血の伴侶
ちのはんりょ
「血の伴侶」とは「血の従者」の異称。
「血の従者」となった者は、眷獣の力を掌握する際の霊媒の役割を担うことになる。「血の従者」が異性だった場合、便宜上「血の伴侶」と呼ばれている。
「血の伴侶」の契約は主となる吸血鬼と肉体の一部(骨や血肉など)を交換、それを触媒に霊的パスを繋ぐことで成立する。
「血の伴侶」となった者は「疑似吸血鬼」化し、主からの魔力の供給や、「不死の呪い」の共有などの特性を得る。特に真祖レベルの「血の伴侶」となると高い治癒・再生能力を持ち、蘇生も短時間で可能となる。
不死性を共有する「血の伴侶」は肉体が全盛期に達すると加齢が止まり、主と共に永劫の時間を生きることとなる。
物語の終盤、古城は第一真祖から“異境”へ向かい、アヴローラを救うチャンスを与えるという名目で、吸血王の黒い眷獣を無理やり移植される。不死の呪いだけが残った不完全な状態の古城は眷獣を制御できず、理性を失って異形と化してしまう。
第三真祖が古城を一時的に封印するが、古城をもとに戻すには眷獣と同数の「血の伴侶」が必要という第一真祖の言葉から、那月の号令で古城と縁のある少女達が集められる。
古城と霊的パスを結ぶための指輪が、既に古城の「血の伴侶」になっていた雪菜を除いた11人分作り出され、契約を結んで仮の妻(=供物)となるよう言い渡されるが、真祖の言葉を心から信用できない浅葱の反発から一旦見送りとなる。
その後、浅葱の立案した聖殲と雪菜の魔術制御、雪菜の古城に関する記憶などを利用した作戦が成功。雪霞狼の使用のために古城との霊的パスが必要な雪菜以外のメンツには「血の伴侶」になる理由が無くなったが、「古城の嫁候補の証」や「古城との霊的パス」など、それぞれ好きな理由で余った指輪を手に取り、合計12人の「血の伴侶」が誕生した。
第四真祖である暁古城と『血の伴侶』になったキャラクターの一覧。
姫柊雪菜
本作のメインヒロイン。獅子王機関に属する剣巫見習いで、第四真祖・暁古城の監視役。古城の妹・暁凪沙とはクラスメイト。古城の1人目の「血の伴侶」
『先輩の監視役ですから』の一言で常に傍に居るため、日常か非日常かを問わず息の合った様子を見せる。古城に初めの一歩を踏み出させたことから、古城からは相棒として最も信頼されている。古城とは周囲から「恋人」や「夫婦」に例えられる程の仲なので、周囲からはほぼ公認の仲。
古城が他の女子の血を吸うと嫉妬ですぐ拗ねてしまう面倒な一面がある。
20年後の未来では古城と結婚しており、2人の間に15歳の娘・暁零菜がいる。
藍羽浅葱
古城の中学生時代からの友人で、現在はクラスメイト。物語が始まる前から古城に恋心を抱いている。
早期からアプローチを仕掛けていたが、なかなか真意が伝わらず、周りからも不憫がられていた。
頭脳戦や情報戦などでは相棒の雪菜以上に信頼され、『カインの巫女』としての力で何度も見えない所から古城を救っている。
古城、雪菜、矢瀬の3人と絃神市国の立ち上げメンバーに加わる、雫梨も加えて5人で魔族特区研究部(通称マゾ部)を設立するなど、ヒロインの中では雪菜に次いで古城と行動を共にする機会が多い。
20年後の未来では古城との間に16歳の娘・暁萌葱がいる。
8番目の眷獣 | 「蠍虎の紫」 |
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合計 | 1体 |
煌坂紗矢華
獅子王機関に属する舞威媛。元ルームメイトで後輩の雪菜を妹のように溺愛している。
始めは雪菜を巡って一方的に敵意を向け、幼少期からの男嫌いも手伝って刃を向けたこともあるが、雪菜の話題で意気投合。心を開き好意を持つようになる。しかし仕事の都合で顔を合わせる機会が少いおまけに、極度のツンデレで全く好意が伝わらず(むしろ雪菜絡みで常に攻撃的な彼女に嫌われていると勘違いされている)、雪菜が一番のスタンスも物語終了まで変わらなかったため、恋愛関係にはほぼ進展が無かった。
叶瀬夏音
雪菜と凪沙の同級生。同級生なので学校では2人と共に居ることが多い。
独特の雰囲気と可愛らしさから、中等部の男子生徒からは「中等部の聖女」と呼ばれ、人気がある。
先代アルディギア国王の隠し子であり、ラ・フォリアの叔母にあたる歴とした王族の一人。
野良猫の里親探しで出合った古城のことを「お兄さん」と呼び強く慕っている。古城がどんな無礼を働いても、マイペースな態度を崩さず簡単に許してしまえる程に古城への好意は強い。
20年後の未来では古城と雪菜の娘から「かのねぇ」と呼ばれ慕われているようなので、古城や雪菜とも良好な関係が続いている様子。
1番目の眷獣 | 「神羊の金剛」 |
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合計 | 1体 |
ラ・フォリア・リハヴァイン
アルディギア王国の第一王女。夏音とは親戚関係にあたる。
夏音のこともあって初対面の頃から古城に好感を持っていた。古城の第一夫人の座を狙い既成事実を作ろうとしたり、外堀から埋めていくような真似を何度も試しているが、頭が良すぎて何を考えているのかよくわからない上に、腹黒い性格から古城からはかなり苦手に思われており、なるべく関わらないよう敬遠されている。ちなみにハーレム推奨派。
3番目の眷獣 | 「龍蛇の水銀」 |
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合計 | 1体 |
仙都木優麻
古城の幼馴染みでバスケ仲間。ボーイッシュな見た目の「ボクっ子」。たった一つの目的のための道具として生み出された彼女にとって、唯一自由意志で手に入れた古城との思い出は「唯一の宝物」と呼べる程大切なもので、古城への好意も強い。
幼馴染という距離感の近さからそれなりに大胆なアプローチをしているが、あっさりと雪菜に預けて古城の前から立ち去ったりなど、他より一歩引いた態度が多い。
4番目の眷獣 | 「甲殻の銀霧」 |
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合計 | 1体 |
江口結瞳
凪沙から可愛がられている小学校高学年の少女。精神支配に長けた世界最強の夢魔“夜の魔女(リリス)”の継承者。
命を投げ捨てようとした自分に古城がかけてくれた「死ぬまで幸せな一生を過ごすんだ」という言葉をプロポーズ(仮)と解釈して、古城と結婚することを夢見る。
「血の伴侶」探しの時は幼いからという理由で那月など周りのメンツから止められるが、「血の伴侶」探しが必要無くなった後は止められる理由も無くなったので、余っていた「契約の指輪」を頂戴して仲間入りした。
妃崎霧葉
太史局で六刃と呼ばれる攻魔師。古城と初対面では敵対関係にあった。本人は望んで敵対していたわけでは無かったため、古城に対して悪印象は無く、むしろ気まぐれで協力したり「血の伴侶」探しで特に反対すること無く協力するなど、興味程度の好意はあった模様。
「契約の指輪」をはめ「血の伴侶」となることで、第四真祖と霊的パスで繋がることに関して興味を示し、紗矢華をからかう意味も込めて指輪を独り占めしようとしたりもした。
羽波唯里
雪菜より1つ年上の獅子王機関に所属する剣巫。相棒の志緒とは仲良し。
古城と雪菜の息の合ったやり取りに「夫婦か!」とツッコんでしまったが、雪菜ではなく自分が古城の隣にいたかもしれないという「もしも」の世界を想像してしまうなど、古城と雪菜の関係を本気で羨ましがっている。
聖殲派のテロが勃発した時に助けてくれて以降、古城に惹かれるようになったので、志緒とは反対に古城への好意から「血の伴侶」となった。
斐川志緒
雪菜よりも1つ年上の獅子王機関に所属する舞威媛。唯里とはコンビ関係。同じ舞威媛である紗矢華とはライバル関係で、言い争いになることも多い。
古城への特別な想いは無いが、神縄湖で優しくしてくれた古城の父・暁牙城に対しては好意を抱いている様子。「血の伴侶」探しでは純粋に絃神島のピンチということで「血の伴侶」入りを決めた。
香菅谷雫梨・カスティエラ
聖団の修女騎士と名乗る美少女。タルタロス・ラプスに滅ぼされたイロワーズ魔族特区の生き残りで、頭から白く小さな角を生やした鬼族。那月から「パッパラ修女騎士(パラディネス)」と呼ばれるくらいのポンコツ。
恩萊島という監獄結界に似た世界で、記憶喪失状態だった古城の監視役を半年以上も務めた。恩萊島に居た頃から古城に好意を抱いていたが、既に古城の周りには雪菜をはじめとしたヒロインが大勢いたため、恋愛的な進展は無かった。
古城の『“元”監視役』という立場から、『監視役』である雪菜とはお互いにライバル視しあう関係。初対決で雪菜にステゴロで敗れて以降、苦手意識を持つようになったため、顔を合わせる度に警戒している。
アヴローラ・フロレスティーナ
古城に第四真祖を受け継がせた張本人。正体は神々によって12分割された初代第四真祖「原初(ルート)」の1人(ドゥデカトス)で、12番目の眷獣「妖姫の蒼氷」を支配していた。
古城と吸血王との戦いで消滅するピンチを、古城から11体の眷獣の支配権を譲渡されたことで回避する。その後“異境”で逆に消滅のピンチにあった古城に、12体全ての眷獣の支配権を譲渡し復活を手助け、力を失った自分は古城の「血の伴侶」となることで消滅を免れた。
アヴローラが“異境”へ連れ去られて以降、古城がアヴローラの事ばかり気に掛けるのと、古城と雪菜が一向に結ばれない事から、唯里や志緒は古城の本命はアヴローラなのではと疑ったことも有ったが、古城自身はアヴローラについて断片的な事しか思い出せなくなっており、「妹」のような存在だったということしか憶えていなかった。
本編の後日譚(APPEND4『人工島の落日』)では、古城の両親の養子縁組で古城の妹(年齢的には古城の姉)になる予定、ということが古城の口から雪菜に語られた。