概要
ペンを持っての筆記は右手で、食事の際に箸を持つのは左手で、という様に、作業内容や用途によって利き手が異なること。分け利き、交差利きとも。
左右どちらの手も同じ様に器用に使える両利きとは異なり、動作によって使い易い手が変わる(明確に役割が異なる)のがクロスドミナンスの特徴である。
ただし、中には両方の手で同じ様に使える動作が有ったり、ごく少数の特定の動作だけ普段と違う方の手で行ったり、といったことも有る。
元々左利きの人に比較的多いとされる。
これは、(歴史上のさまざまな経緯があって)左利きの人が右利きに矯正される事が多かったが、全ての利き手がどちらかに固定されなかったり、家庭や学校で様々な道具の使い方を学ぶ中で、右手での使い方の方を覚えてしまったり等の理由で、動作によって使い易い手(利き手)が分かれてしまう人が出てきてしまったという原因が考えられる。
他にも、怪我や病気で一時的に本来の利き手が使えず、利き手とは逆の手での動作に慣れてしまった場合や、(右利きが書き易い様な形で文字が確立された)書道や、スポーツ等の習い事で、動作として有利に成る事から普段の利き手とは逆の方で行うよう指導された人なども、クロスドミナンスに成る事が多い。
野球選手を例にすると「右投げ左打ち(ボールを右手で投げて、バットは左向きに振るう)で、日常生活は左利き」という人が少なからずいる。
また、射撃やダーツなどにおいても利き目の関係で左で銃や矢を持つパターンもある。
ただし、軍事においては左で構えると心臓を正面に晒す事になる事や、そもそも銃が右利き前提の作りで排莢部分の関係などで不利になってしまうため、リスクの観点から右に矯正されるのが一般的である。
しかし、近年では銃も排莢位置を調整できたりなど、左利きにも不利がないユニバーサルデザインになっている為、一概にそうとは言い切れなくもなっている。
特殊な例として、イスラム教徒の場合は、宗教的戒律により食事は利き手に関わらず右手、用便の後始末は利き手に関わらず左手など、日常のあらゆる行為を左右分けて行う様に定められている為、本来の利き手と関係なくクロスドミナンスになっているといえる。
創作においては
漫画やアニメなどで、両利きとクロスドミナンスを明確に分けている様な作品はあまり多くない。
このため設定上は両利きもしくは左右どちらかのみとなっていても、実際にはクロスドミナンスに近い描写がなされる事もある。
『アイドルマスターミリオンライブ!』のジュリアは、「日常生活は左利きだが右利き用のギターを弾いている」という設定であり、クロスドミナンスであると解釈できる。
他にも『艦隊これくしょん』の金剛等、作中のスチルやコンテンツによって利き手が分かれている(金剛の場合、ゲーム内イラストでは左利き、アニメでは右利き。ただし明確な設定はない)様なキャラクターもいる為、彼ら・彼女らをクロスドミナンスと見る人もいる。
キャラクターの一覧は両利きの項目を参照のこと。
ミステリー関連では
(例として)『箸を左手で扱っているから、犯人は左利きだ』と言うシーンが現れる事もある。
この場合、確かに左利きである可能性は高くなるが、クロスドミナンスである場合、この様な事は成り立たなくなってしまう。
左利きだと断じるシーンに対して違和感を感じるのはクロスドミナンスの人が視聴する『あるある』である。
その他クロスドミナンスのメリット
- 料理を箸で扱う撮影を行い易い。
食べる人の目線でスマホなどで撮影する場合、スマホを右手で、箸を左手で扱う人はその様子を撮影し易く成るというメリットが生じる。
- 箸を扱っているイラストを描き易い。
箸は左で、描くのは右でという人は、箸を持ちながら絵を描けるので、箸とペン等を持ち替える必要が無くなる。
箸を扱っている様子を鏡越しに見れば、『右利きの人が箸を扱う』イラストを描きやすい。
ちなみに、pixivにおけるタグの利用は、2022年10月現在メイン画像のものが唯一である。