正式名称:暗殺教団
英語:Assassin, Hashishi, Hashshash
アラビア語:الحشاشون
概要
中世ヨーロッパにおいて、イスラム教シーア派の分派であるイスマーイール派の一派「ニザール派」に存在したという神秘主義的なカルト教団であり、伝説によれば彼らはアッバース朝、セルジューク朝、その他多くのイスラム帝国王朝や、十字軍の要人らを狂信的に暗殺していったという。
その伝説の起源となったのは、シリアにおけるニザール派の中核的指導者であったラシード・ウッディーン・スィナーンと、彼の同志フィダーイー(自己犠牲を厭わぬ者)たちによる活動とされており、彼らはみな勇猛果敢で、ニザール派の勢力拡大のために時として暗殺という手段を用いていたことから、十字軍に非常に恐れられていたという。なお最初の指導者ハサン・サッバーフの「真実などない。すべては許されている」という言葉はあまりにも有名である。
「アサシンクリードシリーズ」におけるアサシン教団
Ubisoftのゲームアサシンクリードシリーズには、上記の伝説を基にした架空のアサシン教団が描かれる。
起源はプトレマイオス朝末期の古代エジプトで、民や国を陰から支配する『古き結社』に対抗し、人々の自由意志を守るための秘密結社としてバエクとその妻アヤによって結成された。
かつては『隠れし者』と名乗っていたが、中世になると敵対する古き結社が『テンプル騎士団』に改名して歴史の表舞台に立つようになる。
当時の指導者であったハサン・サッバーフは自分たちも表舞台に出て民衆を奮起させるべく、アサシン教団と名を改めた。
史実とは違い世界規模の組織であり、また自由を掲げているためメンバーの宗教は様々で、キリスト教、ブードゥー教、精霊などを信じるアサシンも数多くいる。
アサシン教団もテンプル騎士団も平和な世界を望んでいるが、そのための手段として前者は「個人の自由」を、後者は「絶対的な力による支配」を掲げているため、歴史の裏側で絶えず争いを続けてきた。
特に『かつて来りし者』と呼ばれる超古代文明人の遺産には人間の意志を操る力を持つ物もあり、アサシンたちはそれが騎士団の手に渡るのを阻止してきた。
史実でテンプル騎士団を異端審問にかけて滅ぼしたフランス王フィリップ4世も、本シリーズではアサシン教団の協力者だったことになっている。
しかしテンプル騎士団は表舞台から姿を消したが、かつてと同じく秘密結社に戻って存続しており、その戦いは21世紀になっても続いている。
正史ではなくあくまでファンサービスではあるが、同社発売ゲームであるウォッチドッグスレギオンの舞台である2040年のロンドンに、アサシン教団所属の人間が登場する(イギリスが舞台であることから、同じくイギリスが舞台だったシンジケートの主人公の片割れのジェイコブ・フライについて「最近の検索履歴『ジェイコブ・フライ 子孫』」というフレーバーテキストのあるNPCも存在する)
教団もまた一枚岩ではなく、テンプル騎士団との融和を試みる者や、教団への不信から騎士団へ寝返る者もいた。
組織を象徴する武器としてアサシンブレードがある。