした広域感応現象「エルヴァスティの奇跡」で活性化したことで一時的に自我に目覚め、自分の意識が消える前に厄災による罪の意識に苦しむソーマを捕喰し、アラガミ化させることで楽にしてあげたいと考えての行動だった。しかし、自分を助けに来た主人公を見て逃げずに生きることを決意したアインに、「アラガミになるよりもソーマのままでいてくれた方が僕も嬉しい」と笑いかけると再びアインの中で眠りについた。
ちなみに感応領域において彼の罪の意識がアラガミの形を取ったものと闘うのだが、この「罪」をアラガミの自我は「ソーマの事を知りもしないくせに悪く言う気に入らない奴」と認識しており自身の消滅前に主人公とソーマに力を託し、直前まで灰が吹き荒び薄暗かったフィールドが晴れ、「No Way Back」が流れ始める演出がある。
回復した後、アインは改めてクリサンセマム一同に自分の正体と厄災の真実を伝える。その上で極東の仲間たちと再会し、彼らと共に灰域の問題の解決を目指すことを明かす。だがそのためには北欧から極東までの中継地となるミナトをいくつも作らないといけない。自分たちのミナトを世界中に作ることが夢であるユウゴたちは再びアインと共に歩むことを決意する。
体調は回復し、アインを強請っていた人物はそれまでの罪状等もあり逮捕されたことで正体が公になる当面の危機は脱したものの、今後同様にアインの正体に誰かが気付く可能性は残っており、極東までの道もいまだ果てしない。しかし、アインと若きAGE達となら、きっとどんな苦難も乗り越えていくことであろう。