暁牙城
あかつきがじょう
古城と凪沙の父にして深森の夫。「聖殲」を専門的に研究している考古学者で、数々の危険な遺跡から単独で生還したことにより「死都帰り」の異名が付いた。
本職は学者ながら、見た目はヤクザか時代錯誤のハードボイルドな探偵といったところ。
息子と同じく人の内面を言い当てたり、深く理解して気持ちを掴むような言葉や仕草を無自覚で披露してしまうなど、女たらしな一面がある。
生来の特殊能力は持たないが、洞察力と経験から上位の獣人と戦っても生還するほど戦闘力は高く、古城が相手でも(第四真祖としての本気を出していないとはいえ)軽くねじ伏せる。また銃の扱いにも長けている。
母親に土蔵に軟禁された時も常に筋トレやストレッチを忘れないなど、剽軽でいい加減な態度とは裏腹に真面目で努力家。お陰で顔は初老の中年男性だが、身体の方はギリシャ彫刻のように見事な筋肉で覆われている。
用意された食事内容の変化から、自衛隊と獅子王機関の作戦の進行状況を言い当てるなど、フィジカル面以外も優秀。
肉体は20年ほど前に遺跡「死都」を調査した際の事故でそこに半分だけ残ったままとなり、「こちら側」に存在しているようで存在していないという、曖昧なものになっている。その特性ゆえに物理的拘束を任意で透過できるほか、応用で「死都」に保管してある武器を自在に取り出すことが可能になっている。
暁の帝国発足以降は、咎の方舟(カインズアーク)の調査のために絃神島に住んでいる。
4年前の事件以降は古城たちと離れて暮らしていたが、冬休みに凪沙を連れて帰省しようと、絃神島を来訪する。娘の凪沙のことは溺愛するが、息子の古城にはぞんざいな態度を取るため、古城から「クソ親父」と疎まれている。古城と同様に女性から好かれて親しくなることが多いため、毎回深森を不機嫌にさせている。
実は焔光の宴により古城と凪沙に関する記憶の大半を失っており、現在はそれを悟らせないための演技をしている。