CV:石原夏織
概要
“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”と呼ばれる、暁古城の先代の第四真祖。
虹色に煌めく金髪に焔光の瞳をした少女である。尊大かつ威厳ある口調だが、非常に臆病で無邪気な性格をしている。
物語が始まる前に古城の手にかかる形で一度死亡しており、本編途中まで主に回想の中に登場する。
正体と役割
以下、第8巻以降のネタバレ。
そもそも彼女は「本当の第四真祖」ではなく、あくまで「第四真祖の力の一部」に過ぎない。
第四真祖とは、かつて神々と敵対した咎神カインの監視者として生み出された人工吸血鬼であった。
しかし、初代の第四真祖は監視任務を放棄してカインと友情を育み、それを危惧した神々は第四真祖の別人格「原初(ルート)」を起動させてカインを殺害、正気に戻った第四真祖は怒り狂い神々に反逆するも、その身を眷獣と同じ12体に割かれ封印された。
アヴローラはその12番目の個体「十二番目(ドゥデカトス)」、氷の眷獣“妖姫の蒼氷”をその身に秘めた存在である。
そしてアヴローラには、彼女だけに与えられた使命があった。
世界を滅ぼしかねない“原初”が再び目覚めぬよう監視するという使命が。
しかし、現代になって彼女と“原初”が封印されていた遺跡が発掘され、“原初”はその場にいた霊能者である古城の妹、暁凪沙に憑依してしまう。
目覚めたアヴローラはテロ被害に遭い負傷した古城を自らの「血の従者」(擬似吸血鬼)に変えることで救い、一時的に“原初”を押さえ込んだ。
それから数年後、武器商人バルタザール・ザハリアスの野望によって“原初”が絃神島で目覚めてしまい、アヴローラの「姉妹」のうち9体を吸収、さらに島民達から固有堆積時間=記憶を奪い取って力を補填し絃神島を破壊しようとしたが、凪沙と世界、古城を救うべく、アヴローラは古城の手を借りて“原初”と対峙するも、一つの眷獣しか操れない古城とアヴローラでは歯が立たなかったが、既に吸収されていた姉妹たちの内側からの反抗によって形勢が逆転する。
アヴローラは吸血鬼の『同族喰らい』の特性を利用して“原初”を自らの身体に閉じ込め、自分ごと葬るべく古城を操って自分を殺させた。
その際、“原初”が吸収していた9体の眷獣を古城に託した。
これこそが、古城が第四真祖になった真相である。
しかし、事件の当事者としてアヴローラに深く関わった古城たちは、“原初”の記憶吸収によってこの時の記憶が薄れており、詳細を思い出すことができなかった。
その後遺体は古城の母、深森の勤務先でもあるMAR施設の地下に氷漬けの状態で封じられている。
復活
自らの死により幕を引こうとしたアヴローラだったが、彼女の消滅を厭った凪沙が霊能力によって魂の断片をその身に宿すことで存在を保った。
これによって凪沙の能力はアヴローラの存在維持に割かれることになったが、そんな無茶がずっと続くわけもなく、約1年後の真祖大戦において凪沙の生命活動を脅かすことになる。
この事態を回避するため、同じく第四真祖の分け身である「六番目(ヘクトス)」が身体を明け渡してアヴローラの魂の新たな器となり、蘇生を果たすことになった。
それから数ヶ月の間は眠りについたままだったが、絃神島を舞台にした「零番目」の第四真祖こと「無(ケノン)」の暴走を阻止すべくついに目覚める。
古城と再会し、彼を助けるために自らの消滅を厭わず“妖姫の蒼氷”を解放するが、二度も彼女を死なせまいとした古城の吸血により、彼が持つ11体の眷獣を譲渡され、再び第四真祖になることで命を繋いだ。
しかしその直後、天部の裏切者であるシャフリヤル=レンに異境へと連れ去られてしまう。
アヴローラを救うべく異境へと追いかけてきた古城の目の前で、彼女はシャフリヤルの魔具によって操られ、12体の眷獣全てをキメラ状態で使わされ、またも消滅の危機に陥る。彼女を救おうとした古城はシャフリヤルの手で倒され、絶望的状態になったと思われたが、偶然にも古城の持っていた「血の伴侶」を作るための「契約の指輪」をアヴローラが手にしたことで彼女の血によって指輪の中の体組織から古城は復活した。
そして、アヴローラは改めて全ての眷獣を古城に譲渡。古城は彼女に指輪をはめて「血の伴侶」とすることで、古城自身の魔力でアヴローラの存在を保つことに成功した。
事件の解決後、ようやくアヴローラは普通の吸血鬼として平穏に生きる日々を得た。
APPEND4掲載の短編「人工島の落日」では、養子縁組により暁家に迎え入れられることが明かされている。