アガタ・キョウスケ
あがたきょうすけ
演:黒田勇樹
「あいつらは人間じゃない! ケダモノだ! だから殺した…! それのどこが悪い!?」
Episode.8「BLOOD MESSAGE」に登場するゲストキャラクター。
中の人は『ニーサン』でお馴染みの黒田勇樹氏。
とある雨の日、街角の古い映画館で一人心細そうに立ち尽くしていた女性・アサミと出会い、後に結婚。平凡かつ幸せな生活を送っていた(因みに二人はその後、その映画館で古いスリラー映画を観た様だが、出会って間もない関係なのによくそんな怖い映画を一緒に見れたものである。偶然にも好みが同じだったのだろうか…?)。
しかし、本編の一か月前に起きたとある事件が二人の生活を一変させる。
ある日、二人はサメオ率いる麻薬密売グループの取引現場を偶然にも目撃してしまい、サメオは口封じの為にアサミを射殺してしまう。
しかしその直後、信じられない出来事が起きる。何とアサミは突如としてエイリアン=ヒュプナスに変貌して生き返ったのだ(その際、今度は自分を射殺しようとしたサメオの仲間を即座に殺害した)。
これまで一緒に暮らしてきた恋人の正体がエイリアンという事実に驚愕しつつも、命拾いしたキョウスケ。だがそれ以来、二人の生活は変わってしまった。アサミは事件が起きた日と同じ雷雨の夜が起きる度にエイリアンの本能が覚醒。自分を傷付けたサメオとその仲間に復讐せんと殺戮を繰り返す様になってしまう。
「アサミ! もうやめるんだ!!」
どれだけ説得しても、復讐をやめようとしないアサミ。やがて事態を重く見たDEUSのエージェント達も動き出し、アサミは逆にサメオの仲間は愚か、彼らからも命を狙われてしまう。
「待ってくれ! 妻を…見逃してくれ! 悪いのはアイツらなんだ!」
エイリアンとして殺戮をやめようとしないアサミを始末しようとするジンの前に現れ、必死にアサミを殺さないでくれと嘆願するキョウスケに対し、ジンは告げる。
「例え復讐は終わっても殺戮が終わる事はない。何故なら殺戮本能こそが覚醒したエイリアンの本性だからだ」、と。
それでも「アサミは優しい女性であって、そんな狂暴な怪物じゃない」と言い張るキョウスケであったが、そんな彼にジンが言い放ったのは、衝撃の事実だった…。
以後、ネタバレ注意!!
「それじゃあ何故!………
貴方はアサミさんを殺した?」
実はサメオが撃ち殺したのはアサミではなくキョウスケの方であり、彼こそがエイリアン=ヒュプナスの正体だった。更にキョウスケは殺戮本能に従い、妻のアサミをも殺してしまった事が判明。しかし、それでも事実を受け入れられないキョウスケは記憶を捻じ曲げ、「今もアサミが生きている」という偽の記憶に自ら囚われてしまった。そして最終的には自らがアサミ自身となり、サメオ達に復讐を行っていたのである。
「嘘だ…!」
それでも事実を受け入れられず、発狂するキョウスケ。そんな彼に追い打ちをかけたのは、
「死ねぇ!化けモンがぁぁ‼︎」
自分達から平穏を奪った張本人であるサメオだった。
サメオのマシンガンで撃たれ、激情したキョウスケは再びエイリアンの本能が覚醒。サメオを惨殺し、ついに復讐を果たしたが…。
「今度は誰を殺そうか…アサミ…」
もはや完全に人間としての心を失ってしまったキョウスケ。そんな彼にこれ以上血を流させないとジンはウルトラセブンに変身、彼を葬ったのだった。
事件後、エレアはジンから今回の事件の経緯を聞かされる。
キョウスケはサメオの仲間を殺害した際、現場に被害者の血で『NORMAN』というメッセージを綴っていたのだが、古いスリラー映画に詳しいエージェント仲間によると、それは「映画に登場する『愛する母親の死を受け入れられず、自ら母親を演じた殺人鬼の青年』の名前」だという事が判明(因みにそのメッセージの内、『R』だけが擦れていた為にジン達はそれを『T』と読み間違えていた事で、「事件の犯人は女性なのではないか?」と誤解していた。ジン達が当初、エイリアンの正体がアサミだと思い込んだのはそのため)。
つまり、キョウスケの中で僅かに残っていた人間としての本能が、歪んだ自分自身の正体を伝えていたのだ。
その事実を知ったエレアはこう推察する。
「キョウスケは、自分が自分じゃなくなる恐怖から誰かに止めてほしかったのではないか?」、と。
エレア「彼(キョウスケ)はあなたに殺される事で救われた。この世界には、思い出さなくてもいい記憶もあるはずだから」
かつてジンの身に起きた出来事、及び後に起きる終盤の展開を考えると、エレアはキョウスケに対し、何か思うところがあったのかもしれない。