CV:下地紫野
CV:下地紫野
概要
人と話すのが苦手でいつもおどおどしており、広間の掃除ではミスをしがち。そのため班の中では「無能」扱いをされている。
黒いリボンを左の人指し指につけており、これを「ラミー」と読んで一人会話をする場面が見られる。主にラムが不安や恐れ、戸惑いを抱いた時に話しかける辺りは、己の精神を安定させるためのイマジナリーフレンドのようなものである。
容姿
くせっ毛の強い黒髪のショートヘア。左側頭部の耳の上あたりにリボンが2つついている。たれ目たれ眉の顔つき。瞳の色は黒、もしくはやや青みがかったグレー。
同期の中では、エミリコと並んで一番背が低い。
活躍
エミリコが屋敷の大掃除に合流した頃から所属していた班の中では不遇の扱いをされており、本人も内気な性格がたたってバービーに目をつけられてしまい、屋敷の【亡霊】騒ぎの原因を突き止める為に深夜の見回りをするよう命じられる。
同じ見回りのメンバーであるエミリコとショーンの会話には当初加わろうとはしなかったが、見回りによる調査がなかなか進まない事と二人を巻き込んでしまったと思い込んた自責の念からついに口を開く。
これまでの他の生き人形との関わりから同じように二人も嫌悪を抱かれると思っていたのだが、予想に反してエミリコがラムの発声を喜んでくれたこと、仲良くなりたいと優しく接してくれた事、【亡霊】から逃げ出して一人ぼっちなっていた所を探しに来てくれた事などから、エミリコには次第に心を開き始める。
後に、同期として「お披露目」に参加。主人であるシャーリーは相変わらず反応が薄いものの、エミリコの影響を受けて得た勇気から積極的な姿勢を見せたことで共にダンスに興じる事に成功する。この時、ケイトと意思疎通が上手くいかず自信を失いかけていたエミリコを励ます様子も見せた。
庭園の迷路では、初めに選択できるアイテムの中では「ランタン」を選ぶ。迷路の中では途中でエミリコやショーンと合流し、深夜の見回りのよしみから暫し行動を共にする。そしてその最中、これまで役立たずと言われ続けた彼女は実は「計算が得意(すす時計のすす量から残り時間を導き出す)」「完全記憶能力(複雑怪奇に入り組んだ庭園迷路の地図を完全に暗記した)」という能力を持っている事が明かされた。
3人で謎を解いていき、主人を見つけたショーンと分かれた後はエミリコと二人でこびりつきの大群ひしめくルートを突破。お互いのお影様を助ける為にエミリコから互いの健闘を祈る言葉をかけられるが…。
シャーリーとの関係(ネタバレ注意)
エミリコの言葉をきっかけに、「お披露目」やそれ以前から曇り続けていたラムの顔はついに限界を迎えて、涙を流し始める。
「シャーリー様の“顔”は…『ラム』じゃない!!!」
それは、ラム…正確には、『生き人形』の少女にとっては恥ずべき秘密。シャドーハウスのルールにおいては主人から名前を与えられる事で『生き人形』は主人の“顔”としての立場を得られる…主人から名前を与えられる事そのものが、そのまま主人の『生き人形』に対する愛情の表れの一つとも言えるから。
「お披露目」序盤に主人とは似ない全く違う名をつけられた事から「愛されていない」と評されたエミリコだったが、ラムの場合はそもそもシャーリー本人から名前さえ与えられていなかったのである。そしてそれ以前の問題としては、シャドー家に来て『生き人形』としてシャーリーに仕え始めてから一言も会話をしたことがなく、おやすみのキスどころかその声掛けもできない程に主人とのコミュニケーションが全く取れていなかった。
顔の見えないシャドー家の者の感情が唯一判別できるすすも殆どでないことも相まって、主人の心中が見えない事から不安を募らせる日々を送る中で見出したのはリボンをつけた左人差し指の「ラミー」という想像上の話し相手と、その話し相手からつけられた「ラム」という名前だった。
どうにか自身を名乗る為の名前を得たラムだったがそれも結局はその場しのぎに過ぎないもので、シャーリーとの交流もないままに挑んだ「お披露目」で同期の生き人形達の主人に対する思いを目の当たりにしたことから「主人の事よりも自分自身の事ばかりを気にしている」と思い至った彼女は、シャーリーからは愛されていないのだと号泣してしまう。
だが、エミリコからの励ましを受けた事で勇気を得たことで前向きになり、途中で彼女と別れて一人で先に進む事ができるようになった結果、シャーリーの元に辿り着く。彼女を助け出した際には言葉を交わせるようになり、ラムの表情も笑顔になっていた。
関連タグ
エミリコ ショーン(シャドーハウス) ルウ(シャドーハウス) リッキー(シャドーハウス)
ラムだと同名のキャラクターが多いので「ラム(シャドーハウス)」タグ推奨
※以降、ネタバレ注意
お披露目の「結末」
庭園の砂時計のタイムリミットも少ない中、同期達が次々とゴールしていく中で彼女もシャーリーと共に出口を目指していたが、ケイト・エミリコ組がゴールしたその直後にシャーリーの身体が崩れ始めてしまう。元々シャーリー自身に体力がなかったのか、ゴールを目指す足取りも徐々に遅くなっていたのを懸命に支えていたラムだったが、その甲斐もむなしくシャーリーの身体は文字通りすすとなって消滅。最後までラムが握っていた主人の手も崩れ去り、残されたのは、左手人差し指に付いていたお揃いのリボンだけだった。
「お披露目」の後はケイト・エミリコ組に焦点が当てられるため、その後のラムがどうなったのかは不明となるが、エドワードの話から「すす入り珈琲を飲ませた上で記憶をリセットし、再利用する」という「お披露目」に落ちた者の末路だけは明かされた。
後に洗脳を解かれたエミリコとショーンは、ラムが館の中で「顔の見えない人形」として使役されているのではないかという推測に至り、いつか彼女を探し出して救い出す事を決意している。
※以降、さらなるネタバレ注意
シャドーハウスに立ち向かう為に、その足掛かりとして子供の生き人形の洗脳を解くべく行動を起こし始めたケイトとエミリコだったが、その最中で起こったアクシデントの中で一人の「顔の見えない人形」と遭遇する。
この生き人形は何故か二人を捕らえる事もなく二人を助けるような行動を取り、それを問う暇も無いまま二人はそのまま脱出。ケイトの後を追いつつも、エミリコは何かに惹かれるように背後の生き人形を一度だけ振り返って見つめていた。
この真相を無事にこども達の棟へと戻ったケイトとエミリコ、彼女達の無事を確認するために部屋に忍び込んできたジョンとショーン達四人は、いつの間にかエミリコの懐に忍ばされていた手紙を読んで知る事となる。
ラムより
読者からはシーンの様々な点から「あの顔の見えない人形はそうなのではないか?」と予想、そして期待されていた通り、正体がラム本人である事が明かされた。
「お披露目」後に、エドワードによってシャドーハウスのおじい様と共にある棟へ監禁された後、「顔の見えない人形」にされる為に30日間すす入り珈琲の洗脳を受ける事となる。しかし、エドワードや他の大人達の与り知らない所で起こっていた誤算——崩れて消滅した筈のシャーリーが実際は人の形を維持しきれなかっただけで元のモーフとして生き延びた事、そしてその直前に僅かに交わしたラムとの触れ合いで明確な人格とすす能力を得た事により、ラムはシャーリーの協力で珈琲による洗脳を回避。
記憶のリセット期間を乗り越えたことで、自我を保った状態で「顔の見えない人形」としてこども達の棟に配属される事となった。そのタイミングで、エミリコ達に接触する為に前述の行動で彼女達を助ける。
立場上、あてがわれた部屋以外の場所では物言わぬ生き人形としてしか動けないが、身体が小さなシャーリーが立ち回る事で連携しシャドーハウスの秘密を探るという、シャドーハウスに反旗を翻す意思を見せている。
モーフに戻ったシャーリーとの仲も彼女がラムと交流が可能な程の人格を得たことで信頼関係が築かれ、それは以前は叶わなかった「おやすみのキス」が出来るようになったり、シャーリーがリボンに擬態している間だけとはいえ心で会話ができる程にまで深まっていた。
過去
シャドーハウスの麓の街、ミラーサイドで暮らしていた11歳の少女「シャーリー」。学校に通っており、勉強ができる優秀な生徒ではあった。しかしその頃から自分に自信がない内気な性格だったらしく、クラス内でも一人でいる事が多くすぐに家に帰ってしまう程に同年代の友人同士の付き合いが少なかったようだ。また、殆どの村の子供達は教えられた通りにシャドーハウスへ従事する素晴らしさを受け入れている中、彼女だけはシャドーハウス以外の村の外の様子が知れない事を不思議に思っており、今おかれている環境の異質さに薄々感づいていた。
これらの事もあってあまり周囲に馴染もうとはせず、「選別会」にも乗り気でないどころか選ばれずに将来は村のドレス工房で働くことを望んでいた。
選別会前夜、サーカスの公演後にジョン(後のショーン)達と共にある少女に出会う。サーカス団に捨てられた彼女を翌日の選別会に潜り込ませるための方法を思いつき、その後は行く宛のない彼女を家に匿う。その際、自分に自信がない事を打ち明けた際に少女のアイデアで、友達同然に大切にしていたウサギのぬいぐるみのリボン飾りを左人差し指につけた事で勇気づけられる。このぬいぐるみ「ラミー」とそのリボン飾りが、後にイマジナリーフレンドの「ラミー」及び生き人形としての「ラム」を形成する由縁となった。