概要
タイ形で側扁し、体高は後頭部付近で最も高く、尾柄で低くなる。
口は大きくて斜め上向きにつき、上顎の後端は目の後縁下方を遥かに越えて頭部の後縁近くまで伸びる。上顎に3本、下顎に4本の牙(犬歯)があり、両顎の前方の1本が特に強大。名前通り鬼や肉食獣を思わせる面構えをしているが、この牙は獲物を仕留めるためではなく、食べる時に押さえておく役割を持つ。アンコウやホウライエソ、オニボウズギスなどがよい例。
よく目立つ縫い目のような側線は、上下の鱗が伸びて溝の上で癒合し、一定の間隔で橋状になっている。体側の鱗は杯状で、7~8本の棘をもつ。各鱗は重なり合わないので、体の表面はビロード状。すべての鰭に棘がない。
体色は一様に黒色または濃黒色。
東北地方、北海道/世界中の暖海に分布し、水深100~5000m程まで幅広い層に小さな群れか単独で棲み、稚魚のうちはより浅い層にも現れる。生息する深さが幅広い深海魚は他にもいるが、これ程差があるのは珍しい。
もちろん肉食系で小型の甲殻類や魚類を食べるが、自身も食われる側なので大型の魚にはあえなく飲み込まれてしまい、マグロ類やミズウオなどの胃から見つかることも。
いかつい見た目だが一応キンメダイの親戚なので美味しいらしい。