概要
2024年4月12日公開のアニメーション映画。監督は塚原重義。
『デュラララ!!』で知られる成田良悟が2021年に執筆した『クラユカバ』のスピンオフ小説を原案とする痛快群像エンターテイメント作品。
あらすじ
“箱庭”と呼ばれる炭鉱の町。
地図屋の少女カガリは、日々迷宮のように変化するこの町を地図に記していた。
カガリは、”箱庭”からの脱却を夢見る幼馴染の少年ユウヤや個性豊かな住民たちと共に、町を揺るがす謀略に挑む。
登場人物
カガリ
CV:佐倉綾音
“箱庭”に生まれ育った地図屋の少女。刻々と変わりゆく街並みを絵地図に書き留め情報屋に売っている。
ユウヤ
CV:榊原優希
カガリの幼馴染で同じく地図屋を生業としている。“箱庭”を脱却してもっと日の当たる場所での立身を夢見ている。
カガリに淡い思いを抱いている様子。
伊勢屋
CV:大塚剛央
貸本屋を営んでいる飄々とした男。情報屋としての顔もありカガリやユウヤにとっては商売の得意先であり身内同然の付き合いがある。
『クラユカバ』のスピンオフショートアニメ「出張でくの座・ブクロ編」にも名前のみ登場しており、「イザヤだかイセヤだかっていう自称情報屋」と呼ばれている。
栄和島
CV:細谷佳正
“箱庭”随一の賑わいを見せる商店街「狛犬市場」の代表を務める青年。武術の達人でありその腕っぷしの強さで広く名を馳せている。
シイナ
CV:森なな子
とある機関からの密命を帯びて“箱庭”の調査に訪れた調査員。
常に冷静沈着を心掛けている一方、やや勇み足で粗忽な傾向も。
飴屋
CV:悠木碧
シイナに協力する流しの情報屋。表稼業として飴細工を売り歩き情報を集めている。
朽縄
CV:寺田農
“箱庭”の片隅で機械修理工房を営む老技術者。「公共のため」と大見得を切って日々奇妙奇天烈な発明品を作り上げている。
ササラ
CV:川井田夏海
朽縄の孫娘。事故で右腕を失い朽縄お手製の義手になっている。
朽縄とともに工房で暮らしており、一人で出歩くことは少ない。無口。
用語
箱庭
物語の舞台となる「泰平砿業日ノ出炭砿」の通称。元々は監獄だった土地で、陥没事故をきっかけに大規模な亜炭(褐炭)層が発見されたことで採掘が始まった。このため現在でも周囲を監獄時代の壁が取り巻いている。
表向きは泰平砿業の私有地であるが、泰平砿業の下請けとなる零細企業・組合多数の寄り合い所帯であり、小競り合いが絶えない。
地図屋
「箱庭」で活動する情報屋の一種。ツムギ、または箱庭紡ぎとも俗称される。横穴や抜け道を探って地図に書き留め、それを売って生計を立てる人々。事物の入れ替わりが激しい「箱庭」では重宝される。
ムシクイ
地下に広がる天然の空洞、またそれが引き起こす地表陥没。「箱庭」周辺はこのムシクイの巣窟となっている。
「虫喰」と漢字表記されることもある。
ムジナ
地下空間に潜み人を襲う山賊の類。その存在は古くから知られていたらしい。
「ムジナ」とは警察側が地下匪賊を指す隠語としてつけた名前であり、ムジナ側が自称することはない。
『クラユカバ』に登場した福面党も広義の上ではムジナのひとつ。
狛犬市場
箱庭随一の賑わいを見せる商店街。栄和島が代表を務める寄合「狛犬優良商店會」が仕切っている。
元々は採掘寄合だったが商業に転向し、砿山施設跡を活用して市場を形成している。
寄合の構成員は背面に「狛」の文字を図案化したシンボルと犬のシッポが描かれた法被を纏っている。
石猿一家
狛犬市場の対岸を縄張りとする採掘寄合。
先代のころから狛犬とは対立しており、狛犬が商業に転向して発展してからはその権益を奪取するべく暗躍している。
最近はムジナとつるんでいるという噂も。
「石」の文字を図案化したシンボルが特徴。
コミカライズ
マッグガーデン発行「月刊コミックガーデン」2024年5月号からコミカライズが連載され、同社のMAGCOMIでも掲載されている。
原作・監修:塚原重義、シナリオ原案・監修:成田良悟、漫画:彩naTsu。
作者の彩naTsuは映画の作画スタッフのひとりであり、原案小説や映画の設定画を参照し登場人物の掘り下げを行っている。
関連動画
- 主題歌
「僕らの箱庭」
歌:オーイシマサヨシ
作詞・作編曲:大石昌良
関連イラスト
関連タグ
甲鉄傳紀:共通の世界観を有しリンクしている場面がある。
クラユカバ:同日公開作品で一部の端役が共通して登場する。同時上映ではないので注意。