CV:小野賢章
概要
こどもたちの棟を統率するエリート・星つきの元リーダー・クリストファーの生き人形。
物語時点では主人と共に既にこどもたちの棟にはおらず、その全貌は彼を知る者達の間で語られるのみである。
容姿
癖の強い黒髪に、整った顔立ちの美青年。その表情は主人にあわせるように常に自信にあふれた柔和な笑みを浮かべている。
性格
シャドーに仕える生き人形として常に主人の傍でその感情表現に従事し、サポートに徹している。実の所クリストファー以上に聡明であり、「優秀過ぎた」と後に語られるクリストファーの功績は、高い能力を持ちながらも自信の欠けていた彼を補佐していたアンソニーの功績であもある。その為、この一対をよく知る関係者曰く「彼は『最高の世代』の影の主役」と評している。
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※ネタバレ注意※
「君が僕の『生徒』になってくれれば、
こどもたちの棟を統率して館に対抗できる時が来るだろう」
真相
2度の亡霊事件が、マリーローズ/ローズマリーによる衝撃的な結末となった後。自室に戻ったケイト/エミリコの前にローブを纏った姿で登場。事件の首謀者が表向きはマリーローズとローズマリーとされる一方、彼女達に協力して実行犯として動いていた辺りでアンソニーは亡霊事件のもう一人の「ローブ様」、第3の黒幕的存在でもある。
過去、「お呼ばれ」を受けたことで「おじい様と共にある棟」へクリストファーと出向いたが、そこで受ける「一体化」の儀式を知った事で、アンソニーの自我を取り戻しそれを優先させていたクリストファーはこれを拒否し、自害した。
一人だけこどもたちの棟に戻ったアンソニーはそれ以降、駆け込んだ先のマリーローズとローズマリーにのみコンタクトを取りながら館の中で潜伏し続けていた。
どうやっておじい様と共にある棟からこどもたちの棟に戻ってこられたのか、そもそもクリストファーの自害は真実なのか等と明らかにされていない部分も多く、現在の行動理由も「館への対抗」が含まれている事は窺えるものの、本性は謎に包まれたままである。
マリーローズ/ローズマリーとは同志関係ではあったものの、最終的に彼女達が「身投げによる逃亡」を選んだ事で袂を分かつ。その一方で、明確な「館への反乱」の為に奔走するケイトに対しては大いに期待を寄せている様子。
※さらにネタバレ注意※
「上手くいったね」
マーガレットによるすすツタの事件の後、主人を亡くした生き人形・マギーの元に姿を見せる。そして、事件の真相が「洗脳が解けたマギーを心酔させ、シャドーのすす能力を増幅させる効果のある『恩恵の欠片』をマーガレットに飲ませる事で欠片の効果を確かめる為」という、マリーローズの件と同じくこちらも彼が黒幕だった事が判明する。
亡くなった主人と同じく(むしろ元となった「人間」である為)、異常なまでの潔癖から「醜い化物=シャドーを全滅させて二人で館を変える」という願望を笑顔で告げたマギーに対し、アンソニーも笑顔を返すと…ナイフで、マギーの首を一閃した。それは、今まで明確な殺人描写が無かった劇中においては非常にショッキングな展開であり、多くの読者が「こいつはヤバイ」と思った事だろう。
さらに彼はケイト以外にも、おじい様とともにある塔内1階の住人・ルイスを「生徒」として従え、暗躍している事も判明する。ルイス自身はこどもの頃からクリストファーを敬愛していたが、劇中時点でその度合いは最早狂信の域に近いものとなっており、生き人形であるアンソニーの事も「教師」と呼び心酔している。
このように、アンソニーにとってケイト・マギー(マーガレット)・ルイスは見方を変えれば非常に体のいい「駒」である。その真意は闇ならぬ「すす」の中ではあるが、彼自身の能力の真骨頂は嘗てこども達の塔の「最高の世代」を作り上げた元主人・クリストファーと同じかそれ以上の「カリスマ性」と、相手を心酔させて狂信者にしてしまう程の劇中キャラトップクラスの「人心掌握術」にある。