古代エジプトでは彫刻や絵画などの美術が存在したが、彫刻が写実的なのに比べ絵画は非常に特徴的な画風であり、一目見ればエジプト風というのが分かる物になっている。
実際はエジプト以外でもこのよう画風は存在したようだが、2000年以上ほぼ変わらない画風で描かれた点でもとくに有名である。
この為pixivでもこの画風に寄せたものにこのタグが使われている。
特徴
pixivでも踏襲されることが有るが、概ねこのような特徴がある。
- 胴体は正面向きに描かれているが、足、顔の向きなどは横向きという、いわばひねったような体勢になっている
- 横顔でも、目は正面向きの片方(写実的には、紡錘形を半分に割ったような形になる)
- 重要性や地位に応じて人物の大きさを変える
- 座りポーズを除き足は左右の区別が無い
- 背景や余白にはヒエログリフがある
- 体や手足の比率は常に一定
この背景には「不動性」「永遠性」などを重んじた古代エジプトの美学があり、人体の比率、プロポーションなどは厳密に定められていた。彫刻が極めて写実的なことからも分かるとおり、エジプト人もリアリズムを知らなかったわけではないが、絵画では写実美よりは理想美を選んだ。胴体は正面、足は横向きというのが「特徴的」で「本質的」とされ、それが組み合わされたものが「永遠性」を持つと考えられた。異なる視点から見たものを一つに合わせるという点では、20世紀のキュビズムにも似ている。
ちょうど、平安女性の描き方がふっくらとした顔立ちが理想とされたように、エジプト特有の理想形というのが存在したようだ。