概要
「超時空世紀オーガス」の主役機。
桂木桂が過去世界から乗ってきたブロンコⅡをエマーン人に修理してもらう際に、直前に乗ったモラーバの腕が便利だとして(木を掴んで急旋回した)腕を追加してもらって完成した戦闘ドリファンド。
あり合わせで作られたメカだが、人型メカの存在しない混乱時空においては多大な戦力となり、その戦闘能力を高く評価したエマーンにより、後にオーガスIIとして量産されることになった。
両腕前腕部にはモラーバ・リーア機から継承した連装のグレネードガンが装備されている。また、リーア機では背中に装備されていたミサイルガンはフライヤーとガウォーク時は右足に、タンクとオーガロイド時には腕に装備する。特にオーガロイド時には腕部に装着することで視野と射程範囲の自由度が上がるため本機の主要武器として重宝する。加えてブロンコⅡから主翼を引き継いだ事でミサイルを計12発装備することが可能(本作のメカは「慣性制御装置(エマーン側)」や「反重力装置(チラム側)」の存在により、翼が無くても飛べる)なほか、加速用ブースターもそこに取り付けることができる。
グローマ内での命名会議で「ギャモン」と最後まで競り合った後、ジャビーの世界の言葉で「戦いの神」を意味する「オーガス」と名付けられた。
なお、この命名会議の中で、番組の企画初期タイトルである「ネビュラード」が桂の思いついた名称案として登場していた。
桂木桂の機体のカラーリングは白地にワンポイントとして赤が入る。関節部の茶色はロボットとしては珍しい配色。
オーガス量産化の際に本機にもその技術がフィードバックされ、改修後はオルソン・スペシャルに迫る性能を得ることとなった。その際にさらなる武装が施される予定だったが、お蔵入りになってしまった。
変形機構
フライヤー・ガウォーク・タンク・オーガロイドの4形態に変形可能。
オーガス・フライヤー
飛行機形態。スペック上では高速飛行形態とされている。
しかし本機に限った話ではないが、時空の歪みによる限界高度が存在するため高空を飛ぶ事が出来ない。また低空飛行では衝撃波で地表に被害を与える関係上、超音速飛行は事実上不可能なため、使用される事は少ない。ただしドックファイト時にはこの形態で戦闘をすることもあった。
オーガス・ガウォーク
フライヤー形態から脚部を展開した形態。腕は展開こそしないものの前方に向けられる。状況に応じて腕部を展開することができるが、この形態ではマニピュレーターの自由度が低いため劇中では2度しか披露していない。
空中での機動性に優れ、低空飛行に適した形態と言える。オーガスの基本形態であり、普段はガウォークのまま飛行母船グローマのカタパルトレールに剥き出しで吊り下げられている(格納庫数に余裕がないため。修理や補給に関しては両脇にある修理セッションに移動し、その中で行うとのこと)ついでに桂は毎回タラップからコックピットに飛び乗っているが、乗り損なったら地面に真っ逆さまである。
オーガス・タンク
腕部を展開し、両足を前に突き出した所謂「お座り変形」な地上移動用形態。この形態でもマニピュレーターを使用することは可能。
音速航行ができないフライヤーの代わりとして地表付近を高速移動できる形態として準備されたもので、本来ならメインで運用される予定だった。しかしほとんどの場合ガウォークで事足りるためこの形態は劇中ではほとんど登場せず(オリジナルとオルソンスペシャル、量産型がそれぞれ一度ずつ披露したのみである)、オープニングにも出てこない。
オーガス・オーガロイド
人型ロボット形態。末端肥大的なプロポーションであり、格闘戦向きとなっている。腕部の自由度を活かした戦法を取ることが多い。この形態でも低速であるが空中移動が可能。
オーガスⅡ
一般兵士用
エマーンがチラムとの決戦にあたって実戦配備した戦闘ドリファンド。オーガスの量産タイプで、原型機とは頭部デザインと脚部、および全体の配色が異なり、主に褐色系に塗装されている。
オーガス原型機に残っていた旧『ブロンコⅡ』の不要部分を排除することによる軽量化と共にエンジン出力の向上を行っている。原型機より性能自体は向上しているがその分一般的な練度のエマーン人パイロットには扱い難くなってしまったため、エンジンの出力を減格する制限器(リミッター)がかけられている。
劇中では主にスレイが搭乗した。
オルソン・スペシャル/指揮官用
チラムを離れたオルソン用に用意されたオーガス。頭部や配色、脚部のデザインが桂のオリジナルオーガスと異なる。個人用カスタム機であり、一般兵士用オーガスⅡともデザインが異なっている。塗装は青灰色。
パイロットの技量が考慮された結果、一般兵士用機に装備されていたエンジンの制限器(リミッター)が解除されているため、各オーガス系機体の中でも最も高性能といえる。オルソン専用機だが桂も一度搭乗している。
オーガス02
チラムとエマーンの技術を融合させた、超時空世紀オーガス02に登場する次世代型オーガス。軌道エレベーターの中で大尉が100年かけて制作した。「02」とはオーガスの第2世代機と言う意味である。
オーガスにナイキックの技術を加えて開発したため、両機の特徴が色濃く出ている。可変はタンクを省いた3段変形に改められたが、これはナイキックの技術を導入した影響と時空混乱のない世界での運用を考えてのこと(本来タンクは限界高度を考慮した際生み出された形態である)。そのため前作では活躍の場がなかったフライヤー形態は本作では活躍している。
武器はすべて内蔵式でビーム兵器とミサイルを装備、特にミサイルは巨大アーマーであるリボーの腕を破壊できる威力を持っている。設定では手持ち武器も用意していた模様。
劇中ではオーガスⅡとも呼ばれているが前作の量産型オーガスがⅡと称されているため、混乱を避けるため02にしている。
模型・玩具展開
アリイ(現:マイクロエース)が1/72と1/48、イマイが1/72と1/40でプラモを販売していた。共に1/72スケールは4形態別での販売、ビッグスケールの方は4形態に完全変形する。オーガスⅡと同量産型はビッグスケールのみが存在した。
なお当時の製造技術の都合上、オーガロイド形態における両肩の前後スイング機構はオミットされていた。
現在は亡きイマイから金型を受け継いだアオシマが、1/40スケールの可変オーガスを(オーガスⅡと同量産型も含め)再販している。ただしレギオスほど多くは再販されていない。
玩具では放映当時にタカトクトイスが販売していたほか、メガハウスからパームアクションやヴァリアブルモデルとして販売されている。(バルキリーと比べると簡易な変形システムな事もあって)すべて完全変形で、パームアクション版とヴァリアブルモデル版では、両肩の前後スイング機構が追加され、ヴァリアブルモデル版にいたってはさらに可動範囲が向上した。ナイキック(パームアクションのみ)やオーガスⅡも発売されていた。ヴァリアブルモデルは後にリニューアル版が発売。
オーガス関連を出す機会のなかったバンダイからもHI METAL-Rとして発売されている。各形態の変形はもちろんのこと、劇中登場のオプション関連も充実している。ただし同ブランドのバルキリー系と比べるとジョイントや関節が多くなり変形自体は本来よりやや複雑となってしまっている。これは各形態でのプロポーション調整のため。各形態はジョイントやロックがしっかりしているため、フォルムが崩れることはない。
MODEROID(グッドスマイルカンパニー)からも可変モデルとして発売している。変型自体はHI METAL-Rと比べてやや単純化されているが、各形態の変型はしっかりしている(ロックなしで形状保持できるほど)。手首のみ変形用の一回り小さいものに差し替える必要があるが、向きを気にしなければ通常の手首でも収納可能。プロポーション重視用のコックピットに差し替えることが可能でガウォーク用の見栄えパーツも付属。こちらもナイキックとオーガスⅡが発売する予定。
関連記事
ナイキック···チラム軍唯一の人型戦闘デバイスで同じく可変機。なおタンクモードは無く三段変形で、オーガスとは違いガウォークよりもファイターの方が出番が多い。
特装機兵ドルバック:主人公機(とチーム機)が後に量産化されるケースが同一。こちらはオーガスではお蔵入りになったパワーアッププランが主人公機に施されている。一部のスポンサーが同一なのも偶然だろうか。
アールジェタン:1980年代当時の玩具業界最大手がスポンサーを勤めていたアニメに登場した自律制御ロボで、オーガス同様人型・戦闘機型・「お座り変形」で成立する戦車型・ガウォーク型(同作においては『ロボジェット』と呼称)の四段変形が可能。