概要
山形県の上山市で毎年2月11日に商売繁盛や火伏せを祈願する為に開催される旧暦小正月の祭事に現れる来訪神。カセ鳥とも。
その名は“稼ぎ鳥”、または “火勢鳥”に由来しており、“ケンダイ”と呼ばれる蓑を身に纏った唐傘お化けによく似た姿をしており、上山城前の焚き火を囲み「カッカッカーのカッカッカー」と歌いながら踊り回り、町の住人に勢いよく冷水を浴びせる中、カセドリたちは踊り続けて町へ通り行き、踊り終えた彼らは住人たちから酒や祝儀を振る舞われる。
なお、頭に手拭いを括りつけられる事もあるが、これは商売繁盛の呪いとされており、時には水が凍り付く中、真冬の北国で冷水を浴びせる行為は水商売の繁盛を祈る意味があるともされているという。
見島のカセドリ
佐賀県の佐賀市蓮池町の見島地区で小正月(2月の第二土曜日の夜)にやって来るとされる来訪神。
神から遣わされた雌雄の番の鶏で、藁蓑に身をつつみ、手甲、脚絆、白い足袋、笠を身に付けた出で立ちをしており、まず熊野神社の拝殿に走り込むと先が細かく割られた長座1.7m程の竹竿を床に激しく打ち付けた後に続けて地区内の家々を順番に訪れて同様に竹の先で家の床を打ち付け悪霊を祓うとされる。
その後、家人が酒や茶を振るい、それにたいしてカセドリは顔を伏せたままそれに応えるが、この時にカセドリの顔を見る事ができれば幸せになれるといわれており、家人はどうにかして顔を見ようと、底の深い器を接待に用いるという。