概要
型番は「PV50」で、マニアにはこちらでも通じる。
ホンダ・モンキーの対抗馬として作られた小型のレジャーバイク。
車名は「Epoch-making=画期的」に由来する。
カタログにも「エポックを狙え。」と書かれていた。
パッケージングはモンキーに似ているが、こちらはエンジンが縦型の空冷2ストロークなのが主な違い。
そのためフレームに沿って長いチャンバーが伸びている。
最高出力は3.8馬力、ミッションは5速で、いずれもモンキーより高性能であった。
しかし、当時既にレジャーバイクの王道としての地位を確立していたモンキーには敵わず、1985年に生産終了。
ここにエポの歴史は幕を閉じた・・・はずだった。
スズキは何を思ったのか、1993年にエポを再販。
ライバルのモンキーが年式と共に近代化を遂げているにもかかわらず、こちらはそのままの仕様である。
平成の世になって1979年のバイクを再び送り出すという異常事態はライダーを驚愕させた。
今度はどんな勝算を見込んでいたのかは定かではないが、悲しいかな歴史は繰り返し、やはり販売不振なまま1995年に生産終了。
今度こそエポの歴史は幕を閉じた。
ちなみに、エポは不人気に終わったもののスズキはその存在を忘れてはおらず、静岡県浜松市にあるスズキ歴史館には、初期型が収蔵・展示されている。
余談
打倒モンキーに名乗りを上げたのはエポだけでなく、当時は各メーカーが類似のレジャーバイクを発売して対抗していた。
いずれも短命に終わっているが、後になって再販されたのはエポだけである。